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Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

楽茶碗の手触りを想像?

2019年08月05日 06時42分35秒 | 美術館・博物館etc.

★楽美術館 サイト
『夏期展 樂焼って何だろう? 茶碗 肌 ぬくもり』 ※8月18日(日)まで

楽美術館の夏季展は毎年恒例で「何だろう?」シリーズ。
夏休みを意識して、子供が鑑賞しても理解しやすいように解説文が平易なのがウレシイ。

ただ、変わった点が。
昨年までは「楽って何だろう」。今年は「楽って何だろう」。「焼」が増えた。
それが15代から16代に代替わりした「変化」なのかどうかはわからない。

解説文は明らかに16代。テーマの「肌 ぬくもり」に添って、触った印象が解説文の中で書かれてあった。

へぇ~。そうなんだぁ。と感心することが多かった。
だって、見た目だけでは感触って想像しづらい茶碗が多いんもんね。

まぁ、先代の頃から実際に楽茶碗に触れるイベントを月1回開いているし、
先代の講演会でも手触りの話題が必ずくあったなぁ。

さて、展覧会のラインナップ。

第1展示室の入口独立ケースは田中宗慶の黒楽茶碗「初雪」。(個人蔵)

長次郎じゃない、ってところがまず意外。
しかも、近年までその存在すら明らかになっていなかった宗慶なのに、
文禄4年、66才と製作年代まで判明しているのが、すごく意外だった。

そして、三代道入の赤楽筒茶碗「山人」。ザラザラした感触。若い頃の作。
四代一入の赤楽茶碗。外側は黒いけど、内側はちゃんと赤い。
五代宗入の黒楽平茶碗。「あぁ、いかにも宗入っていう感じの独特の黒釉薬だなぁ」
六代左入の赤楽平茶碗「夏木立」と白楽茶碗「祇女」←貫入が特徴。形と大きさは宗入の「亀毛」に似てる。腰がくいっ。
銘は平家物語に出てくる白拍子の姉妹に因んでいるのだけど、「祇女」と対になる「祇王」という銘の茶碗もあって、
それは赤楽茶碗なんだそうな。

七代長入の白釉葵紋写茶碗。←たしか、紀州徳川家のお庭焼じゃなかったっけ。
八代得入の黒楽茶碗。
九代了入は焼貫井戸形茶碗。
十代旦入は朝比奈写茶碗。腰がどっしりした、横から見たら四角い形。

十一代慶入は団子之絵黒楽茶碗。中印(37歳~51歳の作)
十二代弘入の赤楽茶碗「楓錦」
十三代惺入(せいにゅう)の焼貫茶碗「雁来紅」。
若い頃の作だそう。正面の文様、とくに赤い釉薬がすごく惺入さんらしい複雑な色合い。

十四代覚入は赤楽茶碗「連山」←でっぷりした感じ 
黒楽茶碗「晴姿」←昭和31年。高松宮ご夫妻が楽家を訪問した際に実演したもの。

中2階の第2展示室は製作に触れられる内容。

新しい黒楽内窯と壊れた内窯。
鉄挟、ふいご。

弘入、惺入、覚入が集めた土。硬い中に軟らかい感じがあったり、石ような塊だったり。
聚楽第の発掘調査で出た土をわけてもらったという聚楽土。←軟らかい感じ?

黒楽の釉薬に使用する加茂川の石や備長炭(宮崎県産、高知県産、和歌山県産)も。

十五代は直入になった。中2階の奥独立ケースにルビニャック茶碗。←ロシアで製作したんだっけ???
惺入の菊之絵の平水指がペルシャっぽくて印象に残った。

第3展示室に長次郎の黒楽平茶碗「隠岐嶋」←初見?
二代常慶の菊之絵赤楽茶碗。赤というか朱、オレンジ色。
三代道入の黒楽茶碗「木下」。←つるつるした感触?

六代雨雲写黒楽茶碗。←光悦の本歌を上手にコピーしているわぁ
了入の赤楽茶碗。古希七十之内。←削りが大胆でノリノリ~っていう印象

直入の2008年制作の焼貫黒楽茶碗。もう一つ、焼貫茶碗「白駱」←制作年の記載なし

トリは十六代吉左衛門の黒楽茶碗。惣吉造。個人蔵。

襲名の個展はいつ、どこでやるのかなぁ?

