人であれば誰しも嘘をつきますよね。
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人は1日で10回から200回の嘘をつかれているという研究があります。確かにこれらの多くは他愛のない嘘でしょう。しかし、もう1つの研究では、知らない者同士が初めて会った最初の10分間には、嘘が3倍になるという結果が出ています。このデータを初めて聞くと、人は反動します。私たちは、どんなに嘘をつくことが広く行き渡っているかに驚くのです。私たちは本質的に嘘には反対です。しかしよく考えてみると、実は事態はますます興味深くなるのです。
私たちは同僚に嘘をつくよりも、知らない人に嘘をつくことの方が多いのです。
・外向的な人は、内向的な人より嘘をつくことが多いです。
・男性は他の人についての嘘をつくより、8倍も多くの自分についての嘘をつきます。
・女性は人を守るためにより多くの嘘をつきます。
・平均的な夫婦は、嘘をつく回数の10回に1回は妻・夫に向けられたものです。
多すぎると感じるかもしれません。でももし結婚していないカップルであれば、それは3回に1回という数字になるのです。<<
以上@『
「知能が高い人ほどウソをつく」 虚偽検出のプロが語った、”ウソ”の科学』より引用
先ほど
『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』という本を読み終えたところなんです。精読じゃないんですが(笑)
というのも、大雑把に言えば「嘘の見抜くには」どうすればいいかについて調べていたからなんです。
誤解しないでほしいのは、まさか本気で相手の嘘を確かな精度で見抜けるような
人間嘘発見器になりたいだなんて思っちゃいません(笑)
とはいえ、相手の嘘や隠し事が分かるメリットは誰もが羨むだろうことは間違いないと思いますし、自分もそう感じるうちの一人です。
先に挙げた本の著者はタイトルにもある通り、主にしぐさから嘘のサインを得ようとしています。いわゆる
ノンバーバル行動(non-verbal:非言語)をアテにしています。
心理学者のアルバート・メラビアン博士は、話し手が聞き手に与える影響がどのような要素で形成されるか測定しました。 その結果、話し手の印象を決めるのは、「言葉以外の非言語的な要素で、なんと93%の印象が決まってしまう」ということがわかりました。
・視覚情報 (Visual)- 見た目・身だしなみ・しぐさ・表情・視線 ... 55%
・聴覚情報 (Vocal) - 声の質(高低)・速さ・大きさ・テンポ ... 38%
・言語情報 (Verbal)- 話す言葉そのものの意味 ... 7%
※(
「メラビアンの法則」「7-38-55のルール」「3Vの法則」より)
注釈。メディアで取り上げられた際に知っている人もいるかもしれませんが、この法則については俗流解釈によってこの法則から「見た目が一番重要」あるいは「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」という結論が導き出されており、それはいわゆる
通俗心理学と呼ばれるもの。俗という漢字が使われている理由もそこにある通り、データや根拠が希薄で実証性に乏しいからであると思われます。
はてさて今回の投稿は、ノンバーバル行動から対象者の心理状態を推測する時の『コツ』を、僕が情報を収集した限りで執筆しようと思った次第であります。
本にすれば数百ページあり、参考にしたネット上の記事を集めればシート何枚分あんだよといった情報量なのでカリスマ作家でもなければ企業の運営者でもない庶民の私めなんぞに質を保ったままダウンサイジングを図るだなんて大層なことはとても敵いませぬのでそのへんは悪しからず。
えーと、コツねコツ。
コツっていうか、要するに「
防衛反応」だと思うんですよ。
それはFBI捜査官さん曰く「
3つの"F"の反応」というものでありんす。
3つのFというのはある言葉の頭文字でありんす。
・Freeze 固まる
・Flight 逃げる
・Fight 戦う
何かしらの危機と対面した時、あるいは危険の訪れを察知した時に人は3つのFの行動を取ります。
大きな自然災害に見舞われる場合も同じですが、現代社会における人間同士のコミュニケーションの際にもFを見ることができます。
それはどんな時か。
分かりやすい例で言えば、取調室で実際は犯人だが無罪を主張する容疑者が尋問者に対し徹底して黙秘し続けようとする時です。
つまり隠し事をしている、嘘をついている時のことです。
尋問者が、決定的な物的証拠を容疑者に見せつければ彼は、
死んだフリが得意で有名な
オポッサムのように固まるでしょう。なぜなら彼にとって圧倒的な危機が今その瞬間に迫ったからです。これがフリーズです。
では、このフリーズをどう用いれば対象者の心理状態のヒントを得られるのか。
難しいことはありません。人がじっとしている時というのは実際ピクリとも動かないなんてことは日常に早々ないので、ふいに身体の動きや作業や食事や会話が途中で止まればその前後の状況が対象者にとって無視できないものがあったということです。
