スペインサラマンカ・あるばの日々

スペイン語留学の街、サラマンカより、地元情報とスペイン文化、歴史に関する笑えてためになるコラムをお届けしています。

スペイン魚介缶詰。地元のおっさん風 美味しい食べ方など

2022-01-19 22:13:19 | スペインのタベモノ

スペインは缶詰大国。

特に魚介類の缶詰、種類豊富。
スーパーのコーナーなど、おお!となるほど
棚スペースがとられていたりする。

タコやイカ、タラコなどの魚卵類もあり、ムール貝などの貝類、
サーディンやらの魚類も味付けも豊富、実にバラエティ、
そしてお値段もピンキリの幅、広し。

お土産に…と恐る恐る買った方もいるかしら。

 

ただ、この「缶もの」ってのは開けてみるまでわからない。

よって、買ってはみたものの、ビミョー過ぎて、
そのまま放置、もしくはちょっと試してあぁ…って感じで
終了、ってのが多いかも。

(ちなみにあんまり安いのはアウトです。パッケージの写真は同じなのに、
安い奴は、わかりやすいレベルのクズモノが出てきます←経験者W)

と、いうことで。

以下、「割とポピュラーで、手ごろな缶詰」をご紹介。

そしてそれの「地元のおっさんの食べ方」も教えちゃいます(爆)


● ムール貝  ( Mejillones / メヒジョネス)

“庶民の味方系オカズ”として、古くから親しまれるムール貝。

他の貝類より比較的安価で、安い時など
どっさり買って蒸してレモンで食べたり、
もちろんパエリャに入れたり。



缶詰界でもほぼ王様の位置にあり、
大抵はピリ辛オイル漬け、トマト風味など
味付されていて、開けてすぐ食べれるのが魅力。

というわけで、このムール貝缶を使った
大衆向けレシピ。

▲ポテチのムール貝ソースかけ

~用意するもの

-ポテトチップス(お好みの味でかまわないが、普通の塩味が好ましい)

-ムール貝の缶詰。(水煮じゃなくて味付きのやつ。てか大抵味付)

~作り方

ポテチを皿に開け、缶詰を開けてその上にどばぁ~とかけまわして終了。

 

…え?(怒)

とお思いでしょうが。
これがみんな大好き、必ず手を伸ばす一品。
なんならおかわりまでする。

結構な「むかーしからあるレシピ」であって、
作ると、特におっさんなどわらわら寄ってくる。
キャンプ時にもよし。

ソースでしんなりしたポテチで貝を
すくいながらやると、ビールがぐいぐい進む。

 

ムール貝缶が手に入ったらぜひお試しを!!

 

●ザル貝 (Berberechos/ベルベレチョス)

 

アサリのような二枚貝系はこちらでも結構人気。

アサリより安価だけど、ムール貝よりは高い。
小さい身ながら、ぷりぷりしてて、おつゆの
味が濃厚で、ワイン蒸しなど皆大好きの一品。


 

レストランで頼むと結構お高いんだけど、
そこは缶詰の強みであります。

 

▼ザル貝のマリネ風

~用意するもの

-ザル貝の缶詰(大抵水煮で売ってます)

-玉ねぎ、オリーブオイル、黒胡椒

~作り方

皿にザル貝缶を開ける。この時おつゆは全部捨てずに、
つゆだくの感じで。

上に玉ねぎのみじん切り、黒胡椒を引いたのをふりかけ、
最後にオリーブオイルをたっぷり目にかけまわす。

~食べ方

つまようじで掬いつつ、パン片の助けを借りて食す。

貝の身がちっちゃいので、たまねぎみじん切りは細かくね。

あくまでシンプル。たまねぎの辛味と貝のうま味、
そしてプチプチ感。

これも速攻なくなります。

 

●ガーフィッシュもしくはトビウオ科の魚(Agujas/アグハス)

これは…実はあんまりスペイン全国区ではないかも。
ほんとにたまーに魚屋さんでみる細身の魚。



でもスーパーの缶詰部で見つけた時から…


個人的にはまっております。
お値段も高くない。


それまで愛用していたオイルサーディン。
それよりも身がしまっていて、タイトな触感。
クセがなく、さっぱり感が日本人心をくすぐるのかな。

これに関しては「ただそのまま食す」
だけで芸がないんだけど…w

白ワインと合います!

(あ、和風に大根おろしとかと合わせてもいいかな)


●最後に、缶詰界最新ニュース(爆)

 

新進気鋭のシェフとして、世界のグルマンから注目
されている人物、ダビ・ムニョス(Daviz Muñoz)氏。
 

マドリッドにある彼のレストランDiverXO
ミシュラン3つ星を獲得しており、その創作料理、
またタレント性の高い彼自身も常に注目を浴びてるのだけど…


本年2022年。開けて早々に
「できました~俺の新作パエリャ!」とSNSで
自身が発表したのがこれ↓



“酢漬けキャベツのソフリット、エスプレット(唐辛子の一種)、タコの
炭焼き、イカの墨煮缶詰で作りました!”

…日本だと「イカ墨のパエリャみたいなもん?」
で、終わりそうだが、

ここスペインでは「パエリヤ警察」の輩が黙っているはずがなく、

「そりゃ単なる米料理だろ!パエリャじゃなぁあい!」

と、ネット上で多いにつっこまれた由。

(この「パエリャ警察」なるものは、伝統なるパエリャの調理法に
やたらこだわり、ほんの少しの異端も認めず、やたら人の料理に
首をつっこむメンドクサイネット住民であり、いわゆる「寿司警察」
「着物警察」などとおんなじ活動をしていると思われ。)

…そう、彼らのつっこみ所の一つが缶詰

美味しくて手軽、便利でお手頃、
そんな庶民の味方である缶詰だが、

「座っただけで5万はとられるミシュランのレストラン
オーナーが、自身の創作料理に使う」

と、なんか騙された気分になって憤慨するんだ。

客になったわけでもないのに(爆)

 

とまあこんな感じで始まった今年のスペイングルメ界。

しつこいコロナの影がどんどん消えていって、

再び賑やかで楽しい、美味しい話満載に
なって欲しい!とここは切に願うのであります。