ちなみに、次回の展示は

 秋期特別展『樂歴代 魂を映じて Mirrors into the Soul-Raku Tea Bowls through the Ages-』
 ※8月24日(土)~12月24日(火)

★楽美術館バックナンバーリスト
 2019年3月富士をみる
 2019年1月 『変わる−時代・元号・歳・代−』
2018年10月 開館40周年 秋季特別展『光悦考』
 2018年5月 『開館40周年記念特別展 能と樂茶碗 幽玄と侘び ? 形の奥にある美意識』
 2018年1月 『開館40周年 樂美術館 新春セレクション』
 2017年11月 『名碗 ロシアを旅した樂 樂美術館版 エルミタージュ、プーシキン美術館帰国展』 
 2017年7月 『楽って何だろう』
 2017年4月 『茶碗の結ぶ「縁」』
 2017年1月 『茶のために生まれた「樂」という、うつわ展。』
 2016年10月 『三代 樂道入・ノンカウ展』
 2016年6月 『樂歴代~長次郎と14人の吉左衞門~』
 2016年1月 『樂歴代 優しいすがた』
 2015年10月 『本阿弥光悦 光悦ふり・様式と展開』 
 2015年3月 『樂歴代 装飾への荷担・抑制と解放』
 2014年12月 特別展・宗入生誕350年 パート2『初源への視線 樂家五代宗入と三代道入、四代一入、九代了入、十五代吉左衞門』
 2014年9月 『元禄を駆け抜けた雁金屋の従兄弟ども 「樂家五代宗入と尾形乾山」』
 2014年7月 『親子で見る展覧会「シリーズ 樂ってなんだろう」―手捏ねと轆轤制作―』
 2014年5月 『定本 樂歴代』
 2014年2月 『樂歴代 干支・動物たちの新春 日常の風物、いろいろな物語、干支、吉祥の動物たち』
 2013年10月 『利休/少庵/元伯/千家の時代 と長谷川等伯「松林架橋図襖」修復完成記念特別展示』
 2013年3月 『楽歴代名品展 楽家歴代が手本としてきた伝来の茶碗』
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第二、第三展示室)
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第一展示室)
 2012年10月『工芸 肌をめでる。樂茶碗の陶肌 茶の湯釜の鉄肌 一閑・宗哲の漆肌』 
 2012年8月 『季節を感じよう!! 夏祭りと茶の湯』
 2012年3月 『樂歴代の名品 秘蔵の長次郎を見る』
 2012年2月 『京の粋 樂家初春のよそおい』
 2011年10月 『樂と永楽そして仁清 京の陶家 「侘と雅」の系譜』
 2011年8月 「樂焼のルーツは、なんと! カラフルな中国の焼き物」
 2011年5月 「樂美術館コレクション-樂歴代とその周縁」
 2011年2月 「特別展樂吉左衞門還暦記念� 個展「天問」以後今日まで」

 2010年11月 『楽吉左衛門還暦記念展』
 2010年5月 春季特別展『楽歴代展』
 2009年11月 重要文化財新指定記念特別展『長次郎二彩獅子像+勢揃い京の焼き物 侘と雅』
 2009年8月 「『楽焼のはじまり、そして今』親子で見る展覧会/シリーズ「楽ってなんだろう」
 2009年5月 春期特別展『樂歴代』 
 2008年10月 開館30周年記念特別展『長谷川等伯・雲谷等益 山水花鳥図襖&樂美術館 吉左衞門セレクション』
 2008年8月「楽茶碗を焼く」
 2008年5月「楽家の系譜」
 2008年3月「動物の意匠」
 2007年11月「元伯宗旦」

 2017年4月 『茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術』 東京国立近代美術館
 2017年1月 『茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術』 京都国立近代美術館
 2016年7月 『吉左衞門X 樂吉左衞門 樂篤人 樂雅臣  ― 初めての、そして最後の親子展 ―』 佐川美術館
 2010年11月 特別展『千家十職 楽家の茶碗-極められた赤と黒の美-』 表千家北山会館
 2006年9月 「赤と黒の芸術 楽茶碗」(三井記念美術館)


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