昨日(日曜)は札幌で研究関連の会議があったので,携帯のアラームを7時にセット.普段の日曜は何時まで寝てるかわかったもんじゃないんだけどね.
翌朝,起きてトイレに行ってから時間を見ると,まだ6時台.なんかおかしいような気がしながら二度寝して,7時にアラームで目を覚ます.
あらためて携帯をみると,メールが届いている.
日曜の朝6時台に?緊急事態かと一瞬身構えたが,OBから「本を紹介してほしい」というのんびりした内容でした(笑).まあ,うちはジャンル的に朝の早い仕事についているOBが多いんだが….
で,リクエストは「発見のある本」.何を発見したいのかわからないので,ジャンルを絞るように.
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たまたま酒に溺れる主人公の小説を(というのが,この「OB」が誰なのかのヒントだったりして)2冊並行して読んでいて,今日片方を読み終えた.
ポール・トーディ『ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン』(白水社).ワインで身を持ち崩す人の話.身につまされます.
「主人公にワインを教えた人」にワインを教えた人が,私がいなければ彼(主人公の師匠.彼もワインで身上つぶした)もあんなことには…と述懐する場面があるんだよね.
僕にも,友人やらゼミ生やらに,ワインを飲むように仕向けたという反省がなくもない(この小説に出てくる人たちなら,飲まずに捨てるようなワインしか飲んでないけどね).
で,君たちの誰かが,こういうことになるとたいへん寝覚めが悪いので(笑),ストーリーを反面教師にするという意味では薦めてもいいのかも.適度に知的でよくできた小説です.ただ,ちょっと高いので,近くの図書館ででも借りて読んで下さい.
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『ウィルバーフォース氏』は白水社のエクス・リブリスというシリーズの1冊.このシリーズには本邦初訳のロベルト・ボラーニョが2作入っている.
ボラーニョはほんとにすごい作家.短編集の『通話』も面白いけど,なんといっても長編『野生の探偵たち』.これにはぶっとんだ.何がすごいってのは言いにくいんだけど,とにかく濃密な読書体験でした.
ベラーノ(おそらく著者の分身)とリマという二人の詩人が,彼らの前衛詩運動の始祖にあたる別の詩人の足跡を追う,というのがメインのストーリー.
追跡とも逃避行ともいえる二人の放浪は,多くの関係者のインタビューと日記を通じて語られる.そこから浮かび上がるベラーノとリマの「生」といえばいいのか「存在」といえばいいのか,それがたまらないんだよねー.
こちらは上下で6,000円するけど,その価値は十分あります.ただ,決して読みやすい小説ので念のため.
ボラーニョ(チリの作家,故人)といい,エンリケ・ビラ=マタス(『バートルビーと仲間たち』)といい,21世紀は英語の世紀だなんてのは勘違いで,実はスペイン語の時代なんじゃないかと思ってしまう.テニスもサッカーも強いしさ.
ボラーニョの遺作『2666』は英訳で900ページ.買ってみたけど読めそうにないので(持ち運べないし),翻訳が出るのを心待ちにしています.
翌朝,起きてトイレに行ってから時間を見ると,まだ6時台.なんかおかしいような気がしながら二度寝して,7時にアラームで目を覚ます.
あらためて携帯をみると,メールが届いている.
日曜の朝6時台に?緊急事態かと一瞬身構えたが,OBから「本を紹介してほしい」というのんびりした内容でした(笑).まあ,うちはジャンル的に朝の早い仕事についているOBが多いんだが….
で,リクエストは「発見のある本」.何を発見したいのかわからないので,ジャンルを絞るように.
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たまたま酒に溺れる主人公の小説を(というのが,この「OB」が誰なのかのヒントだったりして)2冊並行して読んでいて,今日片方を読み終えた.
ポール・トーディ『ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン』(白水社).ワインで身を持ち崩す人の話.身につまされます.
「主人公にワインを教えた人」にワインを教えた人が,私がいなければ彼(主人公の師匠.彼もワインで身上つぶした)もあんなことには…と述懐する場面があるんだよね.
僕にも,友人やらゼミ生やらに,ワインを飲むように仕向けたという反省がなくもない(この小説に出てくる人たちなら,飲まずに捨てるようなワインしか飲んでないけどね).
で,君たちの誰かが,こういうことになるとたいへん寝覚めが悪いので(笑),ストーリーを反面教師にするという意味では薦めてもいいのかも.適度に知的でよくできた小説です.ただ,ちょっと高いので,近くの図書館ででも借りて読んで下さい.
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『ウィルバーフォース氏』は白水社のエクス・リブリスというシリーズの1冊.このシリーズには本邦初訳のロベルト・ボラーニョが2作入っている.
ボラーニョはほんとにすごい作家.短編集の『通話』も面白いけど,なんといっても長編『野生の探偵たち』.これにはぶっとんだ.何がすごいってのは言いにくいんだけど,とにかく濃密な読書体験でした.
ベラーノ(おそらく著者の分身)とリマという二人の詩人が,彼らの前衛詩運動の始祖にあたる別の詩人の足跡を追う,というのがメインのストーリー.
追跡とも逃避行ともいえる二人の放浪は,多くの関係者のインタビューと日記を通じて語られる.そこから浮かび上がるベラーノとリマの「生」といえばいいのか「存在」といえばいいのか,それがたまらないんだよねー.
こちらは上下で6,000円するけど,その価値は十分あります.ただ,決して読みやすい小説ので念のため.
ボラーニョ(チリの作家,故人)といい,エンリケ・ビラ=マタス(『バートルビーと仲間たち』)といい,21世紀は英語の世紀だなんてのは勘違いで,実はスペイン語の時代なんじゃないかと思ってしまう.テニスもサッカーも強いしさ.
ボラーニョの遺作『2666』は英訳で900ページ.買ってみたけど読めそうにないので(持ち運べないし),翻訳が出るのを心待ちにしています.