登山前の情報収集のために三瓶山を半時計周りに周回し、各登山口の積雪状況を確認するつもりでしたが、一部分の道路は除雪されておらず一周することはできませんでした。
でも、通行できる道路上には雪は無く快適に車を走らせる事ができます。
自分たちにできる冬山装備はできていると言う自負はありました。
アイゼンやピッケルまたはストックは持ってきていますし、念のためにスノーシューも持ってきている人も数人いました。
あとは実際に登ってからの状況判断です。
メンバーの中には山岳会の会長さんはじめ冬山登山の経験豊富なメンバーばかりです。
安全第一で、決して無理や無茶をする人はいません。
イザという時はキッパリと途中撤退することも辞さない、潔い方ばかりなのです。
宿舎に到着した日の夜は、やはり “前夜祭” となりました。
部屋に荷物を運び込むとすぐに温泉に直行で、部屋に戻るとすでに缶ビールから始まり各自持参した日本酒、ワイン、焼酎をホドホドに頂きました。
その後、食事会場でもアルコールを補給して皆さんはグッスリと眠りにつかれていたのでした。
しかし、私は明日の “冬山” に若干昂りを覚え、なかなか眠りにつくことができませんでした。
今更ながら自分の “繊細さ” を自覚することになったのでした。
どれくら眠ったか分かりません。
いつの間にか眠っていたようで、まだ暗いうちに会長さんがトイレに立たれたのをきっかけに、皆んな最終的な出発準備に取り掛かりました。
窓の外はまだ暗く、空模様は分かりませんでしたがスマホの天気予報では雨… 。
駐車場に停めてある車のフロントガラスには薄っすらと雪が張りついています。
前夜に宿舎で準備してくれたオニギリを食べ、午前7時には宿舎を出発しました。
その頃にはミゾレ混じりの雪は止んでいました。
除雪された道路を10分ほど歩いて登山口に着いた私たちは、急に雪深くなった登山道に立ったのでした。
前日かそれ以前のモノと思われる登山者のトレース(歩いた跡)があったので、それを辿って登って行きます。
そのトレースは30分も辿ると突然山の麓に向かって方向を変えていたのです。
そのトレースは30分も辿ると突然山の麓に向かって方向を変えていたのです。
その後は自分たちの足跡だけが降り積もった雪の上に刻まれていったのでした… 。