韓国・文大統領に“廃炉圧力”疑惑! 退任者を刑事訴追の歴史…野党「責任避けられない」
識者「全てのスキャンダルもみ消すことできない」 (1/3ページ)
- <iframe frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe>文大統領の発言が禍根を残すのか(AP)
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大阪出身で、2012年に現職の韓国大統領として初めて島根県の竹島に上陸、日韓関係を劇的に悪化させたことでも知られる李被告。
韓国最高裁は、大統領在職中にサムスン電子などから巨額の賄賂を受け取ったとして、特定犯罪加重処罰法上の収賄罪で懲役17年、罰金130億ウォン(約12億円)などとした二審判決を支持した。78歳の李被告は近く収監される。
韓国の司法は時の政権に大きく左右される。李被告の事件でも、自動車部品会社を巡る横領について、08年の特別検察官の捜査で「違法行為はない」と結論付けられたが、文政権下の18年の捜査では正反対の結果になった。
韓国では大統領経験者のうち全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)、朴槿恵(パク・クネ)の3氏が退任や罷免の後に刑事事件で起訴され、実刑判決が確定している。文氏が大統領秘書室長や民情首席秘書官を務めた盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は、退任後、側近・親族が贈賄容疑などで逮捕された結果、自殺した。
そして現在、文大統領をめぐって問題になっているのは、1983年から商業運転されていた慶尚北道(キョンサンプクト)慶州(キョンジュ)市にある月城(ウォルソン)原発1号機。2012年に設計寿命を迎えたが、22年まで稼働できるよう韓国水力原子(韓水原)が7000億ウォン(630億円)を投入し、老朽した設備を改修した。
しかし17年5月に脱原発を掲げた文政権が誕生、韓水原は18年6月に早期廃炉を決定した。
その経緯について韓国の監査院がまとめた報告書では、18年4月に文氏は青瓦台(大統領府)補佐官に「月城原発1号機の永久稼働中止はいつ決定されますか」と発言した直後から早期廃炉が急展開したと指摘した。文氏の脱原発政策発表から1年となる18年6月までに早期廃炉を決定するよう産業通商資源部が圧力をかけたという。
報告書は、原発改修の経済性評価を引き下げようとする圧力もあったとして、「一部に問題があった」と結論付けたが、早期廃炉の決定が妥当かどうかについては判断を見送ったという。
保守系野党「国民の力」の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表は、文氏の発言が不当な廃炉の端緒となり、3700億ウォン(約333億円)を無駄にしたと主張、「文大統領には歴史的な責任があり、退任以降にも法的な責任があれば避けられないだろう」と批判する。