2名の卒論を無事に提出して,ほっと一息.ここはさっそく自分の研究に取り組むべきところだが,その前に.
内田樹(たつる)は,僕がいちばん信頼している書き手.私淑していると言ってもいい.
僕にはとにかく面白いです.盲をひらかれることばかり.
※私淑(ししゅく):直接の教えを受けているわけではないが,尊敬してその言動にならって修養すること
最新刊の『知に働けば蔵が建つ』(文藝春秋)から,
「雑学」と「教養」の違いを説明している箇所を引用すると(ちなみにこれは表紙裏に引用されている箇所ですが),
-------------------------------
教養は情報ではない.
教養とは形のある情報単位の集積のことではなく,
カテゴリーもクラスも重要度もまったく異にする「情報単位の間の関係性を発見する力」である.
雑学は「すでに知っていること」を取り出すことしかできない.
教養とは「まだ知らないこと」へフライングする能力のことである.
-------------------------------
(原文には傍点があるので,カギカッコをつけたり,改行を増やしたりしてます)
内田樹を読めば,こういう意味での「教養」が身につくはず.少なくとも,進むべき道筋がわかる.
引用したところは硬い(偉そうな)書き方ですが,中身はもっとやわらかい書き方で,村上春樹に通じる感じです.
ここ数年,内田先生(と呼んでしまおう)はかなりの冊数の本を出してらっしゃる.
いろいろあるのだけれど,一冊目は
『街場の現代思想』(NTT出版)
がいいかな.
教養で階層が固定されるという,ブルデュー(っていう有名なフランスの社会学者)の理論を
日本にあてはめて考えながら(っていうといかにも硬そうだけれど),
その流れに対抗して出しているのは「一億総プチ文化資本家戦略」.
オビには「教養がないことに気づくことから始めよう!」とあります.詳しくは読んでみましょう.
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OBからの方が(?)反応があるので,買いやすい本も紹介すると(『街場』も1400円と高くはないけれど),
春日武彦との共著『健全な肉体に狂気は宿る 生きづらさの正体』(角川oneテーマ21)
もすごく面白いです(こちらは760円).刺激的な対談・・・刺激が強すぎるかも.
内田先生の本は,OB諸君にも「身銭を切って」でも買うことを薦めたい.
ただし,耳寄りな話があって,内田先生の原稿の多くは,ホームページで公開されています.
それを後から編集して,本を作るというスタイルなのだそう.
内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/
素直な気持ちとして,僕のブログなんか見ないでこっちを読めといいたい(矛盾).
神戸女学院大学の先生だけあって,ゼミの写真もうちとは好対照です.
(と書いておけば,うちのゼミ生はのぞいてみることだろう・・・君達の気持ちは痛いほどよくわかる.痛い)
なお,本はゼミ室ではなく,僕の研究室の方にあるので,読みたい人は言って下さい.
内田樹(たつる)は,僕がいちばん信頼している書き手.私淑していると言ってもいい.
僕にはとにかく面白いです.盲をひらかれることばかり.
※私淑(ししゅく):直接の教えを受けているわけではないが,尊敬してその言動にならって修養すること
最新刊の『知に働けば蔵が建つ』(文藝春秋)から,
「雑学」と「教養」の違いを説明している箇所を引用すると(ちなみにこれは表紙裏に引用されている箇所ですが),
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教養は情報ではない.
教養とは形のある情報単位の集積のことではなく,
カテゴリーもクラスも重要度もまったく異にする「情報単位の間の関係性を発見する力」である.
雑学は「すでに知っていること」を取り出すことしかできない.
教養とは「まだ知らないこと」へフライングする能力のことである.
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(原文には傍点があるので,カギカッコをつけたり,改行を増やしたりしてます)
内田樹を読めば,こういう意味での「教養」が身につくはず.少なくとも,進むべき道筋がわかる.
引用したところは硬い(偉そうな)書き方ですが,中身はもっとやわらかい書き方で,村上春樹に通じる感じです.
ここ数年,内田先生(と呼んでしまおう)はかなりの冊数の本を出してらっしゃる.
いろいろあるのだけれど,一冊目は
『街場の現代思想』(NTT出版)
がいいかな.
教養で階層が固定されるという,ブルデュー(っていう有名なフランスの社会学者)の理論を
日本にあてはめて考えながら(っていうといかにも硬そうだけれど),
その流れに対抗して出しているのは「一億総プチ文化資本家戦略」.
オビには「教養がないことに気づくことから始めよう!」とあります.詳しくは読んでみましょう.
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OBからの方が(?)反応があるので,買いやすい本も紹介すると(『街場』も1400円と高くはないけれど),
春日武彦との共著『健全な肉体に狂気は宿る 生きづらさの正体』(角川oneテーマ21)
もすごく面白いです(こちらは760円).刺激的な対談・・・刺激が強すぎるかも.
内田先生の本は,OB諸君にも「身銭を切って」でも買うことを薦めたい.
ただし,耳寄りな話があって,内田先生の原稿の多くは,ホームページで公開されています.
それを後から編集して,本を作るというスタイルなのだそう.
内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/
素直な気持ちとして,僕のブログなんか見ないでこっちを読めといいたい(矛盾).
神戸女学院大学の先生だけあって,ゼミの写真もうちとは好対照です.
(と書いておけば,うちのゼミ生はのぞいてみることだろう・・・君達の気持ちは痛いほどよくわかる.痛い)
なお,本はゼミ室ではなく,僕の研究室の方にあるので,読みたい人は言って下さい.