
きのう多摩川へ出かけた。胡桃の木の分布を調べるのと、森に住むかの世捨人と話をしたくなって。是政橋下流の林を世捨人の住居の方へ歩いて行くと丸い物が散在していた。胡桃である。
まるで燃えて落ちたかのように炭をまとっている風情。中には青いまま落ちた胡桃もある。胡桃が落ちるのは2ヶ月先と思っていた。
心躍り拾った。小学生のころ川岸の胡桃の木のそばで父が落ちた胡桃を土に埋めて腐らせた記憶はあるが拾った記憶はない。
果肉が腐りかけた胡桃はまさに炭の衣を着ている感じ。表面が緑の果肉がなぜこう黒く腐るのか。腐ると堅い実との間に隙間が生じて、ごそっと衣が脱げる。思っていたより果肉を取るのは面倒でないと感じた。

外側の果肉が腐って脱落する

さて、こんなに早く落ちてしまって中身は熟しているのか。「しいな」ではないのか、割ってみた。
白い。完熟したものはやや黄味がかるが早く落ちてしまったのは、搾りたての乳のようにみずみずしくまさに濡れている。
口に入れると生乳の風味がありうっすらと甘い。森で腐らせずに拾って食べるのを供養のように感じる。

是政橋の上流200m
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