随想１７

もう昔の話。

１９歳になった頃、車の免許を取った。

“最短１６日で全課程を修了”という手軽さが気に入り

合宿での取得を決意。

長野県まで足を運んだ。

 

一緒に取りに行った友人は教習所の先生に

「キミはなんでこんなに運転が上手いんだ？」と

突っ込まれていたが（笑）

 

同じ目的で集まった人たちとはすぐに仲良くなった。

夜は旅館で毎日酒盛り。

飲み過ぎがたたってあまりの酒臭さに

次の日の運転教習が受けれなかった者も。

まぁここまでは楽しかった話。

 

後から入ってきた一人のヤンキー少年が

仲間とケンカになった。

僕が仲裁に入ると逆上されて殴りかかってきたので

ちょいと小突いてやった。

そしたらそのヤンキー少年、地元の人間だったみたいで

恐そうな兄ちゃんをたくさん呼んできちゃってさ。

普通、地元なのに合宿で来るか？

楽しかった合宿ライフは一転、ゲリラ豪雨に見舞われた。

 

案の定、僕が指名され

「あぁ、終わったな」と観念した。

そしたら合宿で仲良くなった仲間たちが

「俺らも味方になるよ。免許はまたいつでも取れるから」

って言ってくれたんだ。

あれには本当にジーンときた。

つい最近出会った人間に普通はここまで

できないよね。

結局なんとか大事にならずに済んだんだけど。

 

あれから１８年経ったが

この時の仲間のことは今でも忘れることはない。

僕の友人はその時知り合った仲間の一人と

遠距離恋愛を実らせ、結婚した。

それだけ絆が深かったってことだと思う。

あれはいい思い出だな～。