プロジェクト○川

学生に本を読んでもらおうという,ただそれだけのはずでした

酒飲みの本(とボラーニョ)+

2010年09月28日 | 本の話
昨日(日曜)は札幌で研究関連の会議があったので,携帯のアラームを7時にセット.普段の日曜は何時まで寝てるかわかったもんじゃないんだけどね.

翌朝,起きてトイレに行ってから時間を見ると,まだ6時台.なんかおかしいような気がしながら二度寝して,7時にアラームで目を覚ます.

あらためて携帯をみると,メールが届いている.

日曜の朝6時台に?緊急事態かと一瞬身構えたが,OBから「本を紹介してほしい」というのんびりした内容でした(笑).まあ,うちはジャンル的に朝の早い仕事についているOBが多いんだが….

で,リクエストは「発見のある本」.何を発見したいのかわからないので,ジャンルを絞るように.

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たまたま酒に溺れる主人公の小説を(というのが,この「OB」が誰なのかのヒントだったりして)2冊並行して読んでいて,今日片方を読み終えた.

ポール・トーディ『ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン』(白水社).ワインで身を持ち崩す人の話.身につまされます.

「主人公にワインを教えた人」にワインを教えた人が,私がいなければ彼(主人公の師匠.彼もワインで身上つぶした)もあんなことには…と述懐する場面があるんだよね.

僕にも,友人やらゼミ生やらに,ワインを飲むように仕向けたという反省がなくもない(この小説に出てくる人たちなら,飲まずに捨てるようなワインしか飲んでないけどね).

で,君たちの誰かが,こういうことになるとたいへん寝覚めが悪いので(笑),ストーリーを反面教師にするという意味では薦めてもいいのかも.適度に知的でよくできた小説です.ただ,ちょっと高いので,近くの図書館ででも借りて読んで下さい.

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『ウィルバーフォース氏』は白水社のエクス・リブリスというシリーズの1冊.このシリーズには本邦初訳のロベルト・ボラーニョが2作入っている.

ボラーニョはほんとにすごい作家.短編集の『通話』も面白いけど,なんといっても長編『野生の探偵たち』.これにはぶっとんだ.何がすごいってのは言いにくいんだけど,とにかく濃密な読書体験でした.

ベラーノ(おそらく著者の分身)とリマという二人の詩人が,彼らの前衛詩運動の始祖にあたる別の詩人の足跡を追う,というのがメインのストーリー.

追跡とも逃避行ともいえる二人の放浪は,多くの関係者のインタビューと日記を通じて語られる.そこから浮かび上がるベラーノとリマの「生」といえばいいのか「存在」といえばいいのか,それがたまらないんだよねー.

こちらは上下で6,000円するけど,その価値は十分あります.ただ,決して読みやすい小説ので念のため.

ボラーニョ(チリの作家,故人)といい,エンリケ・ビラ=マタス(『バートルビーと仲間たち』)といい,21世紀は英語の世紀だなんてのは勘違いで,実はスペイン語の時代なんじゃないかと思ってしまう.テニスもサッカーも強いしさ.

ボラーニョの遺作『2666』は英訳で900ページ.買ってみたけど読めそうにないので(持ち運べないし),翻訳が出るのを心待ちにしています.
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交換

2010年09月26日 | つぶやき
バッテリーの過熱が問題になってるiPod nanoの初期モデル,僕も持っているので無償バッテリー交換を申し込みました.

普段はtouchなんだけど,車でpodcastを聴くのに使っているので,まだ現役.つないでしか使わないからバッテリーはどうでもいいんだけどさ,破裂したとかいう話を聞くと多少は不安になるわけです.

申請(?)の仕方はわかりにくいし(わざとなんだろなあ),購入証明をFAXしろというし(なんのためのユーザ登録),ネットからの申し込みの数日後に「確認事項があるから電話しろ」と要件を明示しないメールが来るし(普通このケースではかけてくるものだろう),これでは不透明な障壁を作って申し込みを阻害しているとしか思えない.嫌なメーカだなあという印象が強くなっても仕方がないですよねえ.

で,交換に5週間から7週間かかると言われてたのに,10日足らずで届きました.となると,この「期間」も障壁だったんだな,って思っちゃいますよ,そりゃあ.

