9月のとある日。
キッパリと晴れ上がった青空がなんとも気持ちいい。
ここサラマンカにおいては「フェリア」なる、昔々からの
畜産、もしくは農産物品評会が行われる季節。
そして…年一で有名闘牛士も集まる、闘牛の季節。
なんと観にいってきました~!闘牛!
今更ですがw
本格的に闘牛場に、ちゃんと最初から観に行ったのは
初めて♥
何十年も住んでて何やってんだといわれそうですが、
実は仕事でとある村の闘牛に行ってる、騎馬闘牛も
見て、なんなら客に説明さえしてる。でもなぜ?
行ってみればあの村闘牛は、村祭りの延長でしかなく、
おまけに大変にヘタクソ闘牛士が出てきてブーイングの
嵐だった。血反吐を吐く闘牛を更につつきまわる闘牛士…
もう完全にトラウマ(涙)。
…もうそれから何年も経た今。
実は私が住むサラマンカ。
闘牛の牧場というか養育生産地として
有名な土地。。
有名な闘牛に堂々と出てくる闘牛らの紹介に
「名称〇〇、〇キロ、サラマンカ出身」
と出ることが多し。
ここサラマンカには県議会が主催する「闘牛士養成学校」
がある。
対象は8歳~20歳で、理論と実技にわかれて
授業が行われる。
(私自身も、例えば川辺の公園で夕方、熱心にマントの振り方の
練習を繰り返す少年らをみたことがある。正にスペイン、と感心したが)
…そんな環境におりながら、ですよ。
また明治後期に建立された、国内でも著名な闘牛場、
“グロリエタ”の近隣に住みながらですよ。
“なんとちゃんと観たことないんかい?!”
と根っからの闘牛ファン友人がびっくりし、
親切心を出して、なんと今回素晴らしき席を招待
してくれた次第…
以下、闘牛に関する「単なる私の感想」なんですが、
ちょっと書き留めときます。
(*闘牛に関する基礎知識その他は、沢山のガイドブックや
いろんな方のブログがあるでしょうから…そちらでね!)
●最初に言っときますが
私は「闘牛大好き推進派」でも「動物虐待大反対!派」でも
ありません。
何をわざわざ、と思われそうなんですが、
このテーマはスペイン国内でも非常にデリケートな討論テーマ
として扱われてる状態。
ほぼ10年前、カタルーニャ自治州が同地で禁止された
ニュースは世界にも流れたけれど、
それ以外にも政治的な見解、またジェンダー論やら
エコ、ナチュラリストその他大変にいろいろな意見が
が絡む舞台となってしまったのが現実。
実際、私個人レベルで数年前、SNS上で闘牛のニュースを
取り上げた際に、なぜか「友人の友人」なる他人が割り込んできて、
闘牛反対!の長いコメントを書き散らした経緯あり。(トホホでしたよ)
他に、単なるネット上のグルメ記事に、寿司SUSHIの話題が出る度
必ず書き込まれる「捕鯨反対」「クジラ殺すんじゃねぇ!」
のコメントと同じ系列です…
一言、現地においても闘牛に関する話題
「実にメンドクサイ」テーマになっちゃった現実は、あり。
…この現状説明が、まず一つね。
●闘牛=元は田舎クサイ祭り説
昔、小説家の故開高健氏が、爽快な闘牛見聞エッセーを書いていて、
実に秀逸なのだけれど、最後に
「…しかし田舎臭いダシモンやなぁ…」
とボソッとつぶやいて終わったものを思い出す。
闘牛出ました→闘牛士出ました→殺しました、の
シンプルな流れを、中世演劇のようなイントロ→フィナーレ
の形に押し込み、また時々に素朴なブラスバンドの
(古臭い)ファンファーレを入れ、一つの形式劇にしてるわけ。
観客席は日の当たる席、当たらない席で
はっきりと値段、客の階級が分れる。
値段の高い席に年配者、
VIP席と思われるとこにはそれらしき関係者。
そして結構驚いたのは安い席にぎっしりと若い観客が
いたこと。
なんだか勝手に若い世代=闘牛興味なしみたいに
思い込んでいたんだけど、随分熱心に見入っていた
大勢がいて発見だったかも。
男子率80%。
皆さん服装が実にクラシック、女子は
フェミニンな装い多し。しかし全体的にどこか
時代遅れを感じさせるファッション。
…どこか…80年代位に戻ったような気分に
させられたのは事実。
(*但し、皆さん結構礼儀正しい方が多く、
観客の青年にも、大変親切な道案内をして頂いた。)
●闘牛=相撲の世界と似てる説(私ソース)
何を戯けたことを…とお思いでしょうがw
これが私の感想ですw
▼ 国技という設定。
相撲-神道、闘牛-キリスト教と、国教と強い
結びつき。そんなことないという説ありますが、
税制優遇、闘牛学校への補助金制度など、ここらへんが
政治的に叩かれる争点となってます。
▼ その形式美
イントロからフィナーレにいたるまでの形式美。
衣装から演者の立ち位置、音楽にいたるまで。
▼ タニマチその他うんぬんのゴニョゴニョ
裏スポンサーとのやり取り、恐らく莫大な金額
が動いていると思われ。
▼ 貧から抜け出す一発勝負劇
闘牛で少年スカウトはないようだけど、
ごく幼少の頃からの訓練で成り上がるしくみ。
▼ ほぼ男性社会
女性闘牛士はやはり少ない。力士と同じで
大抵奥さんはモデル、歌手などの芸能人もしくは
同じ業界関係筋。
▼夕方に始まる
ほぼお相撲と同じ時間に始まりますww
そして番外ですが…
▼地方の闘牛場にガイジンが行くと、必ず
翌日の地方新聞「闘牛ページ今日のギャラリー欄」に載るww
…そして翌日行きつけのバルで笑われますw
オチはないです。