この料理を出すと「どうして昆布入れないの?」とか、「へえ~、昆布の入らない松前漬けがあるんだ…」とか、極めて不快な反応をされることが多いのです。
これは、「松前漬け」ではありません。福島の郷土料理「イカ人参」です。違う料理です。
今日の「ヒゲおじさん厨房にいる」のテーマはこのイカ人参、福島生まれの私の父親がこよなく愛した一品なんです。
記事はクリックしてポップアップ画面で読んでください。今回は福島市と「ふくしま食のたくみ」佐藤善井さんにご協力をいただきました。
使うニンジンは長ニンジンが一番です。写真の長ニンジンは、高崎市の国分で作られている「国分ニンジン」、幻のニンジンといわれていますが、毎年12月にJAはぐくみ国府支店で開かれる「国府白菜まつり」で分けてもらえます。
こちらは中央通の八百駒で見つけた「群馬産泥つきニンジン」と表示されていた長ニンジンです。これも良かったです。
スルメは北海道産が一番とのことです。左のように切って袋詰めされている商品もあります。手に自信の無い方はこちらをどうぞ…
で、作り方に参りましょう。
使うのはスルメの胴の部分とニンジンだけ、写真のニンジンは金時ニンジンです。スルメ1枚に対して、ニンジン300gほどを用意します。
スルメの胴は、はさみを使って、横に4等分、それを縦に細切りします。それから酒を振りかけて、1時間ほどおいてしんなりさせます。酒の量は適宜、余分にかけて残ってしまったら漬け込むときに酒も入れちゃえば良いだけのことですから、本当に適宜です。
ニンジンはスルメと同じ長さ、太さに細切りします。ボールに入れて、塩少々と砂糖を振って軽くもんでから1時間ほどおきます。ニンジン300gに対して、塩小さじ1/4、砂糖大さじ1ぐらいです。
この砂糖を振るというのは、記事に出てくる「ふくしま食のたくみ」佐藤善井さんの発案だそうです。とっても良い効果がありますよ。さすが匠です。
スルメとニンジンをおいている間に漬け汁を作ります。スルメ1枚とニンジン300g漬けるのに、しょうゆ100ml、砂糖大さじ1/2、酒小さじ1/2、みりん小さじ1/2、これが匠の善井さんのレシピです。後はお好みで加減してください。鍋で、一煮立ちさせてから冷ましておきます。
ついでにもう一つ、よく、「スルメの足はどうするのよ?」と聞かれますのでその答えです。はい、足は2本ずつぐらいにさばいて、ポリ袋に入れて、酒としょうゆを適当に入れて空気を抜いて封をします。こうして4~5日おいておくと、そのままで、素敵な酒の肴になりますよ。
おいておいたニンジンをざるにとって流水で洗います。余分な塩と砂糖を洗い流すのです。洗った後、絞らないで、そのまま水を切ります。水切り器を使ってもいいですよ、絞らなければ。
浅漬け鉢にニンジンとスルメを交互に層になるようにつめてゆきます。浅漬け鉢が無いときには、ニンジンとスルメをよく混ぜてから、ポリ袋に入れましょう。
さめた漬け汁を注いで軽い重石をします。こうして二日ほどおきます。
ポリ袋の方は、漬け汁を注いだら、よく空気を抜いてゴムバンドでしっかり封をしてください、重石は不要です。
二日でこんな具合に出来上がり、ニンジンのしゃきしゃきした歯ごたえがイカ人参の命です。福島の家庭に伝わる伝統料理、おいしいですよ!
保存は冷蔵庫、半月は確実に大丈夫です。ぜひお試しを!
<ヒゲクマはね、朝早く町内会の役員の皆さんと一緒にバスで伊豆の下田ってところへ出かけて行ったよ、明日の夜まで留守なんだ…>
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「ヒゲおじさん厨房に入る」の次回は、2月5日(土)の朝日新聞群馬県版に掲載予定です。お楽しみに!
カズさんと大橋君にも試食してもらってます。『砂糖』を強調されていたのがよくわかりました。次はスライサーを使います。
お泊まりの下田ですか?お気をつけて!
今度はこちらのレシピを拝借してイカ人参に再挑戦してみました。
前回イカは縦半分にカットしてから繊維を断ち切る方向にハサミを入れていたのですが、
今回は繊維方向の切り方にして食感に違いが出るのか、数日後の完成が待ち遠しいです。
今、塩麹という調味料を仕込んで使うのに夢中で、
下足はこの塩麹漬けにしてみました。
こちらもどうなるか楽しみです。
PS:以前教えていただいた“イカ人参の正統派の食べ方”、今回こそ試して見ます!
イカ人参もいろんなやり方があるようで、あらためて、飯坂町の善井さんの指導を仰ぎました。善井さんのレシピはとてもよい感じです。ぜひお試しを。
塩麹ですか、麹に塩と水を加えてどろどろにしたやつですね。イカに限らず、魚を漬けるとおいしそうですね…
ノブとツナさん
おいしくできましたか。大橋さんはきっと「なんで昆布ケチったの?」と言うんじゃないかな…
我が家にカッターが有ります、配達しますので是非使って下さい。
そうなると、こんどは「ヒゲおじさん、屁理屈つけて昆布ケチったんじゃないかな…」と思うのではないかな…、心配だな
メイ・ハン・太
へぇ~、スルメをカッターナイフで切るんだ、面白いこと考える人がいるね、確かにそのほうが手が疲れないやね…
人参をフードプロセッサーで切りましたので、楽チンでした♪
PS
昨晩は大変お世話になりましたm(_ _)m