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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

福岡ソフトバンクホークス日本一

2014年10月31日 | 【スポーツ】

福岡ソフトバンクホークスが4連勝で地元福岡での日本一を飾りました。

9回西岡選手の走塁妨害によるあっけない幕切れでしたが、翌日の新聞写真をでも明らかのように完全な守備妨害でした。故意云々の話ではなくルール上の問題で白井球審の冷静な判断であったと思います。阪神ファンには残念だとは思いますが、当然の結果で日本一を祝福してくれると思います。

僕自身、ドラゴンズファンで一部の間ではタイガースがシャイアンツを破りセの下剋上を成し遂げたことを喜んでいましたが、ジャイアンツに今回はクライマックスを勝ち上がる力がなかっただけで、ペナントにおいては、やはりジャイアンツの力を認めざるえない状況でした。そのジャイアンツを破ったタイガースには敬意を表しますが、僕はあえて今回は、ホークスを応援していました。

振りかえってパリーグは、オリックスとの最終決戦を勝ち抜きクライマックスでも最終戦までもつれシリーズの切符を得たホークスが、プロ野球ファンとしては日本一にふさわしいと思っていました。そのホークスがホームで勇退する秋山監督に日本一で優勝の美を捧げられたことに一番の感動を持ちました。

海の向こうでは、サンフランシスコジャイアンツがワールドシリーズを制覇。今シーズンの野球は終わりましたが、改めて野球、ベースボールのすばらしさを感じる期間でした。

 


DVD闇金ウシジマくん Part2

2014年10月30日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は人気コミックの映画化第2弾「闇金ウシジマくん Part2」です。

 

僕の場合はコミックは読んでないのですが、深夜のドラマではまった作品で欠かさず観るように。主人公ウシジマくんにほれ込んだ山田孝之の存在感がとにかく際立っています。

今回は原作の「ヤンキーくん」編と「ホストくん」編を脚色したそうですが、闇金に手を出して落ちていく様々な人間模様が同時進行的に描かれていてリアルで面白いです。

またレギュラー陣に加えて、ウシジマくんの同級生の探偵に綾野剛、ヤンキー役に中尾明慶、ホストに久保田正孝、ストーカーに弥楽優弥など人気俳優に菅田将暉、窪田正孝、高橋メアリージェーンなど今が旬の若手が加わった豪華な俳優陣が、この作品を楽しみながら、熱く演じています。

闇金ウシジマくんでいつも感じるのは、お金に対する価値を改めて感じます。借りることへの無理と無駄を闇金のお客たちに感じるのです。無駄に執着し無理を重ねる。お金の価値を一番わかっているウシジマクンと言う存在から皮肉なことですが感じるのです。

 


DVDマンデラ 自由への長い道

2014年10月29日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、南アフリカ大統領マンデラの実録的映画「マンデラ 自由への長い道」です。

 

ネルソン・マンデラと言えば、誰もが知るアパルトヘイト・人種隔離政策に反対し27年間の間投獄された人権運動の闘士。

今回の映画の完成までには16年の歳月があり、その理由が同時期にマンデラ自らが自伝を執筆していたことから、プロヂューサーのアナント・シン氏が自伝の完成を待って制作することになったそうです。

内容は弁護士時代から革命のリーダーとして闘う中、国家反逆罪で仲間と共に終身刑の判決を受けての獄中生活や二番目の妻との意見の食い違いによる確執、白人との共存か追放かの選択の中で起こる内部分裂、黒人間の虐殺など、暴力と非暴力とのはざまで葛藤するマンデラ自身の苦悩が率直に描かれています。また、人間マンデラの素の部分も包み隠さず描かれ共感を持ちました。それが彼の自伝に基づいているわけですから、これほどの説得力はないでしょう。

この映画に一貫して流れているのは平和な社会の実現です。彼の中にある非暴力の精神と憎悪を捨て相手を許す慈悲の精神を大いに感じる作品でした。

 

 


DVDダイバージェント

2014年10月28日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、SFアクションの「ダイバージェント」です。

 

全米ベストセラー小説の映画化の本作は、最終戦争から100年後の人類は、平和な社会をたもつ為に人類を勇敢、高潔、無欲、平和、博学の5つの共同体に分けられ秩序を保っている未来が舞台。

成人の儀式で異なる性格診断を下された主人公の少女が、人類を守る「勇敢」の共同体に属し、任務遂行の為に厳しい訓練を受け晴れて共同体の一員となるのですが、実は彼女は性格診断テストで5つの共同体に属さないダイバージェント(異端者)で、危険分子とされる存在だったことから、命を狙われることに。そこには、無欲を陥れて権力を握ろうとする博学の陰謀が隠されていたと言う内容です。

