日本共産党の志位和夫委員長が1日の記者会見で、総選挙の結果について次のように表明しました。
まず、日本共産党を支持してくださった有権者のみなさん、コロナ危機のもと、大奮闘していただいた支持者、後援会員・サポーター、党員のみなさんに、心からの感謝を申し上げます。
野党共闘の効果と課題について
日本共産党は、今度の総選挙で、「野党共闘で政権交代を始めよう」と力いっぱい訴えてたたかいました。自公政権の継続を許したのは残念ですが、このたたかいは、最初のチャレンジとして大きな歴史的意義があったと確信するものです。
この選挙での野党共闘は、共通政策、政権協力の合意という大義を掲げてたたかったものであり、一定の効果をあげたことは間違いないと思います。それは全国62の選挙区で野党で一本化をはかった候補が激戦に競り勝ち、何人もの自民党の重鎮、有力候補を落選させたことにも示されました。全国各地で、たたかいの現場から、心が通う共闘がとりくまれ、多くの新しい連帯の絆が広がったことも、今後に生きる大きな財産だと実感しています。
同時に、野党共闘は、今後の課題も残しました。とくに、野党が力をあわせて、共通政策、政権協力の合意という共闘の大義、共闘の魅力を、さまざまな攻撃を打ち破って、広い国民に伝えきるという点で、十分とは言えなかったと思います。共闘の大義・魅力を伝えきれなかったことが、維新の会という自公の補完勢力の伸長という事態を招いた一因にもなりました。
国民の声を聞かない自民・公明の政治がいつまでも続いていいわけがありません。日本の政治を変える道は共闘しかありません。わが党は、共闘の道を揺るがずに発展させるために引き続き力をつくします。他の野党のみなさん、市民連合のみなさんともよく話し合って、総選挙のたたかいから教訓を引き出し、市民と野党の共闘を発展させるために、全力をあげる決意を表明するものです。
日本共産党の結果について
日本共産党の結果は、まず、沖縄1区で赤嶺政賢さんの宝の議席を守り抜いたことは、「オール沖縄」の底力を発揮した、大きな勝利です。
比例代表で、前回獲得した11議席から9議席に後退したことは、たいへん残念な結果です。得票は、440万票から416万票へ、得票率は7・90%から7・25%への後退となりました。コロナ危機のもと、全国の支持者、後援会員、サポーター、党員のみなさんに懸命の奮闘をしていただきましたが、それを結果に結び付けられなかったのは、わが党の力不足によるものだと考えます。
私たちは、この間、昨年の党大会決定にもとづいて、党の自力をつける活動、世代的継承の活動にとりくんできましたが、このとりくみは途上にあります。自力をつける活動を必ず成功させ、次の機会で必ず捲土(けんど)重来を期したいと固く決意しているところです。
政策的な訴えの意義について
選挙戦の訴えでわが党は、コロナから命と暮らしをまもる政策的提案、自公政治からの「四つのチェンジ」――新自由主義を終わらせ命・暮らし最優先の政治、気候危機を打開する政治、ジェンダー平等・日本、憲法9条を生かした平和外交――を訴えぬきました。どの訴えも、国民の利益にかない、声が届いたところでは共感を広げたという手ごたえを感じています。
とくに、暮らし、平和の問題とともに、気候危機打開、ジェンダー平等という新しい世界と日本の大問題を、選挙戦の大きな争点に位置づけて、訴えぬいたことは、若い方々を含めてこれまでにない新しい方々への共感を広げ、重要な意義があったと確信するものです。総選挙の訴えにとどまらず、今後の国政選挙でも、国民運動の面でも、大いに重視してとりくみを発展させたいと考えています。
総選挙で掲げた公約実現のために、ただちに足を踏み出し、全力をあげて奮闘する決意です。
日本共産党10議席
野党一本化 62選挙区で勝利
第49回総選挙の全議席が1日、確定し、日本共産党(公示前12議席)は比例代表で9議席、小選挙区では「オール沖縄」でたたかった赤嶺政賢氏が沖縄1区で勝利し、10議席を獲得しました。政権交代に挑んだ市民と野党の共闘が一定の効果を発揮し、野党で候補者を一本化した62の選挙区で与党候補に競り勝ちました。自民党は選挙後に無所属の2人を公認して261議席を得て、公示前276議席から後退したものの、単独で国会を安定的に運営するための「絶対安定多数」を維持しました。
日本共産党は、比例代表では、前回獲得した11議席(得票440万票、得票率7・90%)から9議席(得票416万票、得票率7・25%)へと後退する結果となりました。
今回の総選挙で日本共産党、立憲民主党、社会民主党、れいわ新選組の4野党は、市民連合と20項目の共通政策を結び、共産党と立民は政権公約でも合意し、「政権交代」をめざし協力・連携してたたかいました。全国289の小選挙区のうち214区で候補を一本化し、神奈川13区で自民党の甘利明幹事長が敗北したのをはじめ、自民党の重鎮や有力候補に野党候補が打ち勝つ選挙区が相次いで生まれました。
一方で、自公の補完勢力である「日本維新の会」が公示前11議席から41議席へと議席を伸ばしました。自民、公明と維新の改憲勢力は、改憲原案の国会発議に必要な衆院総定数の3分の2(310議席)以上を確保しました。
沖縄では、「オール沖縄」は、1区の赤嶺氏の議席を守り、2区の新垣邦男氏(社民党)が当選しましたが、3区と4区は及びませんでした。
比例代表で日本共産党は、東北ブロック(定数13)で高橋千鶴子氏が7選、北関東ブロック(同19)の塩川鉄也氏が8選、南関東ブロック(同22)の志位和夫委員長が10選を果たしました。東京ブロック(同17)で笠井亮氏が6選、宮本徹氏が3選、東海ブロック(同21)で本村伸子氏が3選。近畿ブロック(同28)で穀田恵二氏が10選、宮本岳志氏が5選、九州・沖縄ブロック(同20)で田村貴昭氏が3選を決めました。
— しんぶん赤旗より —