TANEの独り言

日々の生活の中でのつぶやきだから聞き流してネ

父の想い出<雪ウサギ>

2023-01-25 17:03:00 | 父の想い出
九州も今朝は銀世界でした。

空を見ると見事な青空です。



予報で伝えていたほど雪は積もっていませんでしたが、夜中にグッと冷えたのでしょう、道はカチンカチンに凍っていました。

南庭のデッキの上にも3cmくらい雪が積もっていました。



よく見ると、雪の上を細くて小さな足跡が横切っています。

こんな感じです。



可愛い小鳥のイタズラみたいに思えました。



積もった雪を見て、昔まだ私が小さかった頃の事を思い出しました。

今朝みたいに雪が積もった時に、父は積もった雪でウサギを作ってくれたのでした。

父は素手で雪を集めてはオムレツみたいに固めると、長い葉っぱを2枚耳に見立て、赤い南天の実をウサギの目に見立てて白い雪にはめ込んだのです。

そして、作った雪のウサギを大きめの皿に乗せて家の中に運んできました。

子どもの私は嬉しくて、その雪ウサギをずっと見ていました。

そんな事をふと思い出し、孫のために “雪ウサギ” を作ってやりたくなりました。

プラスチックの板でデッキの上の雪をかき集め、素手では冷たいので山用の手袋をして雪で大きなオムレツと小さなオムレツを作ります。

庭の杠の葉を4枚と南天の赤い実を4粒採ってきて、雪に埋め込みました。


ウサギの親子の出来上がりです。

















父の想い出<レンギョウ>

2022-03-08 21:55:00 | 父の想い出
昨日、植木市でレンギョウを手に入れ、早速庭に植えました。

我が家の庭にある草木は、どちらかと言うとピンクや赤い花が咲くモノが多いようです。

例えば、椿、花桃、花梨、コブシ等々… 。

レンギョウは黄色い花をこれから咲かせるとお店の方から聞き、購入を決めました。

我が家に着き、買ってきたレンギョウを植えながら気付いたことがありました。

レンギョウの幹の肌合いとあちこち伸びる枝の広がり方に見覚えがあったのです。


かつての我が家の庭は、ほとんど父が植える木を決めながら作り上げたものでした。

私も仕事がない日に石垣づくりを手伝ったり、植える木や笹を山まで採りに行ったこともありましたが、ほんの数日間関わった程度でした。

私も知らなかった事ですが、父は娘婿に頼んで庭づくりに使う山土や垣根づくりに使う孟宗竹を持ってきてもらったりもしていました。

父は今までの借家暮らしを脱し、自分たちが住む土地と家を得て、自分が思い描く理想の庭をつくることに没頭しているようでした。

現在の西花壇がある場所には、孫の為に砂場がありました。

砂場も使われなくなった頃に、父はそこに(今思い返せば)レンギョウを植えていたのでした。

その頃の私は、我が家の庭にどんな草木が植えてあるかなど気にも掛けていませんでした。

父が亡くなり、私が庭の世話をするようになりました。

私は、砂場跡に伸び放題になっていたその枝を、バサバサと刈り込み根っこまで掘り起こしたのを覚えています。

それが何という名の植物かも知らずに…


その時の、幹の肌合いと枝の広がり方を、昨日ふと思い出し “ドキリ” としたのでした。

昔、父が庭に植えていたレンギョウを、今,私が偶然にも選びまた再び植えていたのですから… 















〆縄飾り

2022-01-06 11:00:00 | 父の想い出
我が家には門があります。

決っして自慢話ではありません。今日のブログは父の想い出話です。


我が家を持つにあたり父と話をして、

「いつの日か門のある家にしたいよねぇ」

と、基礎の石段だけは父の戦友の石屋さんに無理を言って、タダ同然の値段で譲ってもらい作っていたのでした。




我が家を建ててくれた工務店の人(この人が私を山岳会に誘ってくれた)から、毎年、年賀状を頂いていました。

その年賀状には、いつも、自分が手掛けた建物の写真が使われていて、その一つに門がありました。

私は、その門が写っている年賀状を電話機の上の壁に貼り、

『いつかはこんな門を建てたいなぁ… 』

と、思い続けて10年以上が過ぎたある日、職場の近くで偶然その門を見つけたのでした。

私は不審者のように、その門の前を何度も行ったり来たりして、

『間違いない、あの時の年賀状の写真に使われていた門だ!』

と、確信したのでした。


でも、実際に我が家に門が建ったのは更に長い年月が経ってからのことです。

我が家の間取りを考え、庭の垣根や鯉の泳ぐ池、鹿威しも自分で拵えた父は、我が家の門を見ることはありませんでした。


池をつぶして、現在、葡萄棚のある(まだ葡萄はできていませんが… )駐車場をつくる時に、門も一緒に建ててもらうことにしました。

もちろん、あの工務店にお願いしました。


今年の正月、その門に初めて〆縄を飾りました。










父の想い出 <ユスラウメの実>

2021-05-06 12:02:00 | 父の想い出
桜の花を小さくした感じのユスラウメの花が咲いたのは3月の中旬でした。


ユスラウメは実を着けます。


花が散ってしばらくすると、小さな梅みたいな実を着けるのです。


食べられるようになるのは5月の下旬頃になると思いますが、最近やっとピンク色に色づき始めました。



実がなる木が好きだった父が元気だった頃、玄関の正面に植えました。

実が赤く熟すと、父は私の子どもたちにユスラウメの実を食べさせていました。

子どもらは成長し大人になっても、昔を懐かしむかのようにユスラウメの実を口に放りこみます。



去年初めて私の孫に食べさせたら、孫も気に入り食べてくれました。


ユスラウメの実がなる頃になると、亡き父のことを懐かしく思い出します。







父の思い出<模型飛行機>

2020-12-29 17:25:00 | 父の想い出
私の家は時計屋でしたが、お店の天井には父が製作した模型飛行機が幾つも吊り下げてありました。

ロウソクの炎で炙って曲げた竹ヒゴにロウでコーティングした紙を張り、ゴム動力で飛ばす模型飛行機の他に、軽いバルサ材を使った全長1mを超える大きな模型飛行機までいろいろありました。




小さい頃の私はお店の天井を見上げるのが大好きでした。

お正月には、父の作った模型飛行機を抱えて、父と一緒に飛行機を飛ばしに出かけたものです。

目の前に田んぼが広がる一段高くなった土手の上に立ち、空に向けて飛行機を放ちます。




手を離れた飛行機は、青い空に吸い込まれるように高く揚がり、ゴムの力がなくなるとゆっくりと頭を上下させながら風に乗る様に舞い降りてきます。

時には上昇気流を捉えて見えなくなるくらいに高く、遠くまで飛んで行き、回収できない飛行機もありました。




まだ小さかった私は、父の真似をして模型飛行機を作りますが、なかなか父の飛行機みたいによく飛ぶものはできませんでした。

そんな私に父は、「重心」とか「抵抗」とか「揚力」といった難しい言葉を使って飛行機の飛ぶ原理を説明しました。

理解できない話を聞いたところで、よく飛ぶ飛行機はなかなかできあがりませんでした。


父はきっと『物事の本質を捉える事の大切さ』を、まだ小さかった私に伝えたかったんだと思います。

それは今の私にとっても難しい事ですが、できる限り深く考察し、できる限り丁寧に物事を進めることを心掛けています。

それが父が私に教えてくれた事だと思っています。