<すみません、昨日のヒゲクマ、帰ってきて焼きうどんつくって食べてから、私と遊んでいたら寝ちゃいました。それで、ブログのアップが今朝になってしまって、急がせますのでよろしく…>
高崎駅の一番線、上新電鉄の下仁田行きです。「蒟蒻畑」の広告入りのど派手な電車に乗りました。下仁田まで片道1,080円でした。
車窓には、色付いた田んぼと里山の風景が続きます。前橋辺りとうんと違う風景です。
下仁田駅は終点、降りて西に向うと中央通に入ります。蒟蒻会席で名高い料理旅館「常盤館」の脇から始まる路地は、いろんなお店が並んでいます。左手は喫茶店の「ロイヤル」、その先はお肉屋さんです。
右手は「日昇軒」という洋食屋さんだったと思います。ズンズン行って、蝋山酒店前を過ぎて、広い道を一本渡ります。
本屋さんの前を通って、突き当りが下仁田の村社「諏訪神社」です。10月の10日11日が秋の例大祭、立派な山車が出ます。
諏訪神社の並びにある「常称寺」、7~8年前の2月のはじめ、今日と同じようにぶらっとこの地に来たら知り合いにつかまりました。「豆まき付き合ってきない」、この寺で開かれていた節分会で豆まきをさせてもらいました。あの時は、境内が人で埋まってました。
常称寺の先の坂道を下るとすぐに鏑川に出ます。下仁田の鏑川には、古い人工の取水施設の跡がたくさんあります。蒟蒻の製粉に使う動力が水車だったからです。
取水施設跡の下流は、渓谷の趣です。勢いよく岩を割く流れを見ていました。石ころ投げて遊んでました。
おなかが空いたので、お昼にしました。餃子でビールです。「別に修行したわけじゃないんだけど、見よう見まねでね、45年やってきちゃった」笑顔のおかみさんの名物餃子です。
中央通の一本北の細路地にある「大衆食堂 一番」です。タンメンと餃子が売りです。下仁田にぶらっと来たときいつも寄る店です。
「お客さんは前橋かい、前橋は風が強くてやだね、セガレが群大に入ったんで、荒牧って言ったっけ、行って見たらさ、風が強くて寒くて、やだったいね」
「じゃあ、息子さんは先生してるの?」
「いいや、勤め人、だから跡継ぎないの、やれるとこまでやってさ…」
「一番」の餃子は、お客さんの注文を受けてから、皮をのばして、餡を包んで、焼き上げます。
手際のよい餃子作りが目の前に見られるのが楽しみなんです。
ビールの酔いが少し廻ったところで、下仁田の町の細路地を巡ります。本当、細い路地がいっぱいのまちです。
「人がいなくなっちゃってさ、商売もヤットコ、だめだいね」、一番のおかみさんの嘆きです。
「でもさ、寂しくなったら、みんなで肩寄せ合って、助けあいながら、ヤットコなりに生きてくことが大事なんじゃないかな…」、ヒゲクマの精一杯の答えです。
細路地を抜けて見通しのよい道に出ると、山がすごくきれいでした。
鏑川と南牧川の合流点にある「青岩」です。本当、青色をしている大きな岩です。
この辺りの鏑川、もうじき、川面が見えなくなるほどの落葉に覆われます。すごくきれいです。また見に来ます。
下仁田駅近く、レンガ蔵見て、建材屋さんの店先覗いて、上信運輸の社屋を眺めて、また、「蒟蒻畑」のど派手な電車に乗りました。
でも、なんか物足りないのです。
そうだ、あんなに裏路地歩いたのに、猫に会わなかった!
下仁田駅から二つ目、南蛇井駅で途中下車です。「南蛇井」は「なんじゃい」と読みます。ここから隣駅の神農原駅まで歩くことにしました。「神農原」は「かのはら」と読みます。
まずは、美しい田んぼ道を歩きました。
南を見ると稲含(いなふくみ)山、北には神成(かんなり)山です。稲含山、子どもたちが小さかった頃、一緒に登った山なんです。
これはアワだと思います。見通しのよい田んぼ道、大好きなんですが、途中下車の目的は「猫」、田んぼ道では猫に会えません。急いで集落の道に紛れ込みます。
早速大発見、「ネコ 飛び出し注意」の看板です。しばらく待ってみたのですが、猫は飛び出してきませんでした。
遂に、庭先に、猫発見です。でも、左側の犬が、突然大声で吠えかかって来ました。
「どうしました!」、お家の中から男の人が飛び出してきました。
「猫の写真撮らせてもらっていたら…」、訳を話してお許しをいただきました。
『不審者(車)見たらメモして通報110番 富岡警察署』の張り紙があっちこっちにありました。
「神成」という集落には、こんなきれいな川が流れていました。「カワセミがいるんだよ」すれ違ったおばあちゃんが教えてくれました。
ルシアンブルー風の黒灰色の猫が、家に入れなくて玄関先で困っていました。
柿の実がみごとに色付いていました。
若い猫に会いました。姿のとってもよい猫でした。
栗の実が今にもイガから飛び出しそうでした。
猫に会えて、たどり着いた神農原駅、夕暮れ近くになっていました。
前橋に戻って、きさくで晩酌、「山猫館書房」の俳句作家、水野真由美さんに会いました。
家に戻って、さつま芋の葉っぱいっぱい入れた焼きうどん。
たくさん歩いたんで疲れた、下仁田でした…
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次回の「ヒゲおじさん厨房に入る」は9月26日、朝日新聞群馬県版に掲載予定です。