al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

上質なヴォーカルアンサンブルへの憧れ

2011年06月27日 | 合唱
昨日のコールマリーンの演奏を聞いて・・・
上質なヴォーカルアンサンブルへの憧れが蘇ってきました。

この5月の浜松声楽研究会の演奏会で、同じ師匠のもとで修行した声楽家たちとの合唱を経験しました。それぞれがソリストとして活動されている方ばかりなので、会としても異例な出来事でした。過去にも数回行われたことがある様ですが、それぞれに音楽活動をされているので揃って練習することが難しく、継続できなかったようです。

で、その・・同じメソッドで仕込まれた粒の揃った声のハーモニーの心地良さ。
ソロとは別の快感。それが蘇ってきて・・

本気のヴォーカルアンサンブル・・・
1声4人、4声で16名の混声アンサンブル・・・
これなら最大16声まで耐えられる(笑)

居ないかなあ・・・そんな人たち・・・

合唱団コールマリーン30周年演奏会

2011年06月26日 | 合唱
30周年記念演奏会に行ってきました。

素晴らしい演奏会でした。

演奏も素晴らしかったけれども、何よりも30年続けられたこと、そして常に成長されていること、さらには世間によくある「お楽しみ合唱サークル」ではなく、音楽に対する姿勢が真摯であること。地域にこのような団体が根を生やしていることを誇りに思います。

コールマリーンの皆さん、おめでとうございました。特に発足メンバーの三浦さん、中川さんに最大級の祝辞を捧げたいと思います。お二人の想いがなければ、ここまで続かなかったでしょう。

演奏に対する感想は・・・どんな賛辞を並べても、実際にその場でその音に包まれた人間でないと到底理解されるものではありませんし、音楽とは一瞬の芸術。終わってしまえば余韻以外は何も残らない。今更どんなに褒めたところで・・・

でも、オープニングの2曲については、その完成度の高さには触れないわけにいきません。
Ave verum Corpus
Cantique de Jean Racine
レガートさと言い、音程の確かさ、和声のまろやかさ・・どれをとっても文句の付けようがない。欲を言えば綺麗すぎ(笑)
この2曲に続く他の演奏も相当なレベルではありますが、この2曲が飛びぬけて素晴らしい。

終演後に、この曲を指揮した座光寺さんに、お祝いの言葉とその旨をお話したら、流石にこの2曲は練習量が違ったそうです。今回の演奏会に向けてではなく、それ以前から歌い続けていた曲。やはり歌い込みの量が完成度に直結するんですね

演奏に劣らず素晴らしかったのが来場者の顔ぶれです。偉い方が見えた・・というのではなく、あの方もこの人も・・・地域の広範囲の見知った方々。彼らが合唱活動だけでなく、地域生活においても、コミュニティにおいて幅広く貢献している証。

30年が経ち、若かった彼らもそろそろ還暦が見えてきた年代に。今日を節目に若い血も導入して次の世代にこの素晴らしい歴史を繋いでもらいたい・・そう思った一日でした。

【MET】ラ・ボエーム千秋楽

2011年06月22日 | オペラ
忘れないうちに書いておかないと(汗;

前日の「ドン・カルロ」の余韻も冷めやらない翌日曜の夜、同じNHKホールでの同じ席(笑)厳密には中央寄りに1席ズレましたが・・・


キャストの変更をおさらいしておきましょう。
ミミ:アンナ・ネトレプコ→バルバラ・フリットリ
ルドルフォ:ジョセフ・カレーヤ→マルセロ・アルバレス

昨年の英国王立歌劇場の「マノン」以来、すっかりネトレプコに魅了されて、生のミミを観てみたい(スクリーンではヴィラゾンとの共演を観ていますが)のと、パヴァロッティの後継者と言われているカレーヤが」お目当てだったのですが、残念ながら二人ともキャンセルです。ああ、ペチャワの日を選べば良かった・・とか、こんな事ならダムラウの「ルチア」にすれば良かった・・などと後悔しきり・・。でも日程的にペチャワの出演日は無理だったし、家内と二人で既に2演目なので、「ルチア」最終日の当日券までは・・・。今となっては、あまりのダムラウの評判に、無理しても当日券で飛び込めばよかったと・・(滝汗;

