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ドバイワールドカップDayを振り返る(1)日本馬中心

2006-03-28 16:33:13 | 海外競馬(ドバイ)

 もう、だいぶ遅くなってしまいましたがドバイワールドカップデイを振り返ろうかと(今回は日本馬中心に)

 復習しておくと、今回のドバイワールドカップDayに参加した日本馬は9頭。昨年の最優秀ダートホース、カネヒキリを筆頭に最優秀短距離馬、ハットトリック、最優秀4歳以上馬、ハーツクライなど質・量ともに過去最高と言えるメンバーでした。

  
  ゴドルフィンマイル~ユートピア1着
 ユートピアは気分良く先行できればかなりやれるであろうと述べていましたが、ここまで楽勝するとはまったくもって想定の範囲外。レース中はMarbushやShamoanと平走していたように、楽に行かせてもらえる展開ではなかった。まさか、このまま押し切るとは・・・。そう言えば、この馬は安田記念4着や毎日杯2着がある馬。ある意味、芝でも通用する馬をドバイに連れて行け理論は当たっていたともいえる。何はともあれ橋口先生おめでとうございます。


  UAEダービー~フラムドパシオン3着、ガブリン7着。
 ゴドルフィンマイルの快勝から勢いに乗ったように見えた日本馬だが、ここに立ちはだかったのがフランキーとDiscreet Cat。ガブリンは、先導役を務めるなど一応の存在感は見せたようにも思える。フラムドパシオンは直線でガブリンとDominguinの間という少々窮屈なところから抜けてきましたが、それ以外はほぼパーフェクトな競馬に思えた。窮屈なところを抜けてくることが無ければ2着はあったかもしれないが、勝ったDiscreet Catは別格でしょうね。
 フラムドパシオンは帰国してユニコーンSに出走するのでしょうかね。来年、ドバイにリベンジするつもりであるのならば、もっと力をつけて芝でも好勝負するレベルにならないと同じ父であるフサイチリシャールに取って代わられる恐れが出てくる。


  ドバイゴールデンシャヒ-ン~アグネスジェダイ6着
 アメリカ馬が1~5着を独占する中の最先着。結構これは凄いことだと思う。いつものような先行策が決して出来たとは言えない中で地味に最後まで伸びてきていますし。今後の課題はダッシュ力の強化か。しかし、近走もそれほど良いとは言えなかっただけに改めて森先生の腕に感嘆。ただ、この馬もそのうち地方での小金稼ぎに使われていくと思うと・・・。「競走馬はレースに使われている時が一番幸せ」という森先生の言葉には納得できるものの、現地方交流競走の仕組みでは非難が集まるのは当たり前。森先生はルールに従ってやっているのだから非難される覚えはないのであろうが、毎回毎回同じメンバーの選出馬では一部の人間を除いて興味が削がれるのは当たり前。最近は中距離路線で新しい風が入るようになった。短距離路線はどうだろう。

  
  ドバイシーマクラシック~ハーツクライ1着
 ハーツクライ様には何も言うことはありません。ペースが遅いと見るや逃げに出でそのままムチも入れずに押し切ってしまった。先行馬有利の馬場にも助けられた側面も確かにあったが、それを差し引いてもこのパフォーマンスは賞賛に値する。
 次は調教師はキングジョージ、照哉は宝塚記念からキングジョージと両者ともキングジョージ目標ということだけは一致している模様。本当なら、事前にイギリス入りしてどこかで一回レースを使ってから臨んで欲しかったが、海外遠征が60日以上になると検疫の問題もあり、そう簡単にはいかなくなってしまう。不利になることは承知で宝塚記念経由もしくは直接挑むことになりそう。


  ドバイデューティフリー~ハットトリック12着、アサクサデンエン15着
 ハットトリックは中山記念では重馬場&中山コース&出遅れを考慮しても負けすぎだったために、今回の長めの芝&散水&前が止まらない馬場のために惨敗にも納得。アサクサデンエンは道中、挟まれる不利で崩れてしまった。どこかに故障があったのではないか?と心配したが、今日時点でまだ発表が無いだけに大丈夫なのかな。
 ハットトリックはこんな調子ではアジア・マイル・チャレンジなんて言っていられないので思い切って春全休にでもしたほうが良いと思う。この馬、調子が良いときと悪い時の差が激しすぎる。角居先生も大変だろうに。アサクサデンエンはまず無事でいる事が第一。


  ドバイワールドカップ~カネヒキリ5着、スターキングマン8着
 このレースにカネヒキリが大きなトラブルも無く出走した。それはつまり、万全の状態で出走したカネヒキリでも相手にならない場合、最早ダート馬ではこのレース制覇は無理ということに結論を下せると言っても過言ではないと自分は考えた(以前言ったように芝重賞勝ちもあるシーキングザダイヤがいればもっと分かりやすかったのですが・・・)
 結論から言うと、カネヒキリではElectrocutionistの相手にはならなかった。直線で一瞬窮屈に見えた場面もあったが、それを除いても勝ち馬はおろか、3着もあったかどうか分からない。やはり、瞬発力の面や最大スピードの面での差は大きい。そもそも、日本においてダートは芝では今一つ伸び悩んでいた馬が走る場所と見られている風潮&現状がある(つまり、芝の2軍という扱い)。そんな、現状の中でのトップと言っても・・・なのは当たり前。一度でいいからカネヒキリと現段階の芝トップホース10頭集めてダートレースしてみて欲しい。果たして、カネヒキリは勝てるのであろうか・・・。
 カネヒキリには厳しいことを言っているようだが(もっと厳しいことを言っている人も多いですが)トゥザヴィクトリーを例外として、ある種日本馬の定位置だった6着から一つ前進したのだから、来年・再来年とさらに研究を重ねて頑張って欲しい・・・(過去挑んだ日本のダートチャンピオンの中でも実力を発揮できる状態&力のピーク時に挑んだカネヒキリが5着だったのは、それが日本のダート馬の限界ということなのであろうか・・・。