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身寄りもなく施設で暮らす老人、でも悠々自適で活動しています

2016-12-13 03:22:13 | 日記
老人ホームに暮らして16年、杖も昼寝もいらない94歳の「きーちゃん」をご紹介します。

9畳間の部屋は物であふれ、生活感がにじみでています。(これは稀有なことです。老人ホームに勤務したことがありますが、ユニット型といわれる個室でも病院と変わらない部屋が多いです。私物なんてほとんどないんです)

きーちゃんの好物はステーキ。

一歩部屋を出れば共同空間が広がる施設で、車いすの人や手すりに摑まる人のあいだをすたすたと歩く足腰達者なきーちゃんです。

天気の良い日は好きな服を着て愛用のリュックをかつぎ、巡回バスで買い物などに出かけます。友人への励ましも大事な仕事です。

「職員さんがなんでもしてくれるから、風呂掃除もないし、箸一本洗わなくていい。ただね、テレビは厄介。一度つけるとずるずる引きずられて時間を奪われる。でも離れられない、ありゃ魔物だわ。」と言います。

きーちゃんは毎日5時間はお仏壇に向かって題目をあげています。その大事な時間がテレビによって奪われてしまうのですからテレビは確かに魔物です。しっかり自覚しています。(定年退職後ののんびりを夢見ている現役の人はよーく覚えときましょう)

老人ホームで悠々自適?な生活を送るきーちゃんですが、てこれまでの人生は決して楽で平らな道ではありませんでした。

16歳で親の言うまま嫁ぎますが、相手は酒乱で殴る蹴るの暴行を受け、全身あざだらけ。刃物を振り回されたり、猟銃の銃口を向けられたり、殺されるのは時間の問題だと思ったほど。

3歳の娘がいて、だんなが怒ると駆け寄っていって、だんなの怒りをおさめて小さい体でお母さんを守ってくれたけど、4歳になる前にはしかで亡くなってしまいました。

数年後には息子もはしかで亡くし、だんなはますます酒乱がひどくなり、2人も殺しやがってとさらに殴られる。そん生活が20年続いたのです。

変わったのは仏法との出会いから。

だんなに無理やりやらされたけど、いっしょうけんめいお題目をあげていたら、だんなの胃潰瘍が治ってしまったのです。死んでくれるのを願っていたからショックでした。

酒乱も治らないものかと思って相談したら、「病気はご主人の問題。酒乱は奥さんの問題」と言われました。題目をあげるうちに、夫を憎む醜い自分の姿が見えてきました。

それからのきーちゃん一家は以前を知る人からは別家族のようでした。

かつての酒乱のだんなは80歳の天寿を全う。一日も早い死を願った人なのに、最後は一日でも長くいっしょに生きたいと祈りました。

今きーちゃんは天涯孤独の身です。

でも施設には、たくさんの仲間が会いに来てくれます。他の人からお孫さん?娘さん?と聞かれ、面倒くさいので孫や娘にしておきます。

在宅とか施設とか、そんなものとは言いませんが、それが幸せの決めてではないのです。自宅で地獄の人、施設で地獄の人、病院で天国の人…何が決めてなのでしょうか。環境でしょうか?お金でしょうか?

自分自身にしかわからないことです。







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