al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

【MET】ラ・ボエーム千秋楽

2011年06月22日 | オペラ
忘れないうちに書いておかないと(汗;

前日の「ドン・カルロ」の余韻も冷めやらない翌日曜の夜、同じNHKホールでの同じ席(笑)厳密には中央寄りに1席ズレましたが・・・


キャストの変更をおさらいしておきましょう。
ミミ:アンナ・ネトレプコ→バルバラ・フリットリ
ルドルフォ:ジョセフ・カレーヤ→マルセロ・アルバレス

昨年の英国王立歌劇場の「マノン」以来、すっかりネトレプコに魅了されて、生のミミを観てみたい(スクリーンではヴィラゾンとの共演を観ていますが)のと、パヴァロッティの後継者と言われているカレーヤが」お目当てだったのですが、残念ながら二人ともキャンセルです。ああ、ペチャワの日を選べば良かった・・とか、こんな事ならダムラウの「ルチア」にすれば良かった・・などと後悔しきり・・。でも日程的にペチャワの出演日は無理だったし、家内と二人で既に2演目なので、「ルチア」最終日の当日券までは・・・。今となっては、あまりのダムラウの評判に、無理しても当日券で飛び込めばよかったと・・(滝汗;

まあ、そんな心を揺れ動かしながら会場へ。あれ?客足が悪いね・・開演直前なのに空席が目立ちます。やはりネトレプコ目当ての客がドタキャンしたんでしょうか・・勿体無い(笑)

幕が開きます。何となく始まっちゃうこのオペラ(笑)ボエームのタイトル通りボヘミアンの日常を描くヴェリズモオペラ。同居する4人の男達はみなくすんだ灰茶系の衣装で2階最後列からは肉眼では判別できない(汗;
オペラグラスで確認して、後は声で(笑)

アルバレスは・・・イケメンながら肥えたし髭ずらだし・・・。歌い方がちょびっと大袈裟だなあ、もう少し自然体だとイイんだけど。俺はイイ男だ!いい声だろ?上手いだろ?って感じ。ジェラシーか(汗;

フリットリは流石でしたね。ネトレプコよりも清楚な感じで役柄には似合ってるかも。ネトレプコはゴージャス過ぎる(w
最後の死を迎える場面のアリアは・・・涙モノでした。息を引き取る際のピアニッシモ・・消え入りそうな声が、ちゃんと2階最後列まで届きます。ホンマもんのベルカントの響きです。

そうそう、ムゼッタのスザンナ・フィリップス、なかなかでした。可愛いし・・ファンになりそう(笑)欲を言えばもう少し艶っぽければ・・。

ゼッフィレッリの演出は、それはもう。パリのカフェの場面の賑わいの演出は・・それはもう・・・(溜息;

こうして年に一度のお楽しみの引越しオペラ、しかも5年ぶりのメトロポリタンな週末が終わりました。大震災、原発事故、そして放射能・・様々なハードルを乗り越えて開催されたMET日本公演。大幅なキャスト変更に失望したファンも多かったと思いますが、ヴァカンスを返上して来日してくれたアーティストの皆さん、そして最後まで調整に苦労されたジャパン・アーツにも感謝したいと思います。