本の紹介。
『12万円で世界を歩く』 下川裕治 著
久しぶりに読んだ。
おそらく初めて手にしたのは17、8年くらい前だろう。
紹介したお客さんが読み終え
持ってきてくれた。
12万円でどこまで行けるのか・・・
非常にシンプルな内容で
シリーズものをまとめた極貧旅行のバイブルです。
【世界三大地獄交通機関】や
70時間以上もすし詰めのバスに乗ったりと
想像を絶する旅の連続。
著者が目で見て、肌で感じたことが
臨場感たっぷりに伝わってくる。
少し紹介しよう。
・勤勉で心優しいネパール宿のご主人がつくってくれた
涙がでるほどまずい料理。
でもそれは自給自足の村の精一杯のご馳走だった。
・中国・長江は巨大なドブである。
食べかすや動物の糞、インスタントラーメンの袋など
どんどん川に投げ捨てる人民。
・人の歩く速さに驚いたニューヨーク、マンハッタン。
物価と歩くスピードは相関関係があるのか。
・インド人はカラスだ。
切符の窓口に並べず我先に手を突っ込み、叫ぶ。
・とことんいいかげんな人種、メキシコ人。
釣り銭は多かったり少なかったり、
公衆電話は金を入れなくても通じてしまう。
・北米大陸の北限、北極圏では
世界地図を思い描くよりずっと
アジアに近いエスキモーの土地がある。
・夥しい数の難民を抱えても社会にストレスが生じない。
それがタイという国である。
そのタイ人が豊かだと思う日本が
数百人の難民で右往左往してしまうのもまた事実である。
著者の下川氏はフリーライターであり
相当貧しかったらしいのだが
それ以上に貧しい人々が世界にはたくさんいて
その中に紛れて生きていく。
海外貧乏旅行は聖域だと彼は締めくくっている。
長文になってしまったが
20年近く経った現在でもこの本は面白かった。
格安航空会社の台頭により
12万円・・・という企画は昨今通用しないだろう。
だが旅を面白くさせる
指南書であることに変わりはない。
ぜひ一読されたし。