まあ、そんな心を揺れ動かしながら会場へ。あれ?客足が悪いね・・開演直前なのに空席が目立ちます。やはりネトレプコ目当ての客がドタキャンしたんでしょうか・・勿体無い(笑)

幕が開きます。何となく始まっちゃうこのオペラ(笑)ボエームのタイトル通りボヘミアンの日常を描くヴェリズモオペラ。同居する4人の男達はみなくすんだ灰茶系の衣装で2階最後列からは肉眼では判別できない(汗;
オペラグラスで確認して、後は声で(笑)

アルバレスは・・・イケメンながら肥えたし髭ずらだし・・・。歌い方がちょびっと大袈裟だなあ、もう少し自然体だとイイんだけど。俺はイイ男だ!いい声だろ?上手いだろ?って感じ。ジェラシーか(汗;

フリットリは流石でしたね。ネトレプコよりも清楚な感じで役柄には似合ってるかも。ネトレプコはゴージャス過ぎる(w
最後の死を迎える場面のアリアは・・・涙モノでした。息を引き取る際のピアニッシモ・・消え入りそうな声が、ちゃんと2階最後列まで届きます。ホンマもんのベルカントの響きです。

そうそう、ムゼッタのスザンナ・フィリップス、なかなかでした。可愛いし・・ファンになりそう(笑)欲を言えばもう少し艶っぽければ・・。

ゼッフィレッリの演出は、それはもう。パリのカフェの場面の賑わいの演出は・・それはもう・・・(溜息;

こうして年に一度のお楽しみの引越しオペラ、しかも5年ぶりのメトロポリタンな週末が終わりました。大震災、原発事故、そして放射能・・様々なハードルを乗り越えて開催されたMET日本公演。大幅なキャスト変更に失望したファンも多かったと思いますが、ヴァカンスを返上して来日してくれたアーティストの皆さん、そして最後まで調整に苦労されたジャパン・アーツにも感謝したいと思います。

次の舞台は

2011年06月21日 | 声楽
昨年暮れのコンサート以来、ずっと重い曲ばかりだったので、8月の発表会には軽めの曲を歌うことになりました。
Tostiの"Ideale(理想の人)"
Mozart:Don Jovanni "Deh vieni alla finestra(窓辺においで)"
この2曲です。

Deh vieni alla finestra by Dima


【MET2011】ドン・カルロ

2011年06月20日 | オペラ
6月18日(土)15:00 NHKホール・・・・・
待ちに待った5年ぶりのメトロポリタン歌劇場日本公演「ドン・カルロ」です。



震災の影響でキャストに大幅な変更がありました。タイトル・ロールのヨナス・カウフマンとエボリ公女のオルガ・ボロディナがキャンセル。休暇中の代役を急遽招聘したり、「ボエーム」のネトレプコもキャンセルのためにバルバラ・フリットリが急遽代役に立ち、その煽りでエリザベッタがマリーナ・ポプラフスカヤに代わるなど、招聘元のジャパン・アーツは相当苦労したんじゃないでしょうか。

多少のお目当ては外れましたが、フォリッポのルネ・パーペとドロリーゴのディミトリー・ホロストフスキーは予定通りで、「男のドラマ=男声がキモ」なので、事情が事情ですからヨシとしましょう(笑)

体調不良で降板したレヴァインに代わって指揮を振るのはファビオ・ルイジ。レヴァイン降板と聞いてがっかりしていたんですが、ルイジさん・・・堂々とした端正な指揮です。3幕4場でしたか、民衆の合唱とソリストの重唱の場で微妙にテンポがズレそうに感じたんですが、?と思った瞬間にルイジさんを見たら大きく振ってぴしっと立ち直って”おおっ!”って。凄いですよ。

ヨン様(笑)も、最初は響きが薄い感じで線の弱さを感じましたが、場が進むにつれて調子を上げ、途中からは見事なものでした。身体が小さいこと、演技にまだ多少のぎこちなさがあることで、共演者の存在感に負けていたのが少し残念ですが、東洋人の限界なんでしょうか・・・。でも、最後のほうではそれほど意識しませんでしたから歌唱力は相当なものですね。