性格の異なる5つの共同体社会のコンセプトが面白く、博学の陰謀と戦う勇敢に身を隠した主人公と後に恋人になる教官の秘密など、終始飽きさせない演出でスリリングかつスピーディーに展開され目が離せません。

今回の作品は原作の力が大きいことは、映画を観るだけで容易に理解できます。今回は「ダイバージェント 異端者」がもとになってるシリーズの1で、2作目の続編の映画化を期待して、今度は映画館で観たいと思う作品でした。


小磯良平展・稲沢市荻須記念美術館

2014年10月27日 | 【美術鑑賞・イベント】

休日の夕方に家からほど近い稲沢市にある荻須記念美術館に出かけました。当館は、稲沢出身の洋画家・荻須高徳の作品を常設している美術館です。

比較的小規模な美術館で、荻須高徳に所縁のある作家の特別展が年に一回開催されています。今回は、神戸出身の洋画家・小磯良平展を開催中です。

小磯良平は、荻須と東京美術学校の同級生で、同時期にフランスに渡り西洋絵画に触れています。二人の洋画家は技法の点では大きく異なります。荻須はパリの街並みを中心に西洋絵画の王道を歩んでいますが、小磯は日本で西洋絵画の基礎を根付かせながら、独自の画風を展開していきます。

今回の展覧会は、一般展示室で小磯作品を常設展示室には荻須の新収蔵品を展示していましたが、二人の画風を比較しながらその違いが鮮明にわかる展示となっています。

小磯作品は、神戸市立小磯記念館の収蔵品を中心に展示されています。神戸の記念館を訪れた方にはなじみのある代表作がずらりと並んでいますが、今回のポスターの表紙を飾った婦人像は、ふくやま美術館の作品で10号作品ながら、小磯良平の女性像のもつ清楚な気品が漂う秀作です。また、具象に徹した小磯が抽象画に挑戦した時期があり「かぼちゃのある静物」はその一端が覗かれる作品ながら、教え子たちの挑戦を称えながら自らは抽象を断念し、具象画に戻ったエピソードから、どこか具象の雰囲気を醸し出していて小磯の優しさを感じる作品でした。

今朝、前衛画家で作家としての著名な愛知出身の赤瀬川原平さんの訃報を聞きました。赤瀬川さんは自らの芸術運動とは別に近代絵画の意義をピカソの抽象画を境にしてこう述べられています。「ピカソを過ぎると、たしかに絵はだんだん素直ではなくなり、「描写」という鑑賞の入口はなくなって、自己主張ばかりが強く、理屈っぽくなってくる。目に快い順目〔じゅんめ〕の鑑賞ではなく、違和感の強い逆目〔さかめ〕の鑑賞に変ってくる。観客が被虐的な立場に立たされる、ということかもしれない。絵をゆっくり眺めて愛でるという関係からは、遠ざかってしまうのだ。」ひろしま美術館より。

小磯良平の作品は、その点で眺めて愛でるという関係において、心地よい絵画ではないかと思います。


僕のプチ健康食品

2014年10月26日 | 【エッセイ・コラム】

最近、緩んだお腹を引っ込めようとワンダーコアを購入して食後の腹筋を始めましたが徐々に効果が出てきてるようです。

10数年前まで心筋梗塞を患い、ヘビーな喫煙、飲酒とワイルドな生活を送っていた僕が健康生活に目覚め、食生活に多少気を遣うようになりましたが、甘党&辛党、さらにラーメンやトンカツなど大好きな僕にとっては、誘惑には勝てないわけで、我慢しないで健康でいるために普段はプチ健康食品を食べています。

僕のプチ健康食品のオススメは、食パン無添加のシキシマ超熟。マーガリンは小岩井のヘルシータイプといった具合です。普段使う油はオリーブオイルとゴマ油。好きなアイスは、乳脂肪の多いアイスクリームか氷菓子で森永のエスキモー商品が良いです。また、コーヒー好きの僕がすすめる缶コーヒーは、無香料がオススメです。あの香料はまさに似せた味を作り出すわけで、無い方が体にはいいです。最近はコンビニの100円コーヒー(特にホット、アイスともセブンイレブンが好き)を飲むので缶コーヒーを飲むことが減りました。

こんな生活を送っていると、ついつい商品の裏にある食品表示が気になってしまい、買い物の時には裏を見てしまうクセが出来てしまいました。

ともあれ人間の習性か毒のある物には、つい手が伸びてしまうもの。ゆるい健康生活が心と体の健康には良いと思うのですが。みなさんは、どうでしょうね。

 


