テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

連載:星空観望のお勧め 05

2012-05-24 20:06:24 | 連載:星空観望のお勧め
前回までは星空観望の、主にTPO的な事柄についてお話ししました。
これからはTool&Techniqueに関しての話題を暫く続けます。
ヒトの目の光学的な機能はさほど優秀なモノではありません。盛大に歪み、収差があり、解像度不足です。
網膜上に投影された映像情報は脳が補正、強調、切り捨てすることで、比類ない性能を発揮しています。

星空観望では、暗く小さく微かな光点を見きわめることが主になってくるのですが、虹彩の光量調節機能、と、網膜の視細胞の桿体の働きが重要になります。暗いところに目が慣れる”暗順応”には、30分から一時間が必要です。

自宅からのお手軽観望でも、遠征地での本格観望でも、充分に暗順応した目とそうでない目では、見える星空がかなり違ってきます。特に、自宅や、都会の光害地近隣での観望では、より深く暗順応し、またその状態を損なわずに維持することが、星空観望の成果をかなり左右します。視界の端の街灯や道路の照明、車やバイクのヘッドランプを直接見ないことが重要です。
また、星図を見たり、機器を調整したり、諸々の作業をする場合、暗順応を損ないにくい赤い照明を使う必要があります、必須ツールのひとつ、赤い懐中電灯です。映画館や、プラネタリウムの足下の補助照明に使ってあったりもする赤い照明ですが、あまり明るい必要は無くて、赤い砲弾LEDや、赤いセロファンで覆った通常の懐中電灯、ヘッドライトでもOKで、暗く光量を絞れる機能があれば尚更使いやすいと思います。いまワタシが画策しているのは、光害地で、周囲の様々な強めの光源の影響を排除できるよう、赤いクリヤーの保護メガネを自作して、利用することです。また、着色していない視界が必要な観測機器をのぞく際には、ツノ型の見口や、冠布を使って、余計な光を目に入れないようにすると、これも一層効果的です。

要は、TPOの如何にかかわらず、充分に暗闇になれた目そのものが、一番必要なツールだと云うことなのです。


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