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103万と130万の壁をのりこえて働くには?

2014-07-22 14:16:38 | 日記
パートやアルバイトで働く主婦にとっての壁といえば

103万円と130万円の収入上限があります

収入が103万を超えると

自分自身の所得税を払わなくてはいけないし

夫(配偶者)は配偶者控除が

受けられなくなるため

実質増税となってしまいます

また、収入が130万円を超えると

夫の扶養から外れるため、

社会保険(健康保険・厚生年金保険)に

加入しなければいけなくなります

多くの人にとって、手取り収入の減少をもたらします

なので、労働時間を調整する人が多い、らしいのです

配偶者控除の見直しが議論されていますが

廃止・縮小賛成派はこの制度が

「女性の就労意欲を削いでいる」

と主張しています

反対派は「実質的に増税」であり

「小さい子供を抱えてフルタイムでは働けない主婦のいる家庭にとって大きな打撃となる」と厳しく批判しています

私は賛成派の主張する「女性の就労意欲云々」には到底納得できません

なぜって、もし本当にそうだと思うんなら廃止や縮小ではなく、

むしろ拡大するべきじゃないですか

収入上限を180万とか200万とかにすれば

安心してもっと働けるんじゃないの?

103万円という壁があるばかりに

働きたいのに働けないんならね

でも、そもそも本当にそうなんでしょうか?

仮に配偶者控除がなかったとします

時給800円で1日5時間、1か月100時間働いて

8万円の収入のある主婦がいます(年収96万)

夫の扶養なので所得税も住民税も払わなくてもよく

社会保険料も払わないで、医療サービスを受けたり

年金をもらったりできます

この主婦は1日8時間フルタイムで働きたいと思うでしょうか

1か月160時間働いて、税金や社会保険料を引かれたら

手取りは10万8000円ほどです

いくら社会保険料は半分事業主が負担するとか

厚生年金は1か月から基礎年金に上乗せ給付されると

いわれたところで

これじゃあ、長時間働く気になれないというのが

正直なところじゃないでしょうか

女性の就労意欲を削いでいるのは

配偶者控除なんかよりもむしろ

低賃金じゃないですか

ようするに、労働力が足りないので

主婦を安いお金で長時間働かせようって魂胆にしか思えません

じゃあ、配偶者控除はこのまんまでいいのかと言われたら

いいとはやはり思えないのです

反対派のいうことはもっともなんですが

実際には、小さい子供がいようが

目の離せない要介護状態の高齢者を抱えていようが

働きに行かざるを得ない人たちがいて

その人たちのとっては、配偶者控除なんてなんのたしにもなっていないのです

また、配偶者控除には夫の所得に制限がないため

(制限があるのは特別控除です)

金持ち優遇といわれても仕方がないです

勝間和代さんはシングルらしく、ここを厳しく批判しています

配偶者控除が低・中所得者の家計を支えている部分があるにしても

さらに厳しい状況にある人たちの支払う税金で賄われている

と言わざるを得ない状況だと思います

私は配偶者控除は大きく見直すべきだと思います

でも現政権の「女性活躍」とか「女性も能力を発揮」とかは

どうしても合点がゆきません

活躍しても能力を発揮しても

給与に反映されないのになぜがんばるのでしょうか?

人のために尽くすとか、社会に貢献するとかですか?

まずお金のある人が率先してやってみてください

ってかんじです

女性の活躍は大いにけっこうですが

それには給与アップが欠かせません

家計補助でいいと考える人が「ま、いいか」で

低賃金の仕事を引き受けると

業界全体の給与水準が下がってしまいます

今低賃金で働いている人、子供が大きくなって

もう少し割のいい仕事と思っても

すでにそんな仕事はありません

今の仕事で賃金を上げるほうが

「いい賃金の仕事につく」よりも

はるかに現実的です