ヒゲクマの家では、ホトトギスとハギが盛りを迎えています。
秋の花は好きです。
そうだ、彼岸花とアカマンマを探しに行こう。
<発想が単純過ぎやしませんか…>
「Simpl is best!」
<何言ってんだろうね>、キキはあきれていました。
家を出ると、広瀬川沿いを北上することにしました。
第一彼岸花発見は、岩神町三丁目、古書店「大閑堂」さん近くの広瀬川の岸です。川岸の植え込みの中にありました。
北へ500m、岩神町四丁目、広瀬川の上に作られた遊歩道の植え込みの中で二つ目を発見、結構いっぱいありました。
また北へ500m、今度は小出発電所の水槽の東側、上小出町2丁目の菜園の彼岸花です。
更に北に、上小出町3丁目の東京電力前橋発電所の近くまで来ました。
ありました、ありました、アカマンマです。でも、このアカマンマ、小さいときに遊んだのと違います。これはオオケタデ、帰化植物ですよね。
私が遊んだアカマンマはイヌタデ、こんなに大きくないし、こんなに鮮やかなピンクをしていません。赤飯ほどの赤さです。でも、アカマンマ第一号です。
東電前橋発電所裏、水産試験場の裏藪前の菜園にも彼岸花が咲いていました。
この菜園にはさつま芋が植わっていました。葉っぱを一枚いただいていもの葉のペンダント作ったのですが、かけてあげる人がいません。愛車のサドルにかけました。
ここからしばらく彼岸花もアカマンマも見つからず、約2km上流、関根町の関根発電所まで来てしまいました。
ここで、4匹の若い猫に会いました。
明らかに、捨てられた猫たちです。
哀しいことです、身勝手な人間は、この時何をしているのでしょうか…
関根発電所の水槽の縁には、カワウとカルガモがくつろいでいました。
更に1km北上、田口町の桃の木川の最上流部に来ました。きれいな小川です。大好きな場所です。
見っけました、アカマンマ、イヌタデです。でも、赤みは僅かで、ほとんど白色です。イヌタデには、ときどき白い奴もいるんですが、ここのは白いのばかりです。
芋車の上に咲いているのも、白いアカマンマです。変だよね、白いアカマンマって言い方。でも、そうなんだ。
カワトンボがたくさん飛んでいました。たぶん、アオハダトンボっていうのだと思います。以前、隣に鯉池があったときは、ヒゲクマの家にもたくさん遊びにきていました。
コチラは、イナゴです。今時は珍しい存在です。昔は、たくさん獲って佃煮に煮ていたのですが…
ジュズかな、ハトムギかな、花をつけていました。彼岸花とアカマンマといってきたけど、ここに来るとあれもこれもになってしまいました。
更に上流、桃の木川が三面コンクリートの水路になってしまったところで、彼岸花に会いました。
その上の、桜の木の根方にもたくさんの彼岸花が咲き始めていました。
彼岸花を一つ摘んで、ネックレスを作りました。首にかけてくれる人はいませんから、桜の枝にかけました。
こんなことして遊んでいたら、「館長さんじゃねえんかい?」って声かけられちゃいました。
近くの菜園で畑仕事をしている眼鏡のおじさんです。
「ええ、県の文学館の館長していた佐藤ですが、どちらでお会いしましたっけ?」
「やっぱり館長さんかい、ほら、バスの中…」
そう、通勤に使っていた関越交通バスの運転手さんでした。
しばし、四方山話、嬉しいんですよね、こういう再会って。
「こっち来たらよんないね…」、お別れの言葉です。
田口町から東へ上ると、そこは富士見町(旧富士見村)原之郷です。大正用水が流れています。
赤城山も鍋割がやたらとでかく見えています。近づいてしまったんです。
原之郷の農地に出たら、彼岸花は探す必要がなくなりました。あっちにもこっちにも、そこにもここにも彼岸花なんです。
彼岸花越しに、ふもとの前橋のまちのビルが見えていました。でかいのは県庁だっけ。
シロバナマンジュシャゲも見つかりました。これ、園芸種が野生化したんだと思いますけれど…
こんなにいっぱいの彼岸花見ていたら、彼岸花探しは原之郷で打ち切ることになりました。
でも、きれいだよね、いろいろ言われる花だけど、きれいだと思うんだな。
それで彼岸花止めて、下ってきて、桃の木川の川岸の道に出ました。
やっと見つけました、これぞアカマンマ、イヌタデ、でもチンコイやつでした。もう秋なのだから、もう少ししっかりしたのがいいなと思っていたら…
あった、あった、桃の木川の川の中、立派なアカマンマの群落です。こういうの見たかったんです。
こっちでは、イヌタデとオオケタデが一緒の群落をつくっていました。
そばに寄ってみることのできない場所に、アカマンマはいっぱいいました。
お昼には、まちに戻って、いつもの暮らしに戻りました。
9月23日は『前橋子ども芸能座』ですのウェブページを新設しました。ご覧ください。
次回の「ヒゲおじさん厨房に入る」は9月26日、朝日新聞群馬県版に掲載予定です。