映画・泣く男

2014年10月25日 | 【映画・ドラマ・演劇】

チャン・ドンゴン主演のバイオレンスアクション作品「泣く男」を観賞。

久しぶりにチャン・ドンゴンの主演作が届けられました。しかも監督は、あのアジョシを撮ったインジョンボムが監督で期待が大きかったのですが、期待以上の作品でした。

チャンドンゴン演じるのはマフィアに育てられた殺し屋ゴン。冷徹に完璧に仕事をする彼が、ロシアマフィアと韓国人ビジネスマンを殺害。誤ってビジネスマンの娘を殺してしまいます。組織は、家族の生き残りである母親を殺害することを命じます。唯一の失敗苛まれたゴンは、この仕事を最後にすることを決めます。

チャン・ドンゴンの鍛え抜かれた体とクールな眼から解き放たれる静かな凄みが、今までになく印象的です。全編カーアクションに銃撃戦、残忍な殺害シーンに目を覆うこともしばしあると思います。しかしながら、タイトルの泣く男の真相が徐々に明らかになるにつれ、ゴンの体から漂う哀愁に魅了されていくと思います。

巧妙に仕組まれた結末にも注目して観てください。


歴史的文化財保存の私的考察

2014年10月24日 | 【エッセイ・コラム】

先日、納屋橋の堀川沿いに建つ鳥久の閉店後の跡地マンション建設に、河村名古屋市長が待ったをかけたニュースがありました。

鳥久の建物は、かつては得月楼と言う料亭で明治初めに建てられたもので歴史的には由緒ある建物です。市長はそこを何とか保存したいと待ったをかけているそうですが、私有地でもあり現状では、市長の意見は通らないようです。

昭和をから平成も25年を過ぎ、明治から昭和の建築に歴史的価値は高まっていますが、個人的には河村市長の方向性には同意できない部分が多々あります。

先ず、鳥久が市の指定文化財国指定の文化財になっていないと言う点です。文化財指定の所有者は、市や国の厳しい保存管理のもとで努力をされている現状をわかっているのか疑問です。まして、現在の所有者からの買い上げて残そうなど愚の骨頂です。

仮に残ったとして納屋橋周辺の堀川の景観に対して、ただ旧い料亭がぽつんと建っている状況になりかねないと思います。町並みに建つ文化財は中身が活用され、周辺の景観となじみ呼吸をしています。この建物の由来を考えると料亭もしくは飲食店として活かされてこそ、この建物の価値はあると思います。現状では、その役目を終えたとしか言えません。ただノスタルジーに浸るだけではなく、今ある景観の中に溶け込むような形の文化財保存を考えるのが大切ではと思います。

街の中にある文化財は、ベストよりベターな選択が良いのでは?河村市長さん。

 


TVシリーズ東京ー街はこうして輝いた。

2014年10月23日 | 【映画・ドラマ・演劇】

先日3週に渡ってNHKBSプレミアムで「シリーズ東京ー街はこうして輝いた」と言うドキュメンタリー番組が放映されました。東京オリンピックの時代に登場した、ファッションカルチャーをリードした、三人の人物を取り上げた番組です。

1回目はグッチを日本に紹介したセレクトショップの先駆者であるサンモトヤマの茂登山長一郎氏、2回目はメンズファッションの草分け的存在でありVANの創始者である故・石津謙介氏、3回目が数々の伝説を生んだイタリアンレストランでキャンティのオーナー、故・川添梶子さんで、僕にとっては、すべてが、懐かしく雲の上の存在で憧れの人たちでした。

三人の人生が銀座並木通り、青山通り、六本木と街を舞台に展開され、その歴史やエピソードに記憶を記憶をたどりながら頷き、初めて聞くエピソードに驚嘆してました。

茂登山さんが、写真家の名取洋之助さんと出会いヨーロッパに目をむけ美術館や教会、高級ホテルやレストランに足繁く通い美意識を磨いたことでグッチやヨーロッパのブランド扱うまでなったことや石津謙介さんが、青山を若者文化の発祥の地として後のコシノジュンコや高田賢三など当時の若手デザイナーに発表の場を提供したことや梶子さんがデザイナーの知識を持たず友人のウエディング衣装を数時間で見事に仕立てたエピソードなど、戦後カルチャーの先人のすごさをまじまじと魅せつけられた番組でした。

