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プロジェクト○川

学生に本を読んでもらおうという,ただそれだけのはずでした

逆襲

2023年11月07日 | 映画
ミスドといえばオールドファッション、正確にはチョコファッションに決まってるだろ…というのはおいといて。

WOWOWはもう(やめても)いいなあと思っていたわけですよ、ずっと。でも、この11月に逆襲を食らいました。

キングダム。

ラース・ファン・トリアーのキングダム!

“北欧版ツイン・ピークス”・キングダムに続編ができていたという事実に狂喜し、それが、長い間また見たいと思い続けてきた初期シリーズとともに放送されるというニュースに歓喜し、ついでにトリアー特集で『エレメント・オブ・クライム』まで放送されるというので、またひとりで大騒ぎ。 Yたろが「大好きなんだねー」と感心しています(笑)…でも、小学生と見るわけにはいかない。

『エレメント…』なんて、大学生のときに、近所のレンタルビデオ屋で借りて見て以来だ。「変な映画特集」みたいなコーナーに置いてあったんじゃないかなあ…当時のある意味での文化レベルの高さに、あらためて驚いてしまう。吉雄さん(面識があるわけではないです。ただのファン)が『雪虫の頃』を撮ってた頃かも。

契約を切らなくてよかったなあ。
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新学期 卒論ゼロ

2018年12月15日 | 映画
先月、出張で東京に行った。

移動の予備日がある出張で(入試関連)、前泊で空き時間があったから、何か楽しいことがないかと探したら、大物が見つかった。ロブ=グリエのレトロスペクティブ(回顧展)。しかも仕事が渋谷なんでホテルも割と近い。

ロブ=グリエの小説は好きなんだけど、映画は『去年マリエンバートで』(これも大好き)しかみたことがない。だって、日本で公開されていないんだもの。

なにせ、蓮實重彦『批評あるいは仮死の祭典』とかを読んでから、かれこれ30年はみたいと思い続けてきた映画ばかり。もう空き時間は全部イメージフォーラムだ、って張り切りながらも、一方では寝ちゃうんだろうなあとも思ってました。移動とかで疲れてるし。

で結局、着いた日の夜に1本、次の日の午後以降に3本みたんだけど、これがもう楽しくて。席に座って、館内が暗くなるだけでもワクワクするし(映画館に行くのは、Y太郎が生まれてから初めて)、映画そのものも面白かった。

ってのもね、チラシの推薦コメントがなんだか冴えないんだよね…。だから、今となっては古臭い前衛で、つまらなく感じるんじゃないかと危惧していたんだけど、『エデン、その後』なんて、いつまでも終わらなければいいなと…迷宮をうろうろしてわけがわからない、みたいなのが、僕は大好きなんです。

うちの関係者には薦めませんよ。『エデン、その後』にしたって、『不思議の国のアリス』と『O嬢の物語』を足したような、って言われているものだから…僕も後者の要素はそんなに得意じゃないです(「得意」な人はぜひ)。

あと、手ぶらで行ってパンフ買ったら、なかなかなデザインなんで、持ち帰るのに一苦労。間違ってもY太郎には見せられません(笑)。

時間が合わなくてみられなかった『快楽の漸進的横滑り』は、日本語版のブルーレイが出るのを待つしかないか(でも、こんなの買って、家におけるか?下手に隠しておいて見つかるのもなんだし…。)

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さて今日のタイトルは、イメージフォーラムでさんざんみた予告編の、ジャン・ヴィゴの傑作を無理やりもじったもので…だんだん面倒になってきた(笑)。

要するにね、今年は卒論ゼロなんだっていう話です。最後までやる気を見せていたKくんが病気で脱落してしまって、着任した年(3年生しかいなくて、Yんが隊長だった年)以来の「卒論ゼロ」。来年は立て直さないと…。

(卒論の進行を気にしているOBがいるのかな、と思って書き始めたのに、ほとんど関係ない話になってしまった)
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鴛鴦

