誰が何と言おうと,僕は鳩山由紀夫の政界引退を心から惜しんでいます.僕らの社会に必要なのは,競争力や効率化なんかよりも,「友愛」の方だと思うもの.
政治家が理念を追いすぎるとよい結果につながらないのかもしれない.でも,正しい理念を持ってないトップはいらない.理念を実現できるかどうかは,首相自身の資質もあるけれど,首相を支える周囲の能力や,僕らの側の問題も大きいでしょう.
沖縄に基地が集中しているのはおかしいけれど自分の近くに移すことには反対だとか(でも米軍は必要),放射性廃棄物の処理は必要だけれど自分の近くはダメだとか,年金制度の立て直しは必要だけど自分の年金が下がるのは嫌とか,温暖化問題は重要だけれど/原発は嫌だけれど電気の利便性はこのまま維持したいだとか・・・.この国民を束ねて,よい方向に持っていける人なんているんだろうか.
よく「政治に強いリーダーシップを」とかっていうけどさ,それって要するに強い権力のことでしょ.そんなものどう考えてもせいぜいが必要悪だよ.
本当に危機的な状況,たとえばどこかの国の侵略を受けているなんていうとき(「領土問題」レベルではなく)には,権力を集中させる必要がある.でも,いまの日本の「危機」の多くは,強権で解決できるタイプの問題ではないと思う.強いリーダーシップを求めて「しまう」あたりに,問題の根幹があるんじゃないか.
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次期首相の最有力が腹痛くんだっていうこの状況は,悪夢をこえてほとんど喜劇だ・・・喜劇っていうのは,外から眺めているからおかしいのであって,登場人物はたいてい憤っているものだし,ときには絶望していることもある.
そういうなかで,やっと第3極といえそうな動きが出てきたかな・・・どれも似たり寄ったりじゃ,第3極の意味がない.そういう動きが起きたということだけでも,かすかな希望を感じるし,嘉田知事の言うように「中道左派」を求める人はそれなりにいるはずだ(というか,いないようだと本当にヤバい).
脱原発を第一の争点にすることには危うさがあると思うけれど,少なくとも,学者としての嘉田知事はきちんとした方でしたよ(政治家としてはよくないという含みではなく,単に知らないってことです.滋賀県民じゃないので).