お散歩猫のキキとヒゲおじさんの日常

ヒゲおじさんは元遊園地の園長で家庭料理人、今は新聞の料理コラムニスト、猫のキキと前橋な毎日と家庭料理をお届けします。

上毛新聞論壇「前橋赤十字病院の移転」検証 (その1 地域医療支援病院・1万8千件の救急搬送受入という

2010-10-14 23:20:05 | ヒゲクマとキキの日記

Dscf7331 <11日の月曜日の朝、ヒゲクマはね、2日間のお祭りの疲れでボーっとしてたんだけど、上毛新聞の一面見て、背筋を伸ばして、「みんながくたぶれ果てたとこ狙って書いたのかな、汚いよな…」とつぶやいてたんだ。「論壇ぐんま 前橋赤十字病院の移転」という無署名の論説のせいだと思うんだ…>

   

そうなんです、この前橋赤十字病院の移転に関する論説、ものすごくたくさんの問題を含んでいます。それなので、今日から何回かに分けて、この論説の検証をします。

第一回は、前橋赤十字病院の歴史と現状についてです。

    

前橋赤十字病院は1913年に開設。県内に8カ所ある「地域医療支援病院」の一つで、前橋市を中心に年間20万人を超える外来患者を受け入れている。高度救命救急センターとしても年間1万8千件の救急搬送に対応、2009年2月からはドクターヘリの運航も始めた。

青字は上毛新聞の論説からの引用です。この前橋日赤の歴史を書いた文章、分かるようでわかりません。

まずは、「地域医療支援病院」って分かりますか。これはね、1997年の医療法の改正で制度化された医療機関の機能区分のひとつなんです。1913年からいきなり84年話が飛んでいるのです。

簡単に言うとね、「地域医療支援病院」は患者さんの80%以上が、他の診療所からの紹介患者でなくてはいけない病院なんです。だから、ヒゲクマが紹介なしで自分の意思で前橋日赤に診療に行くと、通常の診療費のほかに、3150円余分に払わなければなりません。10月4日の記事におゆきさんがコメントしてくれた通りなんです。診療報酬制度とリンクした医療機関の機能区分なんです。

ですから、今ヒゲクマと一緒に暮らしている二代目吉駒は結構高齢ですが、消化器系は荒口町の飯塚医院、整形外科は問屋町のとくまクリニック、歯科は千代田町のフクロ歯科医院、眼は高崎の高山眼科、そして、循環器とよく分からない症状のときは城東町の生方医院のお世話になっています。前橋赤十字病院のすぐ近くにいても、前橋日赤は利用していません。

そして、これらのかかりつけの診療所が、いざというときに紹介する病院は必ずしも前橋日赤ではありません。前橋では、前橋日赤のほかに済生会病院と県立心臓血管センターが「地域医療支援病院」ですが、群馬大学附属病院、中央病院、協立病院は指定を受けていません。かかりつけ診療所は疾患の治療ができるかどうかで病院を選びますから、必ずしも「地域医療支援病院」を紹介するわけではないのです。

あのね、前橋日赤が「地域医療支援病院」であるということは、近くに住んでいても前橋日赤が使いやすい病院ではないということを意味しているだけなんです。かかりつけの医療機関や病気を最初に診てもらった診療機関の紹介がないと受診できない病院なんです。

でもね、上毛の論壇の筆者は「地域医療支援病院」という医療機関区分をちゃんと理解していないようです。単に「立派」な「重要」な病院のイメージ形成として使っています。ジャーナリストは、こういう用語の使い方をしてはいけないはずなのですが…

    

次は、高度救命救急センターです。「年間1万8千件の救急搬送に対応」って、すごいんだなと思わせるように書かれています。でも違うんだな…

救急医療ってのはね、初期救急(休日夜間診療センター 休日当番医等)⇒二次救急(365日24時間対応 入院設備完備 傷病に応じた適切な救急医療)⇒三次救急(365日24時間対応 入院設備のほか集中治療室等完備 救急搬送の受け入れ 救命救急センター機能保有)という三段階の受け入れ態勢でできているんです。

高度救急救命センターというのは、救命救急センターの中で特に症状が重い患者を収容する機能を有している病院のことです。つまり、死にそうな人を受け入れる救命センターなんです。

群馬県の救急搬送の実績は、平成20年度で68,668人でした。このうち、死亡が1,171人、重症が8,567人、中等症26、252人、軽症32、879人でした。つまり、救急搬送といっても、重症者は11%しかいないのです。前橋日赤の受け入れている1万8千件のうち何件が重傷者だったのでしょうか。これは、救急搬送のあり方の方に問題があることを示しています。