2017年03月22日 | 映画

今年は17日が卒業式でした。

で、式と卒業パーティのあいだに少し時間があったので、今年度最後の「教養ゼミ」として、ついに(?)『鴛鴦(おしどり)歌合戦』をみました。

昭和14年に公開された、オペレッタの大傑作。

なにせ監督がマキノ正博(雅弘)でカメラが宮川一夫。喜劇だというのに(ってのは変なんだけど)絵がキマりまくってて、しかも単純に面白い。志村喬とディック・ミネのボケぶりとかね。あと、遠景で揺れている人たちの使い方が最高です。

今年の教養ゼミは、これの前が鈴木清順追悼の『殺しの烙印』でした。数は少なかったけど、充実してたね(笑)。

ところで、このあとは30日まで職場には行きませんので、OB諸君はご注意を。

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教養ゼミ映画編(と書くとなんだかものすごくえらそうだ)

2013年09月24日 | 映画

最近はたまに,ゼミ室でプロジェクターを使って映画を観ています.

三大映画祭(カンヌ,ベルリン,ヴェネツィア)で賞を取るような映画,ベタに言うと芸術的で,ただちょっとわかりにくいようなのを観てみよう,という趣旨.要するに「教養ゼミ(映画編)」です.

どんなのを観たか,解説は手に余るので一口メモ程度に.

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ソクーロフ(監督)『ファウスト』

ゼミ生たち(正確にはうちのゼミ生とお隣のゼミ生)が,ゲーテの『ファウスト』は必読書らしいがなかなか読めないと話してたんで(教養自主トレですね.えらいえらい),最近映画化された『ファウスト』があるから見てみようかということになった.

2011年のヴェネツィア映画祭で金獅子賞(最高賞)をとってる映画で,僕も未見でした.監督はロシアのアレクサンドル・ソクーロフ.

ソクーロフだから,静かな映画を想像していたんだけど,これは強烈でしたねえ・・・.最後の方はリンチ(という監督)みたいだった.

ソクーロフは『太陽』という,昭和天皇の映画も撮ってる.そこで描かれている昭和天皇がとても「ふわふわ」で,不敬だっていうので右翼が暴れてなかなか上映されなかったりという騒ぎもありました.ちなみに昭和天皇役はイッセー尾形で,この演技はすごいです.ついでに皇后が桃井かおりだというところもなかなかなので,興味がわいたらDVDを探してください.

なお,ゲーテの『ファウスト』は,集英社文庫の池内紀訳が断トツで読みやすいです.読みやすければいいってものでもないけれど.

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ゴダール『気狂いピエロ』

ヌーヴェル・ヴァーグ(ググってね)を代表する映画.ゴダールはゴダールです.フランス(とスイス)の映画監督で,わかりにくい映画をとる監督の代名詞的存在でもある.

『気狂いピエロ』は,ゴダールにしてはストーリーを追いやすい方なんだけど(ストーリーの骨格だけをたどれば活劇みたいなものだし),それでも慣れるまではわかりにくいしれない.ただ,ゴダールはスタイリッシュな映像の代名詞でもあるので(ゴダールっぽく撮ったPVは多い),動く絵画をみるような気分で眺めればいいんじゃないかと.とにかく画がきれいでカッコいいです.

なお,このタイトルはもともと「きちがいピエロ」と読んでいたんだけれど,「きちがい」が差別的ということでか自粛して,ある時期から『きぐるいピエロ』と読むようになった.で,最近は「きぐるい」も駄目なようで,フランス語の原題をそのままカタカナにした『ピエロ・ル・フ』というタイトルになっている.こうなると,もう何の事だかわからない.

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アントニオーニ『欲望』

アントニオーニはイタリアの監督(故人).不毛な愛とか不条理とか,そういうのが得意な監督です(いいのかこんな説明で).

原作(というか元ネタ)がコルタサル(アルゼンチンの作家)なので,ラテンアメリカ好きのH田くんが反応した.

これも『気狂いピエロ』と同じく,「60‐70年代頃のカッコいい映画」としてよく名前があがるもの.1967年のカンヌ映画祭のパルム・ドール(最高賞)です.

