美祢市美東町綾木 四之瀬にお住まいのOさんから昨秋、
「毘沙門天の境内に群生している植物を以前訪れた人が、
『オオバハナヤスリで、非常に珍しく、稀な植物』と言われたので、見てくださいませんか」
と、言われていました。
10月に、三宅貞敏先生、徳光弥生さんと3人で訪れましたが、
肝心の、境内の鳥居をくぐった辺りにある植物は、季節がら姿がありませんでした。
Oさんから聞いていた情報でヒロハハナヤスリと推察、
シダに詳しい三宅先生も「たぶん、ヒロハハナヤスリ」と言われました。
今日、エコツアーのあと、徳光さんと四之瀬の毘沙門天に来ました。
【①弱々しく葉が柔らかなハナヤスリ属のシダが群生していました】
【②日当たりの良い秋吉台のヒロハハナヤスリとは同じに見えません】
が、聞いていた「オオバハナヤスリ」の植物名は、どの図鑑にもありません。
【③ヒョロヒョロと草丈が伸び、高さ25cmくらい】
【④葉は柔らかく】
【⑤葉の基部が茎を抱いている様子は、ヒロハハナヤスリ】
【⑥ヒロハハナヤスリは「林下が明るい春に生育し、7月には枯れる」】
ヒロハハナヤスリは、秋吉台では『やや普通』状態で見られますが、
県全体では、「山口県産高等植物目録」に『ごく稀』とあります。
精査の結果、四之瀬のハナヤスリ属のシダは、
山口県に『ごく稀』に生育している、ヒロハハナヤスリと同定しました。
同じ植物でも環境によって見た感じがこんなに違うということを改めて実感。
「井の中の蛙」にならないよう、たまには他の山に行くことも大事ですよね!
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