8月9・10日、名古屋市千種区の名古屋大学キャンパスにおいて第12回戦争遺跡保存全国ネットワークのシンポジウム愛知大会が120名の参加の下で開かれ、新宿平和委員会からは管理人が参加しました。2001年に川崎市の川崎平和館で開催された第五回全国シンポに故松田修次さん(新宿平和委員会々長)と管理人が初めて参加し、「葵から菊を」という新宿区内の戦争遺跡調査活動について発言しました。
今大会の開催地となった愛知県内には、数多くの軍需工場・軍事施設が存在し、それゆえ米軍の空襲により甚大な被害を被りました。現在、豊川海軍工廠、豊田市の旧名古屋海軍航空隊地下通信壕、名古屋陸軍造兵廠、瀬戸地下工場、本土決戦陣地など、305件の戦争遺跡の存在が確認されています。豊川市では、海軍工廠跡の保存・活用を求める広範な市民の要請を受け、文化庁の現地調査が行われ、市当局・土地所有者である名古屋大学も前向きな姿勢を示しています。豊川市の「平和公園」構想が、愛知県における戦争遺跡の保存と活用の先駆的な実践例になることが大会の発言からも期待されました。
史跡・文化財として指定・登録された戦争遺跡は、11年前の7件に対して現在144件と急増しています。戦争体験の風化が進む中、「語り部」として戦争の真実を後世に伝え、戦争の愚かさと平和の尊さを学ぶ場として、戦争遺跡を保存・活用しようとする運動が国民共通の願いとなっていることを示すものと言えます。文化庁の『近代遺跡調査報告書⑨(政治・軍事)』の発刊は予定より大幅に遅れていますが、一日も早い刊行を要望するとともに、刊行後には国史跡・文化財への指定に向け積極的な検討が求められます。
新宿区内では学習院女子大学内の近衛連隊兵舎跡が国文化財指定になるかどうかが注目されます。また区内にある約60件の戦争遺跡を含めた近代遺跡・遺物調査し、国指定への登録をしていくよう新宿区教育委員会に対する要請行動をしていかなければなりません。
戦争体験者の口から戦争の悲惨と無意味さを聴き取ることが時間的にも難しくなってきました。証言を蓄積し、戦争の記憶を記録することが急務となっていますが、新宿では「50年目の伝言」が発刊され、管理人が「60年目の伝言」としてその一部をwebサイトにアップしました。昨年12月に開催した第一回「ピースウイークinしんじゅく」ではさらに戦争体験の証言者を見つけることができましたので、その記録化をしていくことが求められています。
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