「方舟を燃やす」角田光代著。
話題になっていて予約した本でした。
冒頭から聞き慣れた方言での始まり。
ええ、なにこれ、ここは東部だよね。
しかも山間部のようだ、と感じた通りの地域で育った男性と、
大学進学を希望していたけど、父親が早くに亡くなり、家計を助けるため就職した女性の越し方を交互に綴ってある。
口さけ女はいなかった。 恐怖の大王は来なかった。
でも疫病が流行し、今日も戦争は続いている。
オカルト、宗教、デマ、噂、フェイクニュース、SNS。
誰もが何かを信じたいこの世界で、信じることの意味を問う傑作長篇小説。
1967年生まれの飛馬が育った時代は、みんなノストラダムスの大予言を信じてUFOを待ち、コックリさんに夢中になった昭和のオカルトブーム真っ最中だった。
戦後すぐ生まれの不三子は文化的な生活を知らずに育ち、マクロビオティックの食事で子育てをしたのに、娘や息子とうまくいっていない。
高度経済成長期の日本に育ち、昭和平成を生きたふたりがコロナ禍の子ども食堂で出会った時、そこに生まれたものは何だったのか──。
予測不能な世界を生きる私たちに切実な問いを投げかける角田光代の新たな代表作!
(紹介文より)