簡単に言うと、救急搬送の半分以上が不要不急の利用で占められているのです。このデータは、群馬県の保健福祉部が公開した資料から引用していますが、この資料の中でも、救急搬送の利用状況が適切な利用状態でないことを県は認めています。

つまり、高度救命救急センターである前橋日赤に、年間1万8千件も救急搬送があること事態が異常なことなのです。

前橋日赤の救命救急センターは救命救急病床16床を含めて30床です。これは東京都の施設等と比較しても決して少ない数ではありません。本当に重篤な重傷者への対応であれば足りるはずの数です。

前橋日赤が受け入れている救急搬送1万8千件は、誇りうる数ではなく、恥ずべき数なのです。上毛新聞の論壇の筆者はこのことをご存知なのでしょうか。

   

短い記述を取り上げても、こんなにも問題点があります。

前橋日赤のある地域住民は、前橋日赤が「地域医療支援病院」になったときも、反対なんかはしませんでした。

他の地域の皆さんと同じように、新しい医療機関の機能区分を受け入れ、かかりつけのお医者さんのお世話になっているんです。私も、私の家族も…

ドクターヘリの導入だって、近所にいれば騒音が増えるだけで、利用可能性はゼロです、でも反対なんかしませんでした。

救急のときに必ずしも前橋日赤に運んではもらえないのは当たり前と理解しているからです。私が在宅介護していた両親も、一度も前橋日赤に搬送してもらったことはありません。死の数日前の搬送のときも…、それは、当然のことで、救急医療機関の都合に合わせなくてはいけないからです。

病院というものは、そういう施設だということは、近くにいればいるほどよく知っています。

   

今日は第一回目、ここまで、少し長くなるかもしれませんが、ていねいに検証をしてゆきます。

上毛新聞論壇「前橋赤十字病院の移転」検証

その2  「捻じ曲げられた建て替え議論の経緯…」

その3  「老朽化した病院のリニューアルは当然必要だ」

   

前橋赤十字病院についての最近の記事は次の二つです。

10月3日 群馬県議会での前橋赤十字病院の建て替え問題が議論された…

9月26日 あまりに唐突な大沢知事の説明、前橋赤十字病院の移転理由は理解できません…

   

     

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200806072 次回の「ヒゲおじさん厨房に入る」(朝日新聞群馬県版)は、10月16日掲載予定で

   

   


ドングリ食べさせながら、親子猫二組に出会い、養田鮮魚店で魚買って、サンマの梅煮作った…

2010-10-14 00:11:12 | ヒゲクマとキキの日記

Dscf7398 昨日のマテバシイのドングリが10個残っていました。こうして水に漬けて浮いてくるのは虫食い、今回は全部沈みました。選別完了!

Dscf7400 ドングリの水分をふき取って、殻に割れ目を入れてやります。使っているのは、上が銀杏割り、下が胡桃割りという道具です。銀杏割りでちょうどあいました。

Dscf7403 フライパンで炒っています。殻の割れ目が開いてくれば炒れたと思って良いみたいです。炒ったドングリはポッケに入れて、まちに出かけました。出会った人に食べさせるんです。   

Dscf7406 桃井橋のところで知っている人に出会ったんですが、彼は上電の線路と広瀬川の間の人しか通れない狭い小道に入っていってしまいました。残念、ドングリ食わせそこなった…

  

Dscf7408 千代田町の広瀬川沿いの駐車場、子猫を抱き寝している母猫に会いました。もうだいぶ大きくなった子猫です。でも、邪魔しないようにしました。

Dscf7409 住吉町でも猫に会いました。二匹いるの分かります、一匹は自転車の籠の中にいます。籠入り娘です。おだやかな日は、猫もおだやかにしています。

Dscf7411国領まで行ったら、魚屋の店の脇から顔を出した猫がいました。<向こうに行ってごらん、かわいい子猫がいるよ…>と教えてくれました。

Dscf7414 いました、いました、まだ乳飲み子猫を抱えた母猫がいました。子猫は全く母親似ではないようです。

Dscf7421 と思ったら、すぐ近くに大あくびをしている白い子猫がいました。やんちゃげ、あくびしたあと走り回っていました。

Dscf7422 よく見たら、母猫の足元には2匹の子猫がいました。さっきのと、やんちゃのとは別な白いのと…

猫も大変だろうな、子ども抱えて生きてゆくのは…

   

Dscf7425 岩神町の養田鮮魚店に寄ったら、先客がちょうど出てゆきました。車は足立ナンバー、「へえ、東京からのお客さんかい?」、「そう、前商の同級生、ときどき会いに来てくれるんさ、嬉しいやね」、「良い友だちがいていいね」、「うん、あいつがいたんで頑張ってこれたような気がするんさ…」、珍しく養田さんがよく喋ります。写真は立派なマトウダイです。

