あだち蒸気機関車館

5インチライブスチーム模型や蒸気機関車に関する資料などを保存、展示する私設博物館

大甕に入った26万枚の古銭発見

2018年03月13日 | 館長のひとり言
埼玉県蓮田市から26万枚の古銭が詰まった甕が発見されたことが話題になっています。
以前にも書いたことがありますが、館長も江戸時代以前の渡来銭や寛永通宝などをオークションで一山いくらといった安値で購入して分類を楽しんでいたことがあり、今も分類した古銭と残った古銭を当館の収蔵庫の片隅に置いてありますので、大変興味を持ってこのニュースを見ました。
見つかった古銭はほとんどが中国からの渡来銭のようですが、同じ古銭であっても書体によって稀少なものもありますから、専門家が26万枚のすべてを鑑定すれば、なかにはレアなものが含まれているかもしれません。しかし、報道されているように1枚当たりの金額は10円程度のものでしょう。資産的な価値というよりも、歴史的な価値の方が大きい気がします。
ほとんど話題になりませんが、館長が注目したのは、古銭が保存されていた常滑焼の大甕のほうです。室町時代のあれほど大きな甕であれば、相当な価値ではないかと思います。
いずれにせよ、このような中世の遺物が発見されたということはタイムスリップをしたようで、夢のある話です。
ところで、この敷地は太田道灌の家臣がかつて住んでいた土地とのことですが、太田道灌という人物は、江戸城を最初に築いた人物として有名で(徳川家康じゃないんですよ)、有楽町近くの東京国際フォーラムの敷地内に編み笠を被った銅像があります。鷹狩の途中で蓑(みの)を借りようと立ち寄った農家で、娘から山吹の花と「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」という和歌を差し出されたが、その意味を理解できず、自らの無学を恥じ、以後、和歌などに親しんだという話が有名です。
そう言えば、「とんだ目に太田道灌」なんていう江戸時代の地口(洒落)もありますね。

当館の蒸気機関車も、あと数十年もするとちょっとしたタイムスリップ感を味わえるようになるかもしれません。