で,こういうのをブログなんかに書くことで,「嫌な思いをしてまで…」って交換をやめる人がいたりすると,思うツボ?
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ケンカを学ぶ

2010年09月24日 | 本の話
たまに本の紹介.

家にあった遥洋子『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(筑摩書房)という本を持ってきました.

10年前に流行った本です.フェミニズムなんて言葉を聞いたこともないという人には,「フェミニズム超入門」になりそうだし,かいま見える芸能界の裏話も面白いといえば面白い.

学生諸君にはそれよりも,ここに描かれている上野ゼミの緊張感を読んでみてほしい.うちのゼミの進め方や,僕の教育(笑)がどれだけ甘いかよくわかるから.

いまはちくま文庫に入っていて,大きな大学そばの古本屋に行くと捨て値で買えます.
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全米終わって

2010年09月21日 | テニスに目が眩んで
だいぶ経ってしまったけれど,全米オープンの総括的感想を.

ナダルの優勝と生涯グランドスラム達成はもちろん立派だし,弱点だったサーブの威力も増して完璧な大会だったとは思うけれど,この大会に関してはドローに恵まれたことは否めない.

たとえば,準決勝の相手のユーズニーが弱い選手だとは間違っても思わないが,激戦を勝ち抜いたユーズニーに,ナダルと戦う力は残っていなかった.ジョコビッチも同じ.

「ナダルとフェデラーの差がまた開いた」とかいう記事も見かけたが(勝ち負けしか見ずに書いているのだろう),僕にはフェデラーの復活ばかりが印象に残った大会だった.言っても詮無いことだけど,ウィンブルドンのときにこのテニスができていれば,と思ってしまった.

思うのだけれど,去年のフェデラーの全仏のときも,ナダルが落ちて「くれた」わけだし,グランドスラムの最後の1つは,このくらいの運が味方してくれないと取れないのかもしれない.

99年全仏決勝のアガシの相手は,ランキングを100位以下に落としていたメドベデフだった(素晴らしい敗者だったが).87年のレンドルや,89年のエドバーグは幸運を活かすことができなかった.つまりはそういうことなんじゃないかと.
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全米3R以降

2010年09月13日 | テニスに目が眩んで
ロドラが負けて(棄権して)しまってがっかり.
フィッシュもF・ロペスも勝ちあがっているというのに,まだ放送がないのはどういうわけだ・・・と思っていたらあったんですが,まだ見ていません.

ここ数日で印象に残っているのは,マレーの敗退とフェデラーの充実振り.3Rのフェデラーはフットワークも軽くなっていて,完全に復調したという印象.となればもちろん,今大会も本命でしょう.

女子ではイワノビッチがクライシュテルス相手にどこまでできるか注目していました.スコアは完敗だったけれど,内容は悪くなかった.イワノビッチの攻撃的なテニスは好きなんですよね.今後に期待.

それにしてもクライシュテルスは強い.ウォズニアッキも安定しているから,順当にいけば巷の評判どおりこの2人の決勝の再現ですかね.立ちはだかるとすればヴィーナスか.ただ,第1シードがかなり有利なドローになっているので,本命はウォズニアッキだと思います.

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と,書いたのが3Rのあと.その後なんだかんだと忙しく,しかも先週末は出張だったりして,録画ばかりたまっちゃって・・・.

ジョコビッチとフェデラーの準決勝は出張中の録画をしくじってしまい,決勝の雨天順延でようやくファイナルセットだけ見ました.

今年はフェデラーだと思ってたんだけどなあ.テニスの内容は素晴らしかった.衰えたというのは,あまりに強かった頃と比較するからであって,並みのNo.1 レベル(っていうのもなんだけど)は超えているでしょう.

ジョコビッチには失礼だけれど,このフェデラーとナダルの決勝を,僕も見たかった.でも,明日はジョコビッチを応援します,もちろん.
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ゼミ連絡

2010年09月09日 | つぶやき

明日から出張です.月曜には戻ってます.
ただ,来週は月曜も忙しいし(会議4つ!),火・水は休暇をとっています.急ぐ用事がある人は,月曜の夕方にお願い.

