楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

海野十三の「ふしぎ国探検」

2016-12-17 21:37:44 | 
本日読書会で、引き続き岡田みゆきの作品が課題図書だったのですが、「タヒラの人々」と思い込んでおりましたら、このタイトルの短編集の中の「実験観察記録」だったんですね。
帰宅して読んだんですが、超短編ながら、ちょっとショッキングな内容で、気持ちの整理してから、後日感想などカキコしたいと思います。
で、恒例の海野の調査票の方でお茶濁します。

初出 「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号

収録本 「海野十三全集 第12巻 超人間X号」三一書房 1990(平成2)年8月15日第1版第1刷発行

時代設定 発表時と同時代程度

作品舞台

ポーデル博士の案内により少年東助と少女ヒトミが原子から宇宙の世界までさまざまな不思議な空間を旅する物語である

登場人物 ・ポーデル博士 ・少年東助 ・少女ヒトミ

あらすじ

夏休みの宿題のために野原に出かけていた東助とヒトミは樽のような飛行物体から現れたポーデル博士と名乗る不思議な人物からさまざまな冒険の世界へ案内される。
SFの題材として思いつくあらゆる可能性の世界を惜しげもなく散りばめてまるで万華鏡の旅のようである。
例えば、時間の進行を調節して植物がまるで人間にように動き回る世界をかわきりに、透明人間、原子爆弾をテーマに蝿に語らせる地球の未来像、無重力および重力が過度に働く世界、あるいはインチキ霊媒師のトリックを解説したり、四次元世界やミクロ世界、海底王国やはたまた永久機関の話、そして銀河の姿まで詰め込みすぎと思われるほど不思議な冒険の世界がぎっしりと詰まったおもちゃ箱のような物語が展開される。

みどころ

それぞれをオムニバス形式で括っているが、全体像として関連があるわけではなく、ひとつ、ひとつがそのテーマで作品が語れる短編の寄せ集めである。SFの祖と呼ばれるに相応しい、アイデアの宝庫集といっても過言ではない。ジュブナイルものではあるが、多分、作者も大いに楽しみながら筆を進めたであろうことが伺えるSF娯楽小説である。

「海底王国」では作品を書いた昭和22年からおよそ20年後との設定なのだが、ずいぶん科学の発達した世界が描かれている。
多分、根拠のある数字ではなく、適当な設定だとは思うが、そもそも全能的な印象を受けるポーデル博士がいったい何者なのかまったく説明はされておらず、ざっくりと宇宙人かしらんという程度のいい加減さが全編貫かれてますから、そこら辺気にするのが当たらないということになります。
コメント
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