al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

東劇雑感

2012年05月15日 | もろもろ
MET「椿姫」について書いたついでに東劇についても少し触れておこうと思います。

今までMETライブは新宿ピカデリーか名古屋のミッドランドスクエアシネマで観ていました。今回の「椿姫」は友人のお誘いで東劇で観た後に築地で寿司でも食おうと相成ったわけです。

さて、初めての東劇、松竹の本店みたいなもの。当然期待は高まる。予めネットで駐車場を調査。東劇パーキングよりも向かい側の松竹スクエアパーキングのほうが上限設定があり結果的に安い。ナビをセットし向かう。到着。

駐車場を出て信号の先をみると・・・東劇の看板が見える・・・しょぼい(爆)

一昔前の場末の映画館(笑)

風情があるといえば聞こえはいいが・・何だか高校生の頃にこっそり入った場末の成人映画専門館みたいな(爆)

最近のシネマズとかMOVIXの洒落た映画館にすっかり馴染んだ身には、何だかうら悲しい(汗;
路面の券売窓口(2箇所しか無い)に並ぶと、わはは前の人が友人で既に席を取ってくれている。

私は8月に特別上映される「ニーベルングの指輪」4作を一挙上映の「リング・チクルス」のチケットを購入。いつものように最後列の中央をゲット!

長いエレベーターで3階に。うう!ロビーが狭い!昔の劇場!スクリーンは1個しかなく、扉は一重(汗;
フロアの傾斜はあまりなく後部に行くとスクリーンから遠くなる。従ってシートバックは低く前席に座った人の頭が見える。それが座高の高い人だとスクリーンと被る(滝汗; 座面も変に柔らかく座り心地もあまり芳しくない・・。

8月にはここで4作も長いオペラを連続で観るのか。しかも1日2演目、約10時間を2日連続で・・。気が遠くなりそう。あっ!この劇場じゃあ最後列を買っちゃダメだ!と気付き、結局後で座席を変更するハメになった(笑)

オペラが始まる。序曲が始まってからも入場する人が多い。その度に誘導するペンライトが気になる。

その内に、何やら遠くに掃除機のような音が聞こえる(汗;

すると・・前方の出入口から何人かが出入りする。上映中である(滝汗;

インターミッションがあるにも関わらず、途中で出入りする人が目立つ(怒!

と・・まあ、通常の映画館ではよく見られる光景ではあるが、少なくても今までのMETライブでは、新宿と名古屋では無かった現象が・・。映画ではあるがオペラなんだから・・ねえ(汗;

と、まったく印象の悪い劇場でした。

終演後、上映中の雑音のこと、上映中の出入りのことをスタッフにクレームを付けました。そんな状態でリングを観たくないですからね。

そうしたら、人工呼吸器を付けた観客がいて、その呼吸器の音だったようです。そして上映中の出入りは酸素ボンベの交換のためだとか・・。そんなハンディのある方にもMETを楽しんでもらいたいという気持ちもあるので文句をいうつもりはありませんが、他のお客への影響を少なくするために劇場スタッフの細やかな配慮がもう少しあっても良かったのでは?と想いました。例えば座席を後部に移し、上映中にボンベ交換が必要であればペンライトで補助するとかね。

と、ネガティブな感想ばかりで申し訳ありませんが、松竹の本拠地でもあるのですから早い時期に近代的な劇場に改装されるよう期待しましょう。

そうそう、その際は・・和式トイレはやめましょうよ、和式は(爆)


MET HDlive「椿姫」

2012年05月13日 | オペラ
2010年のトリノ王立で、同じくマシューとの共演を観た者として、ちょっと残念な出来でした。
デセイが病み上がりで本調子でない事はすぐに分かりました。インターミッションのヴォイトのインタビューにも「高音を外してごめんなさい」と謝っていましたが、所々で声のかすれが見受けられました。すっぴんノーメイク?も微妙に印象に影響を与えていたかも知れませんね。病弱なヴィオレッタにはいいのでしょうが第1幕の社交界の花を演じる時は、もっとキラキラして欲しかったと思います。

それに対してマシューとディミは良く好演していたと思います。
マシューは何カ所か息の支えが弱くて声がふらつくところも見受けられましたが、軟弱なぼんぼん役をリリックな声で良く演じていましたね。印象的にはトリノ王立の時よりも余良かったかな?

ディミは流石でしたが、デセイが不調なのでバランスとしてもう少し控え目が良かったと思います。この辺はトリノ王立の時のジェルモンはデセイのご主人のローラン・ナウリで、最後の3重唱の時はデセイに配慮して控え目に歌っていたような気がしますが、今回は全編を通してディミの声量が目立ちすぎ(汗;

と、デセイの不調ばかりが目立ちましたが、何と言っても最後までヴィリー・デッカーの演出が馴染めませんでした。社交界の華やかさ、郊外での二人の生活、そして社交界に復帰・・そんな場面の転換が小道具だけで演出され、衣装の変化も少なく・・・???