エリザベッタのポプラフスカヤは、ちょっと高音域が硬質なのが気になりましたが良く演じていたと思います。エボリ公女は普通は眼帯をするんですがしてなかったですねえ。どうしてなんでしょ?衣装もエリザベッタと際立った違いがなかったので老眼の遠目では声で判別(汗; お隣りのお祖母様は、カルロがエリザベッタとエボリを間違えて秘密を暴露する場面では、ご自身も間違えたらしくて????な小声を上げられていました(爆)

フィリッポのルネは流石の貫禄です。「一人寂しく眠ろう」は鳥肌モノでした。ストーリー上ではエリザベッタをカルロから奪う憎々しい父親ですが、その胸中を切々と歌う心情溢れるアリア。これだけで元を取れるような(笑)

パーペの歌うフィリッポのアリア



ロドリーゴも4幕2場の「ロドリーゴの死(終わりの日は来た~カルロよ聞き給え」は圧巻でした。息絶え絶えに歌うホロストフスキーは演技力も含めてちょっとした感動もの。

ホロストフスキーのロドリーゴの死



もう一人のバス、裁判長は低い声は良く通るものの、少し浅かったですね。もっと奥深い声が欲しかったと思いますが、プロフィールを見るとステファンは随分と若いですね。年齢を重ねれば素晴らしいバスになるでしょう。将来が楽しみです。

と・・指揮者は交代し、キャストも大幅に入れ替わった舞台でしたが、幕間も含めて5時間近くの超大作を飽きさせもせず、素晴らしいオペラに仕上げていました。流石にメトの面目躍如と言ったところです。

演出もデクスターで古めかしいと言われていますが、古典的演出好きの僕には十分満足のいくものでした。



週末はオペラ三昧

2011年06月17日 | オペラ
待ちに待った今年一番の週末です(^^

5年ぶりのMET2011日本公演です。

明日18日は「ドン・カルロ
早い時期に指揮者のジェイムズ・レヴァインがドクターストップによりファビオ・ルイジへ変更となるアナウンスがあり、続いてエボリ公女役のオルガ・ボロディナ、そしてタイトル・ロールのドン・カルロのヨナス・カウフマンまでもがキャンセルに。エリザベッタ役のバルバラ・フリットリまでもが来日はするものの「ボエーム」のミミ役をキャンセルしたアンナ・ネトレプコの代役として板に乗るため、エリザベッタまでマリーナ・ポプラフスカヤに代わる始末。散々です(汗;
でも、まあ・・・ロドリーゴのディミもフィリッポのルネ・パーペも健在なのでヨシとします。このオペラは男性の低声が肝ですから。

日曜日は楽日です。「ラ・ボエーム」もう何度も見ているお馴染みの演目。
アンナがどんなミミを演じるか!ルチアーノの後継者と目されるジョセフ・カレヤがどんな歌を聞かせてくれるのか?と、それがお目当てだったのに・・二人ともキャンセル(涙;

それもこれも福島原発事故の放射能のせいなんですが・・

まあ、それでも公演を中止せずに来日してくれただけでいいとしましょう。

この100日間、何となく沈んだ気持ちで過ごしてきましたが、明日からの二日間は現実を逃避してオペラの世界にどっぷりと浸ってきます。

Dicitencello vuie ナポリターナ

2011年06月10日 | 声楽
声楽を習い始めてからはイタリア歌曲やイタリアオペラのアリアが中心でした。5月の演奏会では日本歌曲を歌ったのですが、最近はもう少し軽い曲を歌いたくなりました。

2月にトスティの「理想のひと(Ideale)」を歌ったのですが、その甘い曲の魅力にすっかりヤラレちゃいました。トスティの歌曲はテノールを対象にしたラブソングが多いので、いつも重めのバリトンの曲ばかり歌っているのでとても新鮮だったんですね。オペラの世界でもバリトンは敵役や悪人の役が多くて、王子様とかイケメンはいつもテノール。なので、テノールの甘いラブソングには憧れがあるんですよ。

このIdealeは原調から2音下げてF-durで歌ったのですが、それでも色気のある甘い歌は色男になったみたいで、それはもう・・((爆))
僕が歌った映像はありませんが、こんな曲です。





いい気になって・・今度はナポリターナが歌いたくなりました。ナポリ民謡です。
その歌がコレ!

dicitencello vuie 彼女に告げて です。




かっこいいっしょ?(^^