パリでデモ 5万人参加
フランスの首都パリで21日、気候対策と社会公正、反核平和を求めるデモが行われ、主催者発表で5万人が参加しました。
21日は気候行動週間の2日目で、同時に国連が定めた国際平和デー。関連の運動体である気候マーチや平和行進に加えて、社会公正を求めて活動する黄色いベストなどがデモを呼びかけました。
オープニング集会で平和行進代表は、「気候と平和はどちらも地球と人類を守るために不可欠」であり、「核兵器や軍備に使う膨大な資金を、気候対策や社会公正に使うべきだ」と述べました。また、森林破壊で被害を受ける南米アマゾンの先住民の代表や温暖化による水害が深刻なバングラデシュの代表は、諸政府が緊急に対策を取るように訴えました。
参加者は、「われわれはここにいる。マクロン(大統領)が望まなくてもここにいる。労働者の尊厳とよりよい世界のために」と黄色いベスト運動の歌をうたったり、それぞれの運動のスローガンを唱和したりしながら、自らの思いを書いた色とりどりのプラカードや横断幕を掲げて、ゆっくりと平和的に行進しました。
「気候ではなくシステムを変えよう」と車体に書かれた人力ペダル駆動のエコカーや、温暖化で影響を受ける蜂の巨大な張りぼてなども登場しました。
途中、黄色いベスト運動などに紛れる破壊集団の暴力と治安部隊の催涙ガスにより、デモは解散状態になりました。
気候スト「正当な欠席」
― イタリヤ教育相が校長に書簡
イタリアのフィオラモンティ教育・大学・研究相は23日、地球温暖化対策の強化を求めて27日に実施予定の「学校ストライキ」に参加する高校生や大学生について、「正当な欠席」として扱うよう呼び掛ける書簡を全国の校長や地方教育機関の責任者に宛てて送りました。
国連気候行動サミットを挟んで20日から世界中で取り組まれている行動の最終日にあたる27日、イタリアでも高校生や大学生が「未来のための金曜日」の学校ストを準備しています。
同教育相は、書簡を公表したフェイスブックで、学校ストは「子どもたちの未来にとって不可欠だ」と強調。「子どもたちの未来は環境破壊と持続不可能な経済発展モデルによって危険にさらされている」と述べて、ストに理解を示しました。
ただ「正当な欠席」扱いにするかどうかは、各学校の自主性を尊重する姿勢です。
これに先立って同教育相は、20~27日にかけての1週間は授業で気候変動について議論する機会を持つよう呼び掛ける書簡も校長らに送付。書簡は、気候変動対策の提案を寄せるよう高校生らに促し、「こうした取り組みは私たちにとって最も重要な授業になる」と強調しました。