プロジェクト○川

学生に本を読んでもらおうという,ただそれだけのはずでした

全英2014(1)

2014年06月29日 | テニスに目が眩んで

(ゼミ生諸君は,カテゴリーが「テニスに目が眩んで」になっていたら,スルーしてください)

気持ちはすでに(というか最初から)ウィンブルドンです.雑感を.

ここまでで印象に残った試合というと,まずはナダルの2R,ロソル戦.

ロソルは長身のビッグサーバーで,芝では危険なタイプ.2年前にも2Rで当たって,そのときはロソルが勝ってる.

僕がWOWOWをつけたら,1stセットはロソルがとってて,2ndセットのタイブレだった.しかも,5-4でロソルのサービスってところまで行って,あわやっていう試合でした(結局そこからひっくり返して,4-6,7-6,6-4,6-4).

ナダルのウィンブルドンは,2010年に2度目の優勝,2011年も準優勝のあと,2012年は2Rでロソルに負け,去年はまさかの1R敗退.これはナダルが芝に弱くなってきたということではなく,さすがの超人ナダルでも,全仏にそそぐエネルギーの負担が大きすぎて,2週間では回復しきれなくなってきているってことだと思う.

今年の1Rも1stセットはとられていたし,今日の3Rも1stセットダウンからスタート.序盤を乗り切ればわからないのがナダルではあるけれど,錦織君にしてもラオニッチにしても,QFのチャレンジャーにチャンスはありそうだ.

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序盤でいちばん印象に残ったのは,今年もスタコフスキーでした.去年,フェデラーのGS連続ベスト8記録を,よりによってウィンブルドンで止めるという快挙を,それにふさわしいサーブ&ボレーで成し遂げた,あのスタコフスキーね.

今年は,全仏ベスト4で第12シードのガルビス(そういえばその全仏では,彼がフェデラーに勝った)を2Rで破ったっていうことなんだけど,アップセットって言ったって,クレーコートが得意なガルビスとサーブ&ボレーのスタコフスキーなんだから,ウィンブルドンでは起きるべきことが起きただけでしょう.

彼の古典的な組み立てのサーブ&ボレーは,ほんとうに貴重な存在だ・・・と思っていたんだけど,3Rで負けてしまった.

あと,日本人では杉田祐一君だな.フェリシアーノ・ロペスとの1R.

ロペスは前哨戦のイーストボーンで優勝してて絶好調・・・には見えなかったけれど,芝が得意なロペスと,初めてのGS本戦であれだけできるのは立派です.

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4シードのフェデラーは好調という話になっているようだけれど,試合をちらちら見た限りではよくわからない.サービスの調子はよさそうに見えるものの,紙一重ということもあるし.ドローを見ると,QFで当たるバブリンカよりも,4Rのヤノビッチが怖いかなあ・・・怖いのはサービスだけとはいえ.

僕はコートサイドのエドバーグの姿に感無量なんだけど,フェデラーが期待ほどサーブ&ボレーをしないので・・・でも,今年は是が非でも(って,僕が書いても意味がない言葉だが)ナダル戦を見たい.

1シードのジョコビッチは,2Rのステパネクで苦労して(いい試合),3Rがシモン,4Rがツォンガで,その次はたぶんベルディヒに完勝したチリッチと,なかなかきついドロー.調子もそれほどよさそうに見えないし,芝も速そうで・・・(気のせい?).

3シードのマレーは順当にいけばQFがディミトロフ.ここはまだマレーでしょう.で,マレーとジョコビッチなら,マレーに分がありそうな気がする.

そういえばマレーの1Rはゴフィンだった.まだドロー運がないままなんだな,かわいそうなゴフィン.

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通常勤務+

2014年06月23日 | つぶやき

今日から通常勤務に戻りました.何食わぬ顔でふつうに過ごそうと思っていますので,お気遣いなきよう.

読んでいた本から.

「…戦後の日本は,三〇年以上,恨みを解くために非常な努力をしている.皇太子時代の天皇ご夫妻が世界各地を歴訪しておられたのもそのためだ.たとえば,フィリピンで日本軍の行為を聞いて,美智子妃殿下は思わず涙を零された.情の民族であるフィリピン人はそれをテレビで見て,日本を許す気が初めて芽生えたという.」
(「安倍政権発足に思う」より,中井久夫『日時計の影』,p.195)

右翼の人たちも(というか,まっとうな右翼の人たちこそ!),この長いご努力を無に帰すような行為には反対するべきでしょう.まして他の人は.

(なお,この「安倍政権発足」というのは,最初の時の話です)

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そんなわけでW杯もあまり見ていませんが,グループリーグ最終戦で勝利が必要だというくらいでミラクルなんていう言葉が出てくるのは,さすがに極端すぎる気がします.

あまりにオプティミストだったのか,それともあまりにペシミストなのかはわからないけれど,この状況は「想定内」でしょう.僕の主観的確率では,日本がグループリーグを突破できる可能性は,事前予測とあまり変わってないです(僕がオプティミストであることをお忘れなく).

ところで大会前に,Ladbrokesのようなブックメーカーのオッズで,どこが優勝候補だとかって話になるでしょう?今回の日本は真ん中くらいだったそうだけれど,あれはいくらか過小評価になっていると思います.

別に日本の実力はもっと上だと言いたいのではなくて,日本人はブックメーカーに賭けることを禁じられていますよね.法的に厳密なことは知りませんが,少なくとも「ここに賭けて儲けよう」なんていう話題が,おおっぴらに出てくることはない.

