老いていくということ

2年ぶりに　法事で兄弟が集まった。長兄は88歳。

引揚げてくるときも　戦後のカオスの時代も母と一緒になって　中学生ながら　家族を守ってくれた長兄だった。本当にしっかりした兄だった。

私が結婚して家を出てからは　接することはまれになり　母が亡くなった14年前からはもっと会うことがなくなった。

私は聞こえなくなって　たとえ兄妹で会っても　話をするチャンスはできるだけ避けようとしてきた。補聴器を使って話をするのも　嫌だったし　え？　と聞きなおすのも　嫌だったから。

先日は　長兄から話しかけてきた。　孫君は　何年生になったの？　2年です。
その10秒後　孫君は何年生？　え？　と思った。今　言ったばかりなのに。
2年になりました。とさりげなく答え　素早く兄のそばを離れた。

そして兄の姿を観察した。　
太り気味な兄だったが　一回りも二回りも小さくなって　スーツがぶかぶかだった。

確信はないが　認知症の初期ではないだろうか。姉に聞こうと思ったがやめた。
聞いたところで　どうにかなるわけではないし　もうすぐ　90歳なら　当然の老い方かもしれない。夫も　7~8年後にはそうなるのかもしれないし…・じたばたしてもどうにもならないことだものね。

私自身も認知症だけは避けたいと思って　必死に努力している。
記録すること。計算すること。本を読むこと。いう言葉を忘れたら　思い出すまで考えること。

この中で一番効果があると思えるのは　記録することだろうと思う。記録したことを忘れたときでも何かのひょうしにに書いたものを見て　思い出すことが何回もあった。

また書くことにより自分の字の変化がわかる。親友の先生から5年前に来た年賀状に　びっくりしたことがある。学校一の能筆だったのに　来た年賀状はミミズの這ったとのような字だった。それから間もなく私のことがわからなくなり3年前に亡くなった。若年性認知症。

長兄も能筆。いまのところは　昔と同じ字なのが　ホッとするところだ。

なぜか図書館は すいているのだ

大型連休3日目なので　絶対混んでいると思って　いつもより早く行ったのだが　肩透かし。

いつもより　開館を待っている人が少ない。開館しても　やってくる人も少ない。
1時間たってもガラガラ。　ようやく12時ごろ　増えたかなあと　思っているが　それでもいつもの休日に比べると　少ない。

なんで？みんなどこ行っちゃったの？

我が家の3階の窓から見る道路は　3日前までは　7時ごろから長い渋滞。めったに起きないほどの渋滞が　4~5日続いていたね。みんなどこに行ったんだろう。

図書館内には　若い人はほとんどいなくて年配者ばかり。そういう私も年配者だが　みんな雑誌や新聞を一生懸命読んでいた。図書館が大型連休も開館してくれているのは本当に助かる。

我が子が小さいときは長い休みがあるときは　必ず4人で車に乗って遠隔地に旅に出かけていた。ほとんど日本中を回ったと思うが　40年前は　今のようには混んでいなかったね。

二人合わせて160歳の我が老夫婦は　図書館とジムとプールの往復で　連休は過ごそうと思っている。

だってどこも混んでいるし　レストランに入ると　待たせられ　おいしくなくて　値段ばっかり高価。混雑の中で転んだら致命傷だものね。

連休が終わり　みんなが引揚げたころ　ゆっくり行こうね　おとうちゃん。

　　

もう時間がないのです。

ジムとプールで会う人に　夫と二人で勝手に名前を付けている。

いちいち聞くわけにもいかず　ネームプレートをつけているわけでもないので　夫と二人で話しするときは　感じたままの様子を名前にしている。

ふとったひげずらの男性・・・でぶっちょ
きゃべつを切っているときに指を切ったひと・・・キャベツ
黒くて細い人・・・午房
バシャバシャ水をあげて歩く人・・・バシャバシャ
頭が半分はげて顔がへしゃげた人・・・平家蟹
いつもしゃべっている人・・・おしゃべり
メキシコ人のような人・・・メキシカン

私はプールに補聴器を持っていけないので　夫が　いろんな人とあいさつや　ちょっとした会話をしているらしい・

最近　メキシカンの顔色悪いねえ　というと　夫が彼と話したらしい。

メキシカン　どうも病気が重くて　今年いっぱい　持たないらしいよ。

えええーー？　どこが悪いの？　
肝臓がんで　医者が　入院しろっていうけど　入院するよりも　水中歩行をしたり　ジムで　軽い運動をしていて　体力の維持をしたほうが気がまぎれるから・とのこと。