例えば、歩きながらしていた電話相手から身近な人に事故があったことを告げられれば足が止まる筈です。
次は「フライト:逃げる」ですね。
なにから逃げるのでしょう?今回の場合は嘘や隠し事が明らかになるかもしれない状況から、です。嘘吐きにとってはそれは立派な危機であるということです。
しかし逃げると言っても襲い来る火の手や大波や猛獣から逃げるように背を向けて走り出すのではなく、嘘をつく場合や隠し事をしたい場合なのであくまで相手に怪しまれないようにするためにはふいに立ちあがって全速力で駆け出すような真似はできません。
ではそういう場合に嘘吐きはどうするのか。急に話題を変更するわけにもいかないのでとりあえずは平然を装い続けます。しかしこの平然というのは嘘吐きの精神にとってその時の精神は大変なストレスを感じているわけです。
嘘吐きは一刻も早くその状況から解放されたい。その思いがしぐさに現れます。
無意識に出口を向くつま先やストレスを和らげるために何かに触れる手などがそれです。他にも、好意的ではない相手から遠ざかったり、いつでも立ちあがってその場を離れられる姿勢をつくろうとします。
僕が得た限りの情報によれば他にも色々ありますがとりあえず割愛を。
次は「ファイト:戦う」ですね。
人命を脅かすような脅威に直面した時、例えばそれが殴りかかってくる暴漢だった場合。
とりあえず自分の身を守るなら優先されるのは首から上・内蔵・局部でしょうが、今回の脅威は暴力ではありません。しかし、無意識に守ろうとしてしまうのが生物の天性、とはいえ人前で突然しゃがみこんで両手で頭を抱えるわけにはいきません。
嘘がバレそうになったからといって突然そんな行動をとろうものなら、嘘吐きの前に不審者というレッテルを貼られかねません。
常識人である嘘吐きが、嘘が暴かれる可能性という脅威に対してとってしまう反応の多くは内蔵の防御です。
バッグやクッションを胸の前で抱える、警戒対象の正面に対して身を逸らす、相手との間に物を置くなどして垣根を作ろうとする、組んだ膝の頭を両手で抱える、などなど。
少し長くなってしまいましたが、防衛反応というのはそんな感じです。
どのへんがコツかと言えば、僕が思うに考えてみれば簡単なことという話なんです。
要は、「嘘が暴かれる可能性」を「暴漢や猛獣や迫る大波」に置き換えれば分かりやすいかと思います。
自分がそういった脅威や危険を目の前にしたらどういう行動をとりますか?
そりゃもう固まっちゃうだろうし、逃げようとするだろうし、守ろうとしますよね?
では観察対象(嘘吐き)の精神状態のうち何を知ればそれがヒントになるのか。
身体全体かあるいはどこかしらが強張っていたり無意識に身を逸らしたり膝を閉じたり距離を取っていれば、それは守りたい時や逃げたい時の
戦闘態勢である。つまり対象へ
警戒心・不快・不安を抱いていることが分かる。
嘘を暴く目的じゃない場合でもこのノンバーバル言語が有力であることは明白である。それも極めて簡単な話で、防衛反応とは反対に考えればいいだけの話である。
対象が好意を抱いていればその場に留まろうとする。立ち話の最中であれば足を交差させたりする。喫茶店などであれば、その場からすぐには逃げだせない姿勢をとる。好意やリラックスに比例して身体から力を抜いてより姿勢を崩す。または組んだ足の片方をぶらぶらと浮かせたりする。
つまり、
無防備な姿勢をとるのは相手に対し警戒を抱いていないというサイン。当然、臓器を守る必要なんてないので身体は相手の正面を向いて開く。警戒していないので相手との距離は好意の強さに比例して近付く。相手や状況に対して快く感じている場合は、サインの針が戦闘態勢から無防備に傾く。
まとめてみましょう。
負のサインは
・閉じる(肩や膝や足)
・力む、強張る
・逃げようとする
・素早く逃げる場合に適した姿勢をとる(実際逃げないけど)
・避ける
・ストレスを和らげようとする
・落ち着かなくなる
正のサインは
・開く
・脱力する、広がる
・留まろうとする
・近付こうとする
・相手を模倣する
まとめとは言ったものの、おそらく初めて聞くであろうものも書いちゃいましたw
この記事全体を通して、観察対象は嘘吐きに統一してきましたが実際は誰に置き換えても構わないと思います。
嘘をついてるかもしれない人、自分のことやあの人のことを嫌い或いは好きかもしれない人。どんな人にせよ、よほど素直な人でもない限り本心を隠す必要がある場面はいくらでもあるでしょう。
そんな人達の気持ちを静かに察して物事を良い方向へと導くための力になれればと思います。
以下、嘘を見抜く際に意識すべきことらしいです。
・対象の好意や嘘、隠し事の有無を探る場合に必要なことは「よく観察すること」。
・対象の「正の反応」、「負の反応」、「零の反応」いずれかの「基準をもつこと」。
・対象の「反応の癖」を知ること。
・人のしぐさや言葉遣いに現れる心境のサインは、瞬間的であったり本当に僅かである場合が多く誤診に繋がることも珍しくないので過度に信頼することは危険である。
ちなみにまま引用ではなく俺氏の言葉でありんす。ここで言う「零の反応」というのは平常時のことを指します。戦闘態勢と無防備の中間のことです。