【週末読む、観る】「アイヌの歴史」瀬川拓郎著
2008.1.13 10:10
かつて北海道を中心に北は千島列島、サハリンから南は東北北部まで広い地域に暮らしていた先住民アイヌは狩猟採集社会で階級がなく自然と共生、平和に暮らす、というイメージで語られることが多い。
しかし、著者はアイヌ社会をユートピアとは見なさない。本州以南の日本列島が縄文から農耕社会に移行したように、アイヌ社会も日本の刀や中国の錦など高貴な身分を象徴する宝を手に入れるため、ワシの羽、サケを交易品として異文化と交流する社会へと移行していった。特定の生物を大量にとる、そのような社会は決してエコロジカルな暮らしではなかった。
アイヌ社会の実像に迫ることで、狩猟採集社会から農耕社会へ-が文明の進歩という“常識”に一石を投じる。(講談社選書メチエ・1680円)
2008.1.13 10:10
かつて北海道を中心に北は千島列島、サハリンから南は東北北部まで広い地域に暮らしていた先住民アイヌは狩猟採集社会で階級がなく自然と共生、平和に暮らす、というイメージで語られることが多い。
しかし、著者はアイヌ社会をユートピアとは見なさない。本州以南の日本列島が縄文から農耕社会に移行したように、アイヌ社会も日本の刀や中国の錦など高貴な身分を象徴する宝を手に入れるため、ワシの羽、サケを交易品として異文化と交流する社会へと移行していった。特定の生物を大量にとる、そのような社会は決してエコロジカルな暮らしではなかった。
アイヌ社会の実像に迫ることで、狩猟採集社会から農耕社会へ-が文明の進歩という“常識”に一石を投じる。(講談社選書メチエ・1680円)
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