特にこれといったニュースも無いので、独断と偏見で選んだ名馬(迷馬?)についてでも語ろうかと。第一弾(続くかは不明)は2004年の皐月賞馬ダイワメジャーの兄、スリリングサンデー。
ダイワメジャーの兄、最近の競馬ファンはスリリングサンデーという馬を端的に言い表す時この言葉を使うであろう(ダイワルージュの兄という人もいるかもしれませんが)。しかし、自分の中では決してスリリングサンデーはダイワメジャーの兄という評価で終わる馬ではない。
父は言わずと知れたサンデーサイレンス・母のスカーレットブーケは重賞4勝の名牝・関西の名門伊藤雄二厩舎所属・社台RHでの募集価格は10000万円。その年の社台RH最高価格募集馬(てゆうか、初の大台)であった。
スリリングサンデーは当初、京都デビュー予定も東京1600mでのデビューへとなる。そこをクビ差で勝ち上がるが、そこで破ったのは後のNHKマイルカップの勝ち馬シンボリインディやラジオたんぱ賞の勝ち馬シルクガーディアンといった素質馬であった。デビュー前から評判だった2頭を破ったことにより、意気揚揚と2戦目に臨むもスリリングサンデーはイレ込みもあり力を出せず5着に敗れてしまう。その後スリリングサンデーはエリカ賞で噂の評判馬と戦うことになる。
デビュー戦で桁違いの瞬発力を見せながら降着、成績上は未勝利ながら出走してきたアドマイヤベガに結果的にスリリングサンデーはクビ差及ばなかった。しかし、このレースで見せた後のダービー馬に勝るとも劣らない末脚はクラシック路線での活躍を予感させるものであることは疑いようも無いものだった。ちなみに、当時の私は大変な〝アンチ武〟であったため、この馬がエリカ賞で勝ってアドマイヤベガのローテが滅茶苦茶になることを夢見ていました・・・。若かったな・・・
年明け初戦の福寿草特別。ここはO.ペリエが安全策を選択し、逃げての楽勝。ちなみに2着馬は後のドバイワールドカップで2着に入り、エリザベス女王杯を制したトゥザヴィクトリー、3着は後の菊花賞馬ナリタトップロード。これらの馬をまったく相手にせず独走。シンボリインディを破ったり、アドマイヤベガと接戦も評価されますが、この馬が一番評価される理由としてはやはりこのレースの楽勝ぶりではないだろうか?雑誌・優駿のDVD名馬の蹄蹟~ナリタトップロードにおいて直線だけこのレースが見れますので是非どうぞ(宣伝)。スリリングサンデーはこのレースで未来は明るくなったはずであったが、通過点に思えた次走の若駒Sで地獄を見ることになる・・・。
勝ったのはニシノセイリュウ、桜花賞馬ニシノフラワーの初仔の前に惜敗。そして、レース後の故障判明。調教中に右前第1指骨を亀裂骨折という重症。春のクラシックどころか競争生命すら危ぶまれる重症だった。
それから2年2ヵ月後、再びターフに戻ってきたスリリングサンデーはあっさりと復帰戦を勝ちあがり、多少1000万条件で躓いたものの、連勝を決め1600万条件昇級。しかし、そこでまたしても足元が悲鳴をあげ休養に。再度2年の休養を経て戻ってきた時は所属は伊藤雄二厩舎から矢野進厩舎へ。そして、以前見せていた能力を示す事無くターフを去っていった。
いま、どうしているのかな~と思っていたら何と日高ブリーダーズSSで種牡馬入りしており、受胎確認後20万円、産駒誕生後30万円の条件とのこと。故障が無かったら重賞の一つや二つは確実に取れていた馬。種付け数は30頭前後のことなので、この中から父親の無念を果たす馬の出現を望みたい。
スリリングサンデー
牡10 栗毛
父サンデーサイレンス
母スカーレットブーケ(父ノーザンテースト)
馬主/㈱社台RH
調教師/伊藤雄二(栗東)→矢野進(美浦)
生産者/社台ファーム(北海道・千歳市)
主な勝ち鞍/01鳴滝特別(1000万条件)、01兵庫特別(1000万条件)、99福寿草特別(500万条件)