ゼミ室の冷蔵庫に,A原くんのおみやげの熊牧場クッキーが残っているかも.
冷凍室には,僕が帯広(先週出張で行った)で買ってきた豚丼チョコレートが入っています.食べて下さい.

そうそう,院生S木君の就職が決まりました.大手N業メーカー(笑)です.めでたい.

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撃破

2010年09月03日 | つぶやき
今日明日は出張。で、いまはJRの車中です。

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撃破って、スポーツには大仰だと思うことが多いけど、この勝利は「撃破」でいいと思う。

錦織君、フルセットで11シード・チリッチを撃破。出張前日だったので、さすがに最後まで生で見るわけにはいかず、第2セットまでで寝ました。朝に早送りで興奮(笑)。

序盤、第1セット第5ゲームまでは完璧なテニスだった。チリッチは調子が悪く、このセットは楽勝かと思いきや、そこから崩れて、スキだらけの相手にセットをプレゼント。

第2セットの最初は、明らかに気持ちが乱れてて、ああ、金星を逃したなあ、と思いかけたんだけど…。

第2セット、第4セットと、2つのタイブレークをとれたことが決定的だった。どちらもプレッシャーがかかる場面だというのに。

これでタイブレークは11連勝なんだって。短い間の集中力はものすごいんだな。ほんと、天才肌。

コートサイドは40℃というなかでの体力勝負をものにしたことも、彼のキャリアにとって意義深いと思う。体力がつけばトップレベルまでいける選手だとあらためて再確認できました。

すごいカウンターショットがたくさんあった。なかでも僕の印象に残ったは、叩き込むような強打のアプローチを、完璧なトップスピンロブで返した場面。あんなの打てないし、狙わないよ、ふつう。

体力さえ回復すれば、この大会もまだまだいけそう。たしか勝ち上がるとソダーリングじゃなかったっけ。

チリッチ戦のいいときのようなテニスができれば、誰が相手でも十分に可能性がある。楽しみだな。
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ロドラー!

2010年09月02日 | テニスに目が眩んで

昨日は何と言ってもベルディヒに完勝したロドラ.どうして全部放送しないのだWOWOW.

とにかくうれしい.サーブ&ボレーをする数少ない選手の中でも,彼は本物中の本物なのだ.

黒猫でも白猫でもサーブ&ボレーをするのがいい猫だ,とはいうものの,サーブが速いからネットに出るという選手のサーブ&ボレーには,それほど魅力を感じない.

アンティシペーションと一瞬の反応,流れるような組み立て.そういう魅力的なサーブ&ボレーを見せてくれる現役の選手というと,このロドラのほかには,フェリシアーノ・ロペス,フィッシュ,あとはケガで休んでいるトミー・ハースくらいか.

それにしてもうれしいなあ.

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1Rは続く

2010年09月02日 | テニスに目が眩んで
WOWOWが1日に10時間以上放送するものだから,見る方もたいへんな全米オープン.やんないとやんないって文句を言うのだけれど,やったらやったで忙しいんだこれが.

もちろん全部なんて見られないけれど,HDレコーダーだと録画できちゃうものだから,早送りでひと通り流すくらいはすることになる.

序盤から波乱含みで,好調が伝えられていたバグダティスとヒューイットが落ちてしまったのが残念.勝ち上がった上位選手にもフルセットの試合が多くて,ジョコビッチ,ソダーリング,モンフィス,ベルダスコ,それに僕が期待しているフィッシュ(最近好調なのだ)が1Rからフルセット.

1Rをざっと見た感じでは,フェデラーは調子がよさそうだった.

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さっき2R,イワノヴィッチ-ジェン・ジーをみたところ.これが2Rっていうのは厳しい(ハンチュコバ-サフィーナの1Rよりはましだが).

イワノヴィッチがすごいテニスをした.これが続けられるのなら台風の目になりそうだけれど,ドロー的にはややきついところにいるかなあ.

そのあとちらっと映ったベルディヒの1Rの相手はロドラ.ロドラのあの,顔に似合わない流れるようなサーブ&ボレーがみたいんだけど,やるのかな・・・.
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