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?「トヨタの闇」ビジネス社を読んだ

2009-07-21 05:51:01 | 日記・エッセイ・コラム

 私は、親父がトヨタの社員だったため、40年近く豊田市に住んでいた。

 教員志向の私は、トヨタの系列会社にアルバイト感覚で働いていたこともあり、本書に書かれている事は、世間では知られていると思ってもいた。

 本書は、過労死からはじまり、組合・欠陥車・下請け・世界での評価で終わる。

 本書は、聞き込みが多いが、女性工員の労働環境などは、書いていなかった。
以下実話を書く。

 クーラー完備と聞いていたのに、配置された現場ではスポットクーラーさえなく3ヶ月でやめていった高卒の女子新入社員もいた。工場を外から見れば分かるが、天井が高く、かなりの発熱を伴うランプを付けているため、また、溶接行程が多いため、エアコンなど意味がなく元から設置していないところが多いし、昔から扇風機が主流なのである。

 現地に住んでいれば、近所のトヨタ社員の息子がトヨタに入ったが、すぐさま胃潰瘍で入院したとか、定年間近の人が酸素ボンベをつけたまま通勤しているとか、残業がないと生活ができないとか、QCサークルのため休日もなくなるとか、いろいろな情報が、中学・高校・大学の時にも耳に入ってきたものだった。

 一日、秒単位で働かされるので、ぼーとしていると、ビス・部品の付け忘れがある。また加工ラインの場合、溶接ミス・部品間違えで、後工程に迷惑をかけることもある。その時は、職制がやってきて、「気をつけてやってよ」と言われ、対処する。職制・リリーフは、そのような時のための予備社員でもある。

グループ企業(今はない刈谷工場)での飲み会ではコンパニオンを招いて、上司がコンパニオンの下着の中身を、金をつかませて大っぴらに、のぞくという無礼講もあった。日頃、工場長から罵倒され続ければ、こうなるのか。

 ホワイトカラーは、それなりに努力しているのに、製造現場の人の多くが、下品そのものを楽しむことを許容する「なあなあ」の企業風土と分かり、魅力を微塵も感じなかった。

 リコール数がかなり多いのも、分かる。
 

 月収30万という宣伝につられてやってくるのは、短期労働者。しかし、工場内では、社員の有給消化のため、短期に雇うことがあり、職制に「いつまでやるの。早く辞めてよ」と言われる派遣社員もいた。このような体制で、良品の継続生産は困難。

 トヨタが憎いわけではない。カイゼンの対象は自分たち自身であることをわきまえなければ、継続不可能だ。

 豊田市に住む同郷者・同級生たちよ、カイゼンに勤しめ。


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