エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

神聖な意味はいつでも味わえる、いつでも忘れ去られる

2015-03-06 13:22:16 | アイデンティティの根源

 

 信頼はあらゆる発達に先んじます。信頼のない者の発達は、エリクソンの言葉で言えば「偽りの前進」です。

 Young Man Luther 『青年ルター』のp186の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 聖トマスは、建築学的な思想家ですし、彼自身が神のメッセージがそこにあることが分かる秩序を表現する人でしたが、その聖トマスが、中世において、自分を確かにする道を最もうまく表現した人でも、また、あるのでした。すなわち、堂々としていて、それでいて、細かいところまで行き届いた様式です。この様式では、カテドラルは、永遠を示すために作られ、儀式は、特別な場の小宇宙の中に、神の秩序を寓話化するものです。

 

 

 

 

 

 カテドラルも、儀式も、その意味するところは神聖です。カテドラルも、儀式も、それに触れるものは、いつでも、その神聖な意味を繰り返し味わうことができます。しかし、これがいつでもできるものであると同時に、いつでも忘れ去られるものでもあるものなんですね。

 そのどちらを選択するかは、ひとりびとりに委ねられています。そこに自由がある訳ですね。

 

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