◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権最終日(28日、兵庫・ABCGC=7201ヤード、パー72) 4打差7位から出た石川遼(21)=パナソニック=は、5バーディー、3ボギーの70とスコアを伸ばしきれず、通算11アンダーで6位に終わった。それでも、賞金497万5000円を獲得し、国内賞金ランクは30位から26位に浮上。最終戦の日本シリーズJTカップ(11月29日~12月2日・東京よみうりCC)の出場権が得られる同25位まで約300万円差に迫った。5打差の10位から出たハン・リー(35)=福住運輸倉庫=が63で回り、通算17アンダーで日本ツアー初優勝。
悔しさだけが残った。石川は半ば自嘲気味に笑いながら、この日のラウンドを振り返った。「アイアンを全部引っかけてしまった。ドライバーは良かったんですけどね」。4打差の7位から大逆転を狙ったが、一度も優勝争いに絡めなかった。
冷たい雨の中、石川は必死にもがいた。1番でボギー発進したが、2番パー4では残り170ヤードのバンカーから1メートルに付けてバーディー。6番パー5ではグリーン左ラフからチップインバーディーを決めるなど、見せ場もつくったが、全く満足していない。「アイアンのヘッドの軌道が良くない。ドライバーとアイアンのスイングがシンクロすれば」。今大会中、課題に挙げていたアイアンショットが修正できなかった。
それでも収穫もある。6位タイの賞金を加算し、今季の国内ツアーでの賞金額は3377万1790円。最終戦、日本シリーズJTカップ出場権の懸かる25位のJ・チョイとの差は約300万円。例年のボーダーラインとなる4000万円まで600万円強に迫った。
日本シリーズまで、あと3試合。2010年に最後に勝った三井住友VISA太平洋マスターズ、09年に2位に入ったカシオワールドなど相性が良く、高額賞金の大会が残っている。「好きなコースでの試合が続くので次こそは優勝争いに加わって優勝できればいい」と前向きに話した。
次週は空き週。「今週良いものをつかめた。試合がないので精神的にも切り替えたい」。7月の全英オープンから試合に出続け、15連戦だっただけに、体を休めるにはいい機会。シーズンも佳境。復活への階段を着実に上っている。
◆石川の日本シリーズJTカップへの道 国内賞金ランク25位は例年4000万円前後。11年は3771万8219円、10年は3688万8166円、09年は4236万6555円だった。石川はあと600万円強が目安。残り3戦で20位以内に入り続けるか、2試合でトップ10に入るか、1試合で単独5位に入れば当確。もちろん優勝すれば即、出場権を獲得する。
◆日本シリーズJTカップ出場資格 昨年大会から1年間の日本ツアー優勝者(プロ、アマ問わず)。大会前週(カシオワールドオープン)終了時点の国内賞金ランク(海外メジャーの獲得賞金を加算しないもの)の25位以内。日本ツアーメンバーで米国、欧州、豪州、南アツアー、世界選手権シリーズ優勝者。
(スポーツ報知)