昨日が上映の初日なのでネット上での評価がまだ見えませんが、これからどんな批評が展開されるのか、しばらくはブログをウォッチですね。

誰か「原発」について本当の事を教えて下さい!

2012年05月10日 | もろもろ
■原発停止して本当にエネルギーは賄えるんですか?

原発が全て止まりました。関電はこの夏を乗り切れないと言っています。反対派の人たちは政府や関係省庁及び電力会社の報告は嘘で、火力やLNG等をフル稼働して節電すれば大丈夫だという。どっちが本当ですか?

■原発を止めて経済は大丈夫ですか?

産業界はエライこっちゃ!と言ってます。原子力に替わる代替燃料費が嵩んで電気料金が値上がりし、国民生活だけでなく国内の産業に甚大な被害が及び、空洞化が進むと言ってます。この点に関して反対派の人たちの意見はあまり聞こえてこないんですが、再生可能エネルギーへのシフトが新たな経済成長を生む・・なんて話が聞こえますが、本当に原発停止のダメージを埋め合わすことが出来るんですか?

新聞見ても、ニュース聞いても、一体何が本当なのか分かりません。

誰か分かる人、僕が納得出来るよう説明してくれませんか?

MET LiveHDの勧め

2012年05月06日 | オペラ
すっかりご無沙汰ですm(_~_)m

GWは如何お過ごしでしたでしょうか? 私は3日~6日までの4日間。3日は磐田ららぽーとで映画「HOME 愛しの座敷わらし」をみてほんのり(^^ 4日は庭掃除と窓ガラス拭き、ゴーヤの植え付けで1日終わり。そして昨日5日は新宿ピカデリーでMET LiveHDでネトレプコの「マノン」を観てきました。今シーズンも残すところナタリー・デセイの「椿姫」だけです。来シーズンは秋からですが、ヴェルディイヤーとあって好きなタイトルが目白押しです。

さて「マノン」。2011年秋の英国ロイヤルオペラの来日公演で、同じロラン・ペリーの演出でネトレプコを観たので、2度目です。もちろん脇も違いますしオケもマエストロも違いますが、舞台装置も衣装もプリマも同じです。相変わらずネトレプコはネトレプコで、2年前に比べて体格が立派になって以前のセクシーさとは少し違って豊満というか円熟というか(笑)でも相変わらず素敵です。1幕のぽっと出の田舎娘の場面では、ゴージャスさが少し裏目に出ちゃって”あれ?”って感じがしないでもないけど・・(w

マノンといえばネトレプコ、ネトレプコといえばマノンでしたが、今期METのオープニングの「アンナ・ボレーナ」を観てしまった後では、勿論マノンも素晴らしかったのですが、アンナ・ボレーナに比べて・・・まあどちらも凄い高いレベルの話なんですが・・やはり軍配はアンナ・ボレーナ(笑)

2年前は「生」で、今回はスクリーン。確かに音楽としては生が一番ですが、オペラグラスでマノンを追いながら字幕にも目を配り、多重唱では相手役にも視線を移し・・と忙しい想いをしなくてもいいのでじっくりオペラを楽しめます。目の移動が少ないという身体的な負担がありませんから心からオペラに入り込めます。東京文化会館の窮屈な座席に比べてゆったりしたハイバックシート、ゆったり足も組めるし、しかも前下がりなので前席のお客の頭が視界に入らないといい事ずくめなんですが・・。

ただ・・映画館ということで飲食が出来たり、お気軽に観に来られているからか観客のマナーはイマイチです。上映中でもガサゴソと探し物をするご婦人がいたかと思えが、どこからか揚げ物の匂いがしてきたり(爆)

まあ、そんな事を差し引いてもシアターで観るライブ映像は素晴らしく、5万円の「生」と3500円のライブ録画を比べちゃうと圧倒的なコストパフォーマンス!

まあ、METは5~6年に一度の来日ですから、次の来日にも生の舞台を大枚叩いて観ることになると思いますが、ちょっとした欧州の引っ越し公演は、よほど好きな歌手とかでないと大金を払う気がしなくなってきました。なんたって家内と二人で10万ちかく掛かるんですからね(汗;

って訳で、来シーズンはともかく、今年の最後のタイトル「椿姫」もオススメですし、今回は特別にワーグナーの「リング」4部作が一気に再上映されますので、ワーグナー好きにはビッグチャンスです。リングは前々回のMET来日の際、ドミンゴ目当てで「ワルキューレ」を観たのですが、当時はミーハー感覚でオペラを見ていたので、ちっとも面白くなく(汗;)・・何故かというとワルキューレは「リング」の第2話で、全体が解っていない上にいきなり2話だけ見たものですからストーリーが分けわかんなくて・・

今回はディアゴスティー二・オペラコレクションのDVDでしっかり予習した上でリング4部作に挑戦です(^^