あだち蒸気機関車館

5インチライブスチーム模型や蒸気機関車に関する資料などを保存、展示する私設博物館

飛騨

2017年04月23日 | 館長のひとり言
「飛騨」とタイトルをつけましたが、別に飛騨に遊びに入った話ではありません。

以前、所用のために近所の集合住宅を訪れ、目当てのお宅を探していると、集合ポストの表札に「飛弾」さんというお宅を見つけて、思わず目を疑いました。これは「飛騨」さんの間違いではないかと思い、入口にある部屋番号と苗字が書かれた掲示板を見ると、こちらには「飛騨」という表示があって、やはりポストの表札の字が誤っているようです。

そんな出来事があって、俳優の故、大滝秀治さんのエッセイを思い出しました。
飛騨地方のファンの人から色紙を頼まれた大滝さんは、自らが出演した「あゝ野麦峠」の一節を書いたそうです。
製糸工場で働き、体を壊して故郷の飛騨に帰る妹(大竹しのぶ)が、兄(故、地井武男)に背負われて野麦峠に辿り着いたクライマックスの場面で、妹が峠の眼下に広がる故郷を見てつぶやいた「飛騨が見える」という台詞を色紙に書いたのですが、飛騨の字を間違えて、「飛弾が見える 大滝秀治」と書いてしまったそうです。
その時は、誤りに気づかなかったそうですが、後年、その時の間違いを指摘され、ファンの方から「さすが大滝さんのような大物になると、飛んでいく弾が見えるんだと思いました。」と言われて、大変恥ずかしい思いをした、というような内容だったと思います。

ところで、ご近所の飛騨さん、本人が自分の苗字を誤って記載することは考えにくいので、おそらくポストの表札は誰か別の人に書いて、貼ってもらったものなのでしょう。しかし、毎日のように使っている集合ポストの表札の間違いに気づかないものなのでしょうか?
今でも集合ポストの表札は「飛弾」のままになっています。ちなみに、館長は飛騨さんのお宅を訪問したわけではありません。