受法寺本堂建築誌

伝統木造工法により建築中です

木工事

2006年12月14日 | Weblog
木工事は、本格的な本堂建築の様式に則り、造作されています。

外陣の天井は豪放感のある格(ごう)天井で、照明・空調設備が埋設されています。

内陣は一段と手の込んだ折上(おりあげ)格天井で、仏さまの浄土を現すにふさわしい、気品のある空間です。

「受法寺報 8号」より

左官工事

2006年12月14日 | Weblog
本堂の壁は昔ながらの土佐漆喰塗り。

土壁の芯となるのは竹小舞。職人さんが竹を小さく割り、縦横に編んでいきます。

荒壁・中塗り・漆喰塗りと何度も塗り重ねます。外気の乾湿の変化を肌で感じながら、職人独特の勘を働かせ、七ヵ月もかけて作業を進めました。

土佐漆喰はよく木造建築に調和し、調湿効果があって、有害なガスを放出せず、自然にやさしい材料です。

「受法寺報 8号」より

屋根工事

2006年12月13日 | Weblog
屋根工事は、先ず野地板の上に、防水のアスファルトルーフィング。そして使用される瓦は、「飛鳥二号」という丸瓦と平瓦が一体となったもので、土を使わずに桟に止めていきました。

遠くから見ると、周囲の平瓦の住宅に交じってお寺らしい重厚感のある本瓦風の屋根が際立っています。         

棟端瓦(鬼瓦)裏面には、住職が本願寺のスローガン「念仏の声を 世界に 子や孫に」、副住職が新しく採用された「ともに いのちかがやく 世界へ」と願文を刻み入れました。

大棟・降棟は、伝統の技により、大空に向かって反りあがっています。曲線美を描く反り屋根は、また仏さまの威厳を現し、後光がさしているかのような感じさえします。

屋根の先端にある軒丸瓦の先についている円形の部分を瓦当(がとう)といい、色々な紋を選ぶことができます。デザインとして品がよく、仏教と縁がある複弁蓮華文軒丸瓦にしました。

「受法寺報 8号」より

耐震構造 

2006年12月13日 | Weblog
先に発行された「受法寺報 8号」に、これまでの工事を振り返った記事を掲載しました。
そこで、これまで載せなかった写真も入れて更新します。


耐震構造 
  
6月23日には、建築世話人や一般門信徒と工事関係者ともども、順調に工事が進んでいることを喜び、仏さまに感謝する上棟式を行いました。

続けての見学会では、伝統工法の大きな柱や梁が、縦横に組み合わされている様子を見て頂きました。

受法寺本堂は、これから起こるとされる南海大地震にも耐えられるように、地盤改良と基礎工事を施し、緻密な構造計算の上、揺れを吸収する仕口ダンパーも取り付けています。

「受法寺報 8号」より

パソコン法話

2006年12月12日 | Weblog
毎朝のおつとめの正信偈・住職法話の後、本願寺ホームページのラジオ法話「みほとけとともに」をお参りのご門徒と共に、聞けるようになりました。

庫裏の仮御堂では、無線LANによりノートパソコンのスピーカーから直接聞いていました。

本堂外陣には、電源コンセント・LANポート・音声入力端子を用意しています。

今日は、まだ有線の環境が整っていないので、無線LANでノートパソコンから音声を出力し、堂内のスピーカで、明瞭に法話を聞くことが出来ました。

工事もほぼ終了していますので、仮設トイレ・車庫を利用した現場事務所の撤去をしました。

玄関棟窓

2006年12月11日 | Weblog
玄関から入って、正面に窓をいれました。

高い位置に窓を設けると、コンクリート擁壁が目に入りますので、低く抑えています。

一枚のガラスをはめ込み、窓枠が遮ることなく、庭を広く見えるようにしてあります。

左官工事終了

2006年12月08日 | Weblog
最後に残っていた玄関棟の左官工事が、終了しました。

本堂は竹小舞に土壁をつけてましたが、玄関棟はラスボードに土佐漆喰仕上げです。

吸湿性は土壁に比べては、ゆるやかになります。

壁工事は近年は経済性ばかり優先されてボードやクロスを貼り、左官工事は手間がかかるので避けられることが多くなりました。

しかし左官の仕事は、環境にやさしく、住む人の健康に悪い影響は与えることなく、年数を経ても美しさを保ちますので、もっと見直されても良いと思います。

照明・音響

2006年12月06日 | Weblog
外陣と内陣の照明・音響は、内陣外陣を襖を開けると見通せる物入れの一室を、調整室として利用しています。

本堂全体の電気使用量の子メーター、分電盤、スイッチ、外陣エアコンコントローラ、内陣外陣の照明スイッチと音響設備を入れています。

照明では、全体照明は格天井に組み込んだ蛍光灯ですが、外陣壁面の行灯風の照明・内陣荘厳・外陣調声人席・講師用・両脇壇・両余間のダウンライトが局所を照らし出して、雰囲気が良くなりました。

音響は、厨房・衆会所に埋め込みスピーカーを入れ、外陣格天井は埋め込むのは勿体無いので中止に。

内陣から箱型スピーカーを外陣に向ける計画ですが、今回の工事では欄間・翆簾が入っていないので、25年前に車用に買ったBOSEの101(スピーカーユニットは10年前に交換)を既存の5CHのAVアンプと共に使用しましたが、良くなっていました。

マイクは、ワイヤレスピンマイクとダイナミックマイクを使用。

ワイヤレスマイクのアンテナは、1台でも充分に思われますが、2台無いと途切れることがあるようです。

雨水枡

2006年12月05日 | Weblog
今日から、再び玄関棟の漆喰壁塗りが続きます。

先に雨水受けとして枡を造ってありまたが、「本淡路石」という玉石を入れています。

樋から下がっているクサリを、下まで降ろすと引っ張る人があって、引きちぎられる恐れがあって、途中までにと思っていましたが、きれいなものが出来ましたので、雨水枡に取り付けています。

水を流すと、枡の中で音が反響して、水琴窟のような風情があります。