あの時代でいいものを見極める審美眼は、今日のような多様化した文化があり、情報が湯水のごとくあふれる状況下でも群を抜いていることは間違いないと感じます。

また、参考にはなっても三人の先人たちの能力を超える人はないと感じます。文化をけん引しようとする次世代に人たちには、機会があればぜひ観てもらいたいなと思う素敵で力ある番組でした。


映画アバウト・タイム ~愛おしい時間について~

2014年10月22日 | 【映画・ドラマ・演劇】

ノッティングヒルの恋人やラブアクチュアリーのリチャードカーティス監督の最新作「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」を観賞

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ノッティングヒルの恋人やブリジットジョーンズの日記などの脚本を手がけ、初監督作のラブ・アクチュアリーのヒットでラブコメの巨匠となったリチャード・カーティス監督が手がけたヒューマンコメディー。

物語は、奥手の純情青年ティムが一族の男だけに授けられた過去に戻ることができる「タイムトラベル」を駆使して最愛の人と出会いから、家族の苦難を乗り越えて行く中で、タイムトラベルだけでは解決できない人生の岐路を迎えていくもの。

ロンドンの風情ある街並みと英国人の生活の中でティムとメアリーの出会いから結婚、出産などの家族の営みがカラフルに小気味よく展開していきます。また、二人のかわす愛あふれる言葉や父や母、妹など二人を取り巻く人々のあたたかい会話がとてもユーモラスでほくそ笑むシーンの連続です。

もし、タイムトラベルような過去を何でもやり直せる力が備わっていたら、どんな苦難も笑って乗り越えると思えるのですが、ラストを迎えるにつれそんな力も無意味になる大きな困難を迎えるとき、家族の愛に満ち満ちた人生の素晴らしさに気づかされ、静かな感動に胸がいっぱいになりました。

リチャード・カーティス監督は、今回の作品で映画からの引退をするそうです。彼のラストメッセージをカーティスファンのみならず、ラブコメファンや映画ファンにも見届けてほしい映画です。

 


再考チープシック

2014年10月21日 | 【エッセイ・コラム】

ファッションに興味のある人なら一度は耳にしたことがある「チープシック」と言う言葉。ファストファッション全盛の現在ではチープシックは安いものをいかにセンス良く着こなすかみたいな感じでとらわれているようです。一部分はあってはいるのですが、チープシックの本を読んだ人はそれだけではない深いファッションの洞察があることを発見します。

50半ばになって、自身のスタイル。特にカジュアルにおいては「チープシック」が影響を与えていることに改めて気づかされました。それは多分流行を意識しながらも、どこかベーシックなものを選んでいることや着こなしにおいて男性であっても学ぶべき部分が多々あることです。

この本に登場するデザイナーやファッショニスタなどのインタビューを読むとファッションの本質が見えてくるし、ファッションの歴史のなかでの生まれたアイコンがボーダレスで紹介されることで着こなしの自由度が増していることに気が付きます。また、各章に登場するアイティムは、むしろ現在の方が入手しやすく、また、当時は一部の国に限定されたアイティムも今の方が幅広くその数も多いです。また、一昔前なら敬遠されがちな民族衣装やピアス、タトーウなども今なら容易に受け入れられる土壌ができているように感じます。

今一度、皆さんもチープシックの世界に足を踏み入れてみてはどうでしょうか。着こなしの基本と幅が広がると思います。


映画ミリオンダラー・アーム

2014年10月20日 | 【映画・ドラマ・演劇】

インド初のメジャーリーガー誕生の実話による映画ミリオンダラー・アームを観賞。

 

 今や日本はもとよりアジア人のメジャーリーガーの活躍が著しいメジャーリーグ。今回の作品は、二人のインド人メジャーリーガー誕生までを描いた映画です。

事務所の家賃も払えないほどの困窮ししている崖っぷちエージェントが、テレビで目にしたクリケットの試合をきっかけに、ベースボール未開の国インドで初のメジャーリーガーを誕生させるまでの苦難が描かれたヒューマンドラマです。

野球未経験のインド人青年が、一からルールを学び、ピッチイングの手ほどきを受けながらメジャーに挑戦する姿と共に、プレーボーイのエージェントを取り巻く野球好きのインド人通訳やサポートするコーチやスカウト、隣人の女性との関係がユーモアを交えながら展開していき、二人のインド人青年の夢をかなえるために一つになっていく姿が胸を熱くしていきます。

ベースボールと言うスポーツの素晴らしさと今なお語り継がれるアメリカンドリームのワールドワイドな世界を感じた映画でした。


東京藝術大学美術館の魅力

2014年10月19日 | 【美術鑑賞・イベント】

上野の森に隣接する東京藝術大学。日本で最高峰の芸術大学であることは言うまでもありません。その芸術大学にある東京藝術大学美術館は2万8千点にも及ぶ収蔵品を美術館の機能として発展する形で平成10年より開館しています。しかも所蔵品による企画展は入場無料で観賞することができます。