主人公が変な事件に巻き込まれて,奇妙な体験をするという,僕はものすごく好きなタイプの映画なんだけど,さてどうでしたかね(って,これはH田くんしかみてない).

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ちょっとやりすぎのチョイスだったので(まあ,夏休みだったし),このあとはもう少しわかりやすいものに・・・ということで,次の予定は黒澤明『羅生門』です.

 

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東京物語

2011年04月04日 | 映画

今日の22時からNHKBSプレミアム(元のBSハイヴィジョン)で,『東京物語』のデジタルリマスター版が放送されます.

小津安二郎監督の,名作中の名作.これは見逃してはいけません.

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フォローを忘れてましたが,こないだのはエイプリル・フールですからね.大丈夫,ちゃんとみんな卒業してます(笑).

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非情城市

2011年02月27日 | 映画

ようやく生活も落ち着いてきました.土日が休みなのは久々なような気がします.

札幌シネマフロンティアの企画「シネマと鉄道」で『非情城市』を観てきました.日本の統治が終わった直後の台湾を舞台にした,侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の傑作です.封切りの頃に一度観ているので,20年ぶり.

映画の冒頭,昭和天皇の玉音放送(「堪ヘ難キヲ堪ヘ」とかの)が流れます.僕らはそれだけで「1945年8月15日なんだな」とわかるわけですが,台湾の人はどうなんだろう?日本人にしても,若者はわかるんだろうか?・・・もっとも,すぐに説明で字幕が出るんですけどね.

まあとにかく,『非情城市』も,これに続く『偽夢人生』も素晴らしい映画です.機会があったら観てみて下さいな.

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今日は『非情城市』を観に行くか,それとも夕張に行くかでだいぶ迷いました.

というのも,今年のゆうばり国際映画祭には,シティボーイズの3人がそろって参加.今日の20:30から「Film Noir」をやったのですよ.ただねえ,行ってすぐに帰ってくるっていうのもなんだかさびしい.もっと前からCB参加を知っていれば,泊りで行ったんだけどなあ.

夕張の映画祭には一度行ったことがあります.

お茶飲んでたら,すぐ後ろに草刈正雄や栗原小巻がいたり,川谷拓三さんが歩いていたり,夜中の「梅ちゃんの青い部屋」でフレドリクソン(「春にして君を想う」の監督.小沢健二の同名曲はここからとったもの)が梅ちゃんのホースを覗かされていたり(曲は沢田研二の「ストリッパー」)と,すごく楽しかった.

ただ,それが何年だったか思い出せない.

みうらじゅんが『虎の穴』っていう自主製作ビデオみたいなものを持ってきてて,夜中にかけてたんですよね.梅ちゃんの前だったかなあ,夜中の「お楽しみ企画」みたいな感じで.

その話が『シャングリアの予言』っていう『エスクァイア』の連載で取り上げられたときに,「夕張国際映画祭の招待作品」ってことになってた.それがすごくおかしかったのを覚えてたので,久々に『シャングリア』を本棚の奥の方から取り出して,1995年だとわかりました.すっきり.

『シャングリアの予言』は立川直樹・森永博志という二人の「遊びの達人」みたいな人の対談集.当時好きで読んでたんですけどね,こういうのがカッコいい大人だと思ってたのかなあ・・・.

で,この立川直樹という名前を,『非情城市』のエンドロールで見たばかりだと気付いた(音楽担当),というのが今日の話のオチなわけです.

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ゴダール

2010年11月19日 | 映画

ゴダールって名前,うちのゼミ生は知ってる?(タゴールはインドの詩人ね)

僕は映画通でもなんでもないので適切な説明はできないが,とにかく最高の映画監督のひとり.

ただし,ゴダールの映画はわかりにくいといわれている.でも,いまに至るまでスタイリッシュな映像の代名詞になってる,60年代のゴダール作品は,一本くらい見ておいてもいいんじゃないかと思うのだ.