だから,ブックメーカーでの賭けが合法だと認識されている国と比べると,「自国に賭ける」という楽しみ方をしている人が少ない分,オッズは過小評価になっているんじゃないかと.

ただ,5時からTVをつけるのは無理だなあ.Y太郎的な事情で(笑).

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全仏2014後半

2014年06月13日 | テニスに目が眩んで

全仏はナダルがジョコビッチを3-1で下して5連覇達成.

何がすごいって,ナダルが5連覇(全仏では新記録)にチャレンジするのが2回目だったということだ.当たり前のことだけれど,5連覇を達成するには,まず4連覇しなくてはならない.去年ナダルが達成した「2度目の4連覇」は,その段階でとんでもない偉業だ.

4大大会での5連覇というのは,10年20年に一度というレベルの選手が,やっと挑戦することができるもので,僕が見たことがある5連覇は,うっすらと記憶に残っているボルグ(全英)とフェデラー(全英,全米)だけ.クレーでのナダルはたぶん100年に一人,最低でも50年に一人というレベルの選手だとあらためて思う.

彼の全仏での通算成績は,9回の優勝で7×9=63勝,それに4Rでソダーリングに負けた2009年の3勝1敗を合わせて,10年で66勝1敗.マンガみたいだ,とでもいうしかない.

ただ,決勝が終わったあとのセレモニーでは,その偉業達成のナダルと比べてすら,ジョコビッチへの称賛の拍手は,長く暖かいものだった.

試合の水準は敗者で決まる.あの体力のかたまりのようなジョコビッチが,最後はまるでタオルを投げるようなダブルフォルトで試合を終えてしまった.「全仏でのナダル」という怪物と戦うことは,限界へのチャレンジだと誰もが思っている.

僕も今年は,めずらしくジョコビッチの方を応援しながらみていました.

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仮に錦織君が怪我をしていなくても,今年のドローでナダルに勝てる見込みはほとんどなかっただろうと,いまは思う.

錦織君はナダルとは逆の山だったので,もし当たるとすれば決勝だった.5セットのクレーコートで,ナダルに勝てるだけの体力を保持しながら決勝に進むことは人間業ではない.しかも,そのためにはジョコビッチを破らなくてはいけなかったのだ!

錦織君がナダルに勝てる可能性があるとすれば,早いラウンドでの対戦だろう.いまのシード順だと,3回戦までに当たることないから4回戦ということになる.もちろん,けっしてうれしいドローではないけれど.

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女子は7シードのシャラポワが4シードのハレプを下して2回目の優勝.

3年連続で決勝に進出し,そのうち2回で優勝(去年はセレナに負けた).あれほどシャラポアが嫌いな僕ですら,いま彼女を「クレーの女王」と呼ぶことに異議を挟む権利は誰にもないと思います.

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全仏2014前半+

2014年06月02日 | テニスに目が眩んで

フェデラーの4回戦敗退とともに,僕の全仏も半ば終了です.

タイブレの末にきわどく第1セットをものにし,第2セットも5-3のサービスゲームで40-15とセットポイントを迎える.

グルビスは全仏直前にニースで優勝しているし,きつい相手だと思っていたのだけれど,これで大丈夫かなと思ったのもつかの間,フェデラーは完ぺきな組み立てからのスマッシュを,逆を突きそこなって切り返されてしまう.

あとは既視感のある展開.第4セットは取り返したのだけれど・・・.

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もう長い間,全仏オープンの興味といえば,「誰がナダルを止めるか」なわけです.

普通に考えてその一番手はもちろんジョコビッチなんだけど,今年に関しては錦織君だったと言っていい.YouTubeにマドリッド決勝のナダル戦の動画(ダイジェスト)があって,信じられないことに,確かに第2セットの途中まで,錦織君があのナダルを圧倒している.しかもクレーで.

ただ,準決勝のフェレール戦(これもYouTubeにあります)と比べても,このナダル戦での錦織君のギアの上げ方(というか上がり方)は,とんでもなく高いレベルで,身体が悲鳴を上げても仕方がない.サッカーとかでもそうだけれど,故障って調子のいい時に起きるものです.

人間の筋力は,本当にフルパワーを出しちゃうと身体が壊れてしまうくらいのものなのだそうだ.だから普段はリミッターがかかっている.いわゆる「火事場の馬鹿力」っていうのは,非常時にそのリミッターが外れた状態で起きる現象らしい.で,リミッターが外れるのは,極端に心拍数が上がったときなんだとか(マルコム・グラッドウェル『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』に出てきます.ゼミ室にもあるよ).

あの試合の錦織君も,限界ぎりぎりのレベルで動いていたのでしょう.でも,このテニスが続けられるなら,確かにトップ5どころの騒ぎじゃない.ほんとに残念.

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残っている選手(男子)だと,ラオニッチは好きですね.サーブアンドボレーをするからっていうのもあるんだけど,エドバーグを思い起こさせる,あの薄いグリップのサービスが僕には「ツボ」です.僕も若い頃,ああいうグリップでサーブを打ってたから.

念のため断わっておきますが,自分とプロを比較して悦に入っているわけじゃないですよ.ただ,ラオニッチのサービスを見ていると,ときめくっていうか,いちばんいい状態でサーブを打ったときの感触がよみがえって,わくわくしてしまう.

テニスしたいなあ.

 

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