今回は展示室の2と3で、平櫛田中コレクションと台湾の近代美術の二つの企画展が開催されていました。藝大の前身の東京美術学校教授として後進の指導にあたられていた木彫家の巨匠。平櫛田中の作品を中心に田中の教え子やゆかりの作家による作品は木の素材とノミにより削り出される精巧で温かみのある作品が心静かになり落ち着いた空気を漂わせていました。

もうひとつの展覧会も台湾の美術留学生の足跡と所蔵品に台湾の美術館や個人コレクションにより構成され、台湾画家の実力の片鱗がうかがわれる展覧会でした。以前台湾を訪れたときに油彩画を扱う画廊が多いことに驚きましたが、その歴史は東京藝大を中心に当時の日本人洋画家による影響によるもので、今回の展覧会で改めてその親交の深さを感じました。

こうした本館での展示と共に、資料館として利用された陳列館でも様々な催しが行われています。上野の森の数々の美術館や博物館共に芸大生の若き息吹と芸術の歴史を感じてみてはどうでしょう。


オルセー美術館展・新国立美術館

2014年10月18日 | 【美術鑑賞・イベント】

ルーブルと共にフランスが誇るオルセー美術館。印象派の美術館として世界のアートファンに愛される名画の数々が日本で観られることに喜びを感じます。

個人的にも第二次世界大戦で美術館関係者はもとより市民の手によってナチスからの略奪を逃れた歴史やオルセーの駅舎を遺産として残し美術館としたことなど、美術に対する魂を感じます。

今回展示される84点の絵画は全てが印象派の夜明けを作ったマネに始まり、モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌの印象派の画家たちに、ドガやミレー、クールベ、コローと同時代に活躍した画家たちの珠玉の名作が並んでいます。

すべてが必見の作品ですが、きわめて目を惹くのはマネの笛を吹く少年。遠近法を排した画面は当時のサロンで強烈な批判を受けましたが、その後の印象派の画家たちに大きな影響を与えた革新者としての気構えが少年の凛とした姿から感じられました。

また、初来日となるモネの傑作「草上の昼食」は、もとはひとつの作品だったのが二つの異なるサイズからなる高さ6メートルの大作です。未完成のままサロンでの出品を断念し、当時の大家に家賃の未払いから没収されたものでモネの手に戻った時には、湿気でカビだらけになっていたそうです。この作品を愛した亡き妻カミーュのために完成させるために切り取ったそうです。

印象派の画家たちが愛される理由には、そうした苦難の歴史があり居並ぶ作品ひとつひとつにもそうした画家たちの思いが託されているように感じられました。

10月20日にて閉幕するオルセー美術館展。もし観賞の時間と機会があれば、画家たちの芸術への情熱を会場にて感じてみませんか。


チューリヒ美術館展・新国立美術館

2014年10月17日 | 【美術鑑賞・イベント】

先日のフェルディナント・ホドラー展に引き続き、スイスのチューリヒ美術館展のレポートを。

すっかり東京の新名所として定着した新国立美術館で開催中のチューリヒ美術館展、後日レポートのオルセー美術館展(10月20日まで)と同時期に今開催中とあって印象派以降のコレクションが同時期に観賞できるいいタイミングでした。

スイスの誇る当館は、10万点以上の所蔵品を誇り世界屈指の近代美術のコレクションを持っています。今回の展覧会は、そのコレクションのすべてが画家の代表作と言う見応えがある美術展です。

前述のホドラーやクレーやジャコメッティなどスイスゆかりの画家にムンク、マティス、ピカソ、シャガール、モネ、ミロ、ダリなど印象派から近代絵画の名品がずらりと並ぶ圧巻の展覧会でした。なかでも、僕に強く印象付けた作品はモネの作品、200X600センチの巨大な睡蓮の池は夕暮れに赤く染まり睡蓮作品の中でも鮮やかな色彩に目を奪われました。

今回の出品画家の中で6点が並ぶシャガールの愛と平和をうたった名作にムンクの新しいイメージを感じる4点の作品など、副題にある印象派からシュルレアリスムまでと、誰もが知っている巨匠の作品がアートの歴史をたどりながら巡ることができる展覧会はそうそうあるものでありません。

ホドラー展との共催割引もありますので、ぜひ2館一緒に観賞されてスイスの偉大な美術コレクションを楽しんでみてはどうでしょうか。