どれをと聞かれたら,素直に「気狂いピエロ」(最近は「ピエロ・ル・フ」と原題のカタカナ読みにするらしい)を薦めます.ゴダールの中ではストーリーもわかりやすいし,とにかく映像が美しい.もしストーリーを追えなくても,映像詩だと思って見ればいい.

ブログに「ゴダール」って書くのはなんだか気恥ずかしいのだけれど,こないだアカデミー賞名誉賞のニュースがあったのでいい機会かと思って.新作の公開も近いことだし,うらやましいことに東京では,近々ゴダール特集をやる映画館があるそうだから.

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最近観た映画とか(だいぶ前)

2008年12月19日 | 映画
ただいま卒論追い込み中.
・・・だというのに,本学は数十人規模でインフルエンザ患者が発生している模様.

授業はあと1日だから,休講にはならないだろうけれど,
かなり大変な事態です.

うちのゼミも11名中3名がダウン.
ただし,幸い卒論履修者は全員無事.

3年生1名といっしょに,隣で要旨を書いています(たぶん).

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忙しいので,書きかけたまま放ってあったものを公開してみます.
夏くらい(?)に観た映画の感想です.短いけど.

「おそいひと」
障害者が連続殺人の犯人だという,その設定だけですごい映画.
そのうえ主演しているのが障害者だってところでさらにすごい.
で,観るともっとすごい.

「その名にちなんで」
しみじみといい映画だなあと思いました.
原作はジュンパ・ラヒリ.

「愛の予感」
物語が動き出してからの緊張感はただごとではないです.

「誓い」
メル・ギブソンの出世作らしい.
あまりにも鮮烈なラストシーン.

中学生の頃に愛聴していた,
ジャン・ミッシェル・ジャールの2nd(たぶん)が使われていて驚いた.

「ボンボン」
これはDVDで観ました.家に居場所がなくなったお父さんと犬の話.
ああいう場面があんなに感動的に描かれている映画は,前代未聞でしょう.
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こどもたち

2008年11月18日 | 映画
ということで『ミツバチのささやき』と『霧の中の風景』をみてきました.

どちらも「人生の10本」とか聞かれたら,絶対入れる映画です.

それにしても,『ミツバチのささやき』のアナちゃんも
『霧の中の風景』のアレクサンドロスくんも,とにかくかわいい.

この2本に『友だちのうちはどこ?』を加えると「3大こどもがかわいい映画」です.

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今回の映画祭パンフには,
『霧の中の風景』のラストの光は希望を示していると書いてありました.

僕にはそうは思えないけれど,
観る側のわれわれには,このあまりにも美しく悲しい映画に「希望」を読み取る自由がある.

そういうことなのかな.

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『ミツバチのささやき』のアナとイザベルが初めて「井戸のある家」に走っていく場面で,
いままで気づいていたよりももう一段階小さくなった二人が,点のように写っていることに初めて気づきました.

スクリーンじゃないと絶対にわかりませんね.
これもなんだかうれしかった.

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さて,明日からゼミ研修旅行です.

基本の荷造りは終わったんですが,
僕にとって旅の準備でいちばん大切な作業が・・・はやく持って行く本を決めないと!
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2日で8時間

2008年11月16日 | 映画
今日は『旅芸人の記録』にいってきました.

アンゲロプロスの4時間近い大作.良い意味で圧倒されました.

明日は『ミツバチのささやき』と『霧の中の風景』にいきます.
どちらも心から好きな映画だけれど,2日で8時間・・・早く寝なきゃ.

それにしてもいい企画,というかありがたい企画です.
シネマフロンティアさんありがとう.

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ここのところあまり映画は観ていません.

比較的最近観て,感銘を受けたのは
『あらくれ』と『白痴』で,どちらも日本の古い映画.

『あらくれ』は,ある意味で"ジェットコースタームービー"です.
高峰秀子がすごいんだから.

成瀬作品は,加東大介がどこで出てくるかがいつも楽しみ.
で,この映画でも,なんともいい味です.