確かに最近　腹部が大きくなってきていたし　肩が細くなってきたような気がする。プールで歩いた後　ジャグジーに30分ぐらい浸かっていて　体のあちこちを水流でマッサージをしているようだった。

家族はいるの？　いいや　聞かなかった。　そんなこと聞けないよ。そうだねえ。
気の毒だねえ。

いつも同じ時間に行くので　なんとなく仲間のような気がしている。何とか体力がついて　癌が消えないものかと　祈る気持ちだ。

夫が料理した

冷蔵庫の中に　みなれない魚のパックがあった。
おとうちゃん　お魚のパック買ってきたの？

うん　ためしてガッテンで　おいしい煮魚の作り方をやっていたから　ぼくもやってみようと思って買ってきたんだ。

まあ珍しい。彼が料理をする材料を買ってくるなんて”””

4:00
おもむろに鍋をだし　煮汁を回転させる落し蓋に代わるものなにかないかなあ

冷やしたそばの下に敷く竹のすのこがいいんじゃない？

10分後　できたよ　食べてみて！！

期待しないで　食べてみた。ふっくらしていて味がよく浸透している。
美味しいじゃない？　うん　おいしいね。

何もやらなかった人が80歳を超えて　料理をするとは。びっくりしたけど　これも老後の楽しみになるといいなあ　と思っている。

ふたりり合わせて160歳超えると　いつ片方が　体の自由が利かなくなるかもしれないのだ。買い物　料理は命にかかわる大事なこと。やれ　と言われると　抵抗があるだろうけど自分でやってみようと思うのは　いい傾向だと思う。

元々　はじめは　2年前の7月26日。プールから帰ってくるのが　私は彼より20分速い。
彼が帰ってきたら　すぐ食べられるようにと　野菜一杯の　ラーメンを作っておいたのに　その日は　12時を過ぎても帰ってこない。　ようやく帰ってきたと思ったら　水着やジムで使った衣類を　のそのそ片付けているので　思わず怒鳴ったね。

早くしてよ伸びちゃうでしょ！！！

言い方がきつかったのだろう　彼もくたびれていたのだろう。怒って　

もう僕の分は作らなくていい！！！　アッ　そう。
以後　ランチは別々に作ることになった。必要な材料は自分で買ってきて　のーんびり作っているらしい。

最近は　料理に少しづつ興味を持ってきたらしい。しかし　自分で作ったものを　私に食べさせることはなかった。　
きょうの煮魚で自信を持ったらしく　また　やりそうだ。いいことだね。

8020

8020あれば老後の歯の体制は合格と言われている。私は今　7823．
上が12本　下が11本。合計23本が自分の歯。本当は+2本なのだが　自転車に乗っていて突然飛び出してきた女の子をよけようとして転び　差し歯になったのだ。

その横の1本の横に　小さい虫食いがあることを　3か月健診に行ったとき　歯医者に言われ　この歯は　隣の歯とくっついているので　3本一緒に差し歯にしましょう　と言われたのが2月22日。

ようやく仮歯から本歯になり　いつもの歯並びになった。全くフェイクとは思えない　左右の歯と色も変わらない。硬いものをかんでも大丈夫ですよ　と言われた。保険がきくものは　5年もすると色が変わったり　かけたりするといわれたので　自費診療でやったが　正解だね。

うちに帰って夫の前で　歯をむき出して　二―――っと笑って見せた。　夫は私が歯医者に行ったことを知らなかったので　どうしたんだ　何か化粧品を変えたのか。

何言ってるのよ。私化粧品なんかつけてないじゃないか。　
どうしたんだ　腹が痛いのか？
おなかが痛いときは　おなかを抑えるでしょ？

はよ　は！！！

はよは　ってなんだ？　
まったく察しが悪いんだから。やっと本歯が入ったんだよ。

本歯？　ああそうか　歯が入ったのか。どれだ？

あててごらん。　大きく開けた口の中を覗き込み　下の前歯だ。

違うよ。上の右横の歯だ。　

違うよ。正面の上の歯3本だよ。
えーーーー？全然周りの歯と変わらないよ。

それを言われて　私はにんまり。医学の進歩ってすごいねえ。ちゃんとかんで食べる歯がないと老後悲惨なことになるから　おとうちゃん　歯には気をつけなさいよ。

おとうちゃんの歯　見せてごらん。と覗いてみたら　びっくり。
上下とも奥の歯の部分が隙間だらけ。
いつなくなったの？
ずううっと前だよ。
それでちゃんと食べられるの？
食べてるよ。おいしいよ。
歯　入れなさいよ。　
いいや　もう人前に立つこともないし　大口開けて話すこともないから　これで十分。痛い思いをして　歯医者に行くのはいやだよ。あと10年も生きられるわけじゃないし。という。