宝剣山荘まで辿り着いた私たちは雨風が凌げる場所にザックをおろし休憩しました。



宝剣岳を越えて稜線の道を進むという選択肢は消えたわけで木曽殿山荘にはキャンセルの連絡を入れなければなりません。私はスマホを取り出しましたが“圏外”でした。
通信会社が違うメンバーのスマホも確認してもらうと、なんとアンテナ表示が出ています。私はそのメンバーのスマホを借りて木曽殿山荘へ電話しました。10回以上の呼び出し音の後に女性の声が聞こえた時はホッとしました。
風の中でしたので私の声が聞き取りにくかったようですが、風雨の為先へすすめす下山するので宿泊は“キャンセル”する旨伝えることができました。
会長は私のことを思ってか、
「あんた一人空身で宝剣岳行ってこんね、オイ達はココで待っとるけん!」
との提案がありましたが、とても行ける状況ではなく丁重に辞退させてもらいました。
乗越浄土からは一気にカール内へ下って行きます。つい先程までの強風は嘘のようにおさまりました。
嵐を潜り抜けてきた高齢者3人組は、この雨で息を吹き返した花々に癒されながらロープウェイ乗り場へ続く急坂を一歩一歩慎重に降りて行きました。

そんな中にも、個人の登山者や登山ツアーの団体が稜線を目指して登ってきます。中にはスニーカーを履いている若者もいました。
これがロープウェイで高所まで一気に上がり込むことができる木曽駒ヶ岳の"危うさ"なのだと思うのでした。
この後、私たちはロープウェイとバスを乗り継ぎ車を停めていた菅の台バスセンターに無事下山したのでした。
バスセンター駐車場から翌日泊まる予定の旅館へ連絡を入れ、本日の宿泊への変更も上手くできこれまたホッとしました。
チェックインの15時まで、メンバーの車で諏訪湖観光(諏訪大社上宮と諏訪湖の間欠泉)まで楽しむことができたのです。

その夜は旅館のシェフが腕を振るったイタリア料理をツマミに無事下山できたことに🍺で乾杯したのでした。

帰路は一部渋滞もあり13時間かけて帰宅、自宅に着いたのは夜の9時過ぎでした。
<おしまい!>