Dscf7429 聞けば、今発って行った友だちは、前商から大手銀行に入って、そこで頑張って、本社の部長にまでなったんだそうです。彼が銀行で精一杯頑張っているのを見て、養田さんもくじけないでやってこれたっていうんです。大きなサワラです、このぐらいになるのにどれほどかかるんだろうな…

Dscf7428 養田さんは早くに父親を失い、若くして店を継いでいます。それと、B型肝炎を抱えています。いろいろあったんだろうな、だから大事な友だちなんだろうな、と思いました。大きなサバ、1kgを超える大物です。珍しいです。カワハギ、タイ、今日はお魚がとっても豊富でした。

   

Dscf7431 ヒゲクマが分けてもらってきた魚です。上の2匹は大型のサンマ、中の五匹は小型のサンマ、下はサゴシ(サワラの養魚)です。あと、マグロの刺身を一人前、サクでもらってきました。

サワラは、幼魚をサゴシ(40~50cm)、次をナギ(50~60cm)、そしてサワラ(60cm以上)と名前の変わる出世魚、前の写真のサワラは1mほどの大物です。

     

Dscf7432 魚はすぐにおろします。左上は味噌漬けにするサゴシ、右上はぶつ切りにして腹腔のハラワタをきれいに洗った小型サンマ、左下は三枚におろして骨を除いた大型サンマ、右は照り焼き用のサゴシです。

    

小型サンマ5匹をを使ったサンマの梅煮を紹介します。サンマは頭と尾を除いて6等分にぶつ切りし、流水で内臓をきれいに洗い流しておきます。

Dscf7434 鍋に酒200ml、水200ml、手製の梅漬け5個、砂糖大サジ2、醤油大サジ1を加え、梅漬けは手でつぶして、火にかけます。

Dscf7436 煮汁が沸騰したらサンマを入れ、落とし蓋をして、弱火で20分ほど煮ます。20分煮たら、冷凍保存しておいた実山椒をひとつかみ入れて、更に10分ほど弱火で煮ます。

実山椒をお持ちでない方は、煮汁に根生姜を1片薄切りにして、最初から入れてください。

Dscf7438 煮たら、煮汁ごと容器に移し、しっかり冷まして冷蔵庫で保存します。ヒゲクマの大好きな常備菜、サンマの梅煮です。

Dscf7450サンマが骨ごと食べられます。梅の酸味が脂ののったサンマによくあいます。朝ごはんのおかずにも、晩酌の肴にもなりますよ。

   

Dscf7444_2 魚を片付けてから、城東小学校の寺子屋教室のお手伝いに行きました。教室の前の小さな畑に芽が出ていました。「ナニ蒔いたの?」って子どもに聞いたら、「大根だよ」だってさ。

今日はね、「おおさま」でなく「おうさま」、「おうかみ」でなく「おおかみ」、「こうろぎ」でなく「こおろぎ」だということを勉強しました。

Dscf7446 <いい年して、一年生の国語でたじろぐんじゃねえよ…>、城東町の歴戦のツワモノ猫にバカにされちゃいました。

Dscf7447 コイツね、黒いボブテイルの下に立派なフグリぶら下げているんだ。歩き方も、どうどうたるもの、目の前をゆっくり通り過ぎてゆきます。「通り」は「とおり」ですよね…

   

Dscf7440 Dscf7439

前に肉のチャンピオンのご主人にもらった韓国カボチャのまあるい方を切ってみました。そうしたらね、中の様子が日本の金糸瓜によく似ているんです。それで、金糸瓜と同じやり方で茹でて、冷水で冷やして、実をほぐしてみたんです。

Dscf7442 そうしたらね、できちゃった、金糸瓜そっくりに、そうめん状になっちゃったんです。

Dscf7451 キュウリと一緒に胡麻酢和えにしました。金糸瓜との違い、細い、柔らかい、だから歯ごたえが弱い、味のないところは同じ、韓国料理ではどうやって食べるのかな…

    

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ああ、ドングリどうなったか知りたいですか、

養田さんご夫妻、八百徳のおかみさん、元布団店のご主人とそのお友だち、国領で会った○○さん、ひろ子さんとお客さん、ほか、合計10名に一粒ずつ食べてもらいました。皆さんどなたさまも、初めての体験とのことでした。まずいといった人は一人もいませんでした。

   

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200806072 次回の「ヒゲおじさん厨房に入る」(朝日新聞群馬県版)は、10月16日掲載予定で