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JGTOが2年ぶり4度目の頂点に

2010年12月13日 | Ryo log


我らがJGTOが、リベンジに成功した。合計23ポイントは、ぶっちぎりのV4をあげた。シニアチームの連覇を阻止した。昨年の優勝チームに7ポイント差をつける圧勝で、最強ツアーの名を奪い返した。

12月12日に、千葉県のキングフィールズゴルフクラブで行われたシニアと、女子と、男子の対抗戦「Hitachi 3Tours Championship 2010(日立3ツアーズ選手権)」。

後半9ホールのシングルス戦は、いよいよこの日の最終マッチを迎え、「うちの長老を迎えに行くよ」と悠然と腰を上げたのは、弟弟子の宮本勝昌。残りの4人も嬉々として、それに続いた。



もっともゲームは、前半から引き続きの優勢ムードに最後の藤田寛之の結果を待たずして、すでに勝負はついていた。もはや何のプレッシャーもない。最終ホールで余裕のパーパットを沈めた最年長キャプテンは、たちまち仲間5人に軽々と担がれ悲鳴を上げた。

「な、なんで俺なのっ?!」。
今年のジャパンゴルフツアーの最優秀選手は、この期に及んで抵抗した。「怖いよ、やめてぇ~!」との懇願むなしく、先週のツアー最終戦に続く2週連続の胴上げは、メンバー5人の手で高々と宙を舞った。

実力とともに、バツグンの統率力を兼ね備えた41歳の藤田を中心に、今年は例年にもまして硬いチームワークで結ばれた。昨年、最下位に沈んだ屈辱を、むしろ絆に開幕前から誰の心も燃えていた。

「今年は絶対に勝つ!!」。




あまりの入れ込みように、前半の9ホールはオルタネートのダブルス戦で、先陣を切ったシニアの尾崎直道が、思わず口をとがらせたほど。
「こんな重たい空気の中でやるのかよっ?!」。
第一組は、しょっぱなから池田勇太と松村道央の本気モードに、女子のLPGAでもブーイングが起きたほど。
「去年はもっと和気藹々としてたのに。今回は、2人とも顔が怖くて楽しくなかった」との有村智恵からのクレームも、どこ吹く風だ。

松村が「勝つという使命が僕らにはあったので」と、しゃあしゃあと言えば池田も、「真剣に、やればやるほど俺は顔が怖くなるもんで」。
ひとつのボールを交互に打つという、難解なゲーム方式でまさに「圧巻」(池田)の4アンダーで、チームに最初の勝ち点3をもたらして、弾みをつけると、続く藤田と宮本組は、師匠の芹澤信雄と大先輩の倉本昌弘を相手に、女子と引き分けの2.5ポイントを持ち帰った。
「弟子2人に負けて、テンションが下がった」と、師匠さえもギャフンと言わせて、いよいよ前半の最終マッチは石川遼と、薗田峻輔のペアが女子のラブラブ光線にも硬派を貫く。

女子のアン・ソンジュはかねてより、遼ファンを公言していた。今回、念願の初対面ではあまりの緊張にすぐには声もかけられない。恥じらいながら、サイン色紙を差し出した。
「遼クンは、本当にカッコ良かった」と、頬を染めた女王にも19歳はデレデレしない。
「普段のV争いよりも、ピリピリしていた」と、あくまでも勝負に徹した。薗田と二人三脚の2アンダーは、勝ち点3で貢献した。

前半は、8.5ポイントの優勢ムードも、6人のサムライは手加減しない。後半は、特に池田と松村がひとりになっても凄かった。それぞれ18番で魅せた。松村が15メートルをねじ込むと、続く池田はピンそばのバーディでとどめを刺した。
若大将が、早々に男子の2年ぶり4度目の勝利を決定づけてなお、石川は容赦しない。5マッチ目はやはり18番で、5メートルのバーディパット。ど真ん中から沈めて、直道が再び嘆息だ。「あの子はやっぱり、何か持ってる」。技のシニアも可憐な女子も、6人がかりでこっぱみじんだ。



思い返せばこの6人で、今季は計13勝。松村と2人、今大会は今年のMVPを受賞した池田がシニア勢の顔色を伺いつつも、してやったりと胸を張る。
「これほどのメンバーを持ってすれば、今日の結果も当然かと」。

今季、男子ツアーは計25試合。いよいよ正真正銘のこの最終戦は“26試合目”にして、何よりのクリスマスプレゼントになった。
「僕らが去年のリベンジにこだわったのは、ただやみくもに優勝したかったからではないんです」と、藤田は言った。6戦士の頭に常にあったのは、今大会の主旨でもある「for CHILD CHARITY」だ。

入場券収入と、選手の獲得賞金のうち任意の額が、難病で苦しむ子や、ゴルフ界を担うジュニアたちの将来に役立てられる。
表彰式で、代表して受け取った優勝賞金3000万円。最年長キャプテンは、その目録をほか5人にも順繰りに回覧して、「勝てばそれだけたくさんのお金を子供たちに使ってもらえる。それこそが、僕らみんなの誇りです」。6人のサンタが、満足そうに頷いた。
(JGTO)


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