晩年、NHKの「心の時代」に出演する西村秀夫先生
岡田尊司さんの『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(光文社)が、19刷 9万部が売れているとか。Amazonの光文社新書ベストセラーによれば、第二位だそうです。
では、愛着障害,もっと正確に申し上げれば,発達トラウマ障害(DTD)の子どもによく出会うはずの、医者、臨床心理士、教員が、愛着障害のことを知っているか? 発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子どもには、ほぼ毎日会っているのに、この人たちでさえ、発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害のことをほとんど知らない人の方が圧倒的に多い。残念ですね。しかし、残念では済まされません。
このブログでは、何度も,発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害のことを書いてきましたので、「またか」、と思われる方は、読まなくて結構です。しかし、上記のような現状を、唯々諾々と見過ごすわけには生きません。ですから、事あるごとに、学校でも、会議でも、このブログでも、チャンスがあれば、発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害のことを申し上げている訳です。
発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子ども、その様子は、子どもによって実にさまざまです。人の話を聴けない、机の中が整理できない、おしゃべりがなかなかお仕舞いにできない、お手紙がいつまでもランドセルの中に入っている、初対面でも親しげに話す、お友達をすぐにたたく、表情が暗い、一見「良い子」に見える、あまりしゃべらない、…。これが同じ発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害から出ている、といわれても、騙されている感じになる…。
先日、臨床心理士の集まりに出ても、多くに人は「発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害」がそれほど存在することに対する疑問を持っている感じです。子どもと真摯に向き合っていないからでしょう。自分の枠組み、参照枠にこだわりがあるから、真実を歪めて見ているのです。
こういうときに、非常に参考になるのが、私が身近に教えを受けました、西村秀夫先生、野村實先生、関根正雄先生、武藤陽一先生…です。それはそれは、その学識はそれぞれ一流のものをお持ちです。なかでも、関根正雄先生は、世界的な旧約学者、あの膨大な旧約聖書を、創世記からマラキ書まで(外典も)、ヘブライ語原典から、個人で翻訳した人って、他にいるのかなぁ?というほどの人ですよ。これらの人は、その学識をおくびにも出さない。人の話を善く聴こうとしてくださる。何かを頼めば、気持ち良いくらいのタイミングで応答してくださる。真実なことは、誰に遠慮することもなく、ありのままを教えて下さる。真実、謙虚、温もり、ありがたさ、親しみ…。
この謙虚さが、あそこにいる臨床心理士には足りない。いな、正確には、謙虚さがないんですね。そういう人の1つの特色は「嘲り」です。人を下に見る感じ。「人間を上下2つに分けるウソ」の猛毒にやられている感じ。そのことにさえ、お気づきでない。内村鑑三がキリスト者の倫理の第1に「謙虚」をあげているのが、こんなところからも、よくよく分かります。
話を戻しましょう。自分や常識やこれまでのやり方に囚われやすいのが、人の常ですが、眼の前の現実に謙虚に、子どもの事を学んでもらいたいんですね。ですから、パンデミックになっている発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子どもたちの現実をよくよく見つめ、こういう子どもたちの眼が輝く shinig eyes ように、支援してまいりたいと思います。
それはね、私たちの未来のためなんですね。晴れ晴れとした未来のためです。
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