『白痴』はなんといってもムイシュキン(にあたる人)役の森雅之.ほんと,名優ですねー.
舞台になっている昭和30年代の札幌もどこか懐かしく,黒澤でいちばん好きな映画になりました.
なんでいままで観てなかったんだろう?っていうくらい.

・・・と書いてみて,
あらためて,ゼミ生諸君とは映画の話がかみ合わないことがよくわかりますね.
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靖国

2008年08月16日 | 映画
靖国に行ってきました.

といっても参拝ではないし,政治的な理由から終戦の日をはずしたわけでもない.
ようやく札幌でも上映が始まった『靖国 YASUKUNI』の話.

僕の行った回は午前中だったせいか,年配のお客さんが多かった.
途中で出て行く人がいたのは,さすが問題作,というところか.

8月15日に靖国神社で何が起きているのかを,
たんたんと描いた「素直な」ドキュメンタリーだな,というのが僕の感想.

ただ,ああいう報道されない「事件」の実態が,
勇気ある監督の仕事で広く知らされることには意義があると思う.

ひとつ思うのは,これは「靖国問題」の映画であって,
「靖国神社」の映画ではないのだろうということ.

もし,「靖国神社」について知りたいのなら,ぜひ坪内祐三『靖国』(新潮文庫)を.

靖国神社や遊就館が正しい/間違っているという二分法から,視点を自由にしてくれるかもしれない一冊.
いくらかでも興味があるのなら,この590円(新潮文庫は安い!)は絶対に高くないです.
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鴛鴦歌合戦

2008年03月10日 | 映画
今月のWOWOW(デジタルチャンネルの方)で『鴛鴦(おしどり)歌合戦』という映画をやります.
マキノ雅弘監督(当時はマキノ「正博」)のオペレッタ時代劇.

これ,僕がいちばん好きな映画のひとつです.大傑作.

初めて観たのはたぶん学生の頃で,ケーブルテレビでだった.
番組表に読めない字のタイトルが載ってて,なんだろうと思いながら何気なく観たのだったと思う.

で,圧倒されてしまった.なんだこの映画?って,大笑いしながら.

その時の僕には,この『鴛鴦歌合戦』という作品がすごいのか,昔の映画がすごいのか,
その区別がつかなくて(サンプル1だもの),戦前の日本映画のレベルの高さにひたすら驚いていた.

その驚きは正しかったのだけれど,この映画が特別だったことも事実.
後に蓮實重彦や金井美恵子の本にこのタイトルを見つけて,そうかその筋では(?)有名な作品だったのかと納得した.

野暮な説明はしたくないので,とにかく観て下さい(DVDも出てる).

予備知識なしですごい作品に出会うっていうのは,ほんとうに幸せな体験で,
そうそうあることじゃない.

こんな風に紹介してしまうと,その幸福の可能性を消してしまうのだけれど,
この傑作に一生出会わないよりはずっとマシでしょう.

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今月のWOWOWではジャック・タチ特集ってのもあって,これまた泣くほどうれしい.
『ぼくの伯父さん』に『のんき大将』に『プレイタイム』.

今日の深夜には錦織君が初優勝したブレーク戦の緊急放送もあるし,
わが家では,いまWOWOWが熱い(笑).
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東京暮色

2008年03月06日 | 映画
週末に小津の『東京暮色』をみてきた.
JRタワー5周年の「甦る名称と日本の駅」という企画の中の一本.

年末からいろいろあって,映画はすごく久しぶり.
いまもなんだかんだとやることがあって週末は忙しいのだけれど,
大きな画面で小津が観られるのだったら,多少の無理はします(してないが).

小津安二郎と言っても,うちのゼミ関係者(というか若者一般?)にはピンとこないかもしれないが,
日本映画黄金期の名匠中の名匠.日本人なら『東京物語』くらいは観ておきましょう.

それにしても,僕が観た回は遅い時間だったとはいえ,ずいぶん閑散としていたなあ・・・.
もったいない話.

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映画とは関係ないけれど,昨日紹介した本に「なぜ流れ星が3つの願いをかなえてくれるのか」が出ています.
なんと,そんな秘密があったとは・・・.
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想像力の彼方に

2007年10月17日 | 映画
ひさびさに宗教がらみの大きな事件.

集団暴行はもちろん論外だけれど,
万病に効く「何とか水」を高額で販売していたことも非難されているようだ.

でもさ,ふつうの神社だって,
健康になるだとか,交通事故が起きなくなるだとか,良縁がみつかるだとか,
科学的な意味では効果がないことが明らかな(違う?)祈祷で,
数千円以上のお金を受け取っているんだよね.なにか違うのかな?

物質的には恵まれているのに,精神的にはいろいろきついっていう「現代」は,
エセ宗教には都合がいいんだろうな.
(でも,この場合の「エセ」ってどういう意味なんだろう?)

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週末に『パンズ・ラビリンス』を観てきた.

まったく子供向けではないファンタジー.
アメリカではR指定(=子供は一切ダメ),日本でもPG-12指定.

(以下,ストーリーへのかすかな言及があるので,それが嫌な人は観てから読んで下さい)

舞台はフランコ政権(ファシズム政権)下のスペイン.
主人公の少女オフィリアは,厳しい現実のなかで幻想の世界に救いを求める.

それ以外にどうしようもない現実が,この世界には存在している.

想像力の彼方に救いはあるのか,と考えると,なんのことはない,これはそのまま宗教の話だ.
個人の想像力が現実と乖離しすぎると精神の病とみなされるが,集団の場合は宗教に結実する.
多くの宗教は,「死すべき定め」から目をそらすためにあるのだろうし.

で,この映画ね,人に薦めるか,といわれるといろんな意味で考えてしまう.

ファンタジーだと思って,気軽にデート(って言葉は若者も使うのか?)で見にいくと,痛い目を見ます.
特に男性は,思いがけない形で世界観を問われてしまうかもしれないので,覚悟して行くように.

ただ,登場するのはわかりやすい「悪」だから,その意味では対応しやすいかも.
「悪」だってもっと複雑だと思うんだけれど,そこはファンタジーか.

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いろんな評論家が言及しているように,
この映画には『ミツバチのささやき』へのオマージュという要素がある.

『ミツバチのささやき』は,好きな映画のベスト10を選べといわれたら僕も絶対に入れる名画中の名画.
陳腐な言い方だけれど,詩情そのものを映画にしたような,奇跡的な作品です.

ぜひみてほしいと言いたいところだが,DVDは絶版でAmazonでは3万円の値がついている.
再発してよねー.『マリエンバート』とか『赤い砂漠』とかもさあ.

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そういえば『20(21)世紀少年』も完結したね.

思うことはいろいろあるけれど,
ひとつ言いたいのは,いくらなんでもローマ法王を美しく描きすぎだってこと.

「あの」カトリックのトップだよ?!
あれだけ多くの人の死に責任がある「地位」は,他にないんじゃない?
(幸か不幸か,アメリカ大統領ならともかく,日本の指導者なんかじゃ足元にも及びません)
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図鑑

2007年09月18日 | 映画
一週間ほど前に,三木聡『図鑑に載ってない虫』を観てきました.

意外に「悪夢系」で適当に楽しく観はしたのだけれど,小ネタはそろそろ飽きてきたかなあ.
もう少し出し惜しみしないと,続かないよ・・・.

自慢じゃないが,僕らの世代は飽きっぽい.

一曲ヒットすると,ほぼ必ず次の曲も売れてしまう状況を作ってしまう若い世代には,
「飽きろよ!」と思わずにはいられないのです.

でも・・・世界が大三元でありますように.

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『図鑑』の翌日にたまたまみたNHK「ためしてガッテン」で,時効警察のテーマ曲が使われていた.

おいおい民放のドラマの曲使うか?と思ってたら,
少し後には「真空報告官大運動会」(CB&三木聡,最後の傑作)の曲が(笑).
ディレクターか誰かがCBのファンなんだな.

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あひるちゃんは終了です.


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