不敵な笑みを浮かべた三人。
[彼女らの作戦はこうだった]
ユンヒはミエの肩に手を置くと、余裕の笑みでこう言った。
「ミエ、あんたもうすぐ誕生日だよね?」「え?あ・・そうだね・・誕生・・」
「うちらが自然に仕掛けてくるからさ、あんたはヨユーで待っててよ」
ユンヒ達はそのまま、キャラキャラと笑いながら行ってしまった。
ミエは口をあんぐりと開けたまま、ポカンと立ち尽くした・・。
「・・・?」
ユンヒ達はそのまま廊下の一角に固まった。
キム・チョルが、そこを通りかかるのを待つ。
そしてすれ違うその一瞬を待って、さりげなく口を開いた。
「あ〜もうすぐファン・ミエの誕生日だね」「そうだよね!何日だったっけ?」
しかしユンヒは諦めない。
体育の時間になっても、
「こっちきて!ついてきて!」「何〜?」
そしてわざと仲間外れに・・。
「さらば!」
そして誕生日の話をし、気にならずにはいられないように・・・。
「もうすぐミエの誕生日だよ!プレゼント何にする?」
適当に折り、
そしてチョルがよく見えるように落とす・・
準備万端なユンヒだが、思わぬ事態が起こった。
必死なミエがチョルに話しかけようとしたので、チョルが席を立ってしまったのだ。
「ねぇ!チョ・・」
「ねぇミエ・・わっ!」
「あの・・キム・チョル、メモを拾って・・・」
ユンヒがそう言うのと、チョルがメモを蹴るのが同時だった。
そしてそのメモは、ウザイ男子の元へと飛ばされて行ってしまった・・。
「俺が拾った〜!ん?なんだその顔?」
失敗・・・。
一方ミエは、チョルに無視されてイラ立ちMAXの上、
またしても当番を忘れて寝ているソ・ジスを見つけてブチ切れていた。
「起きろっ!!」
グイッ!
半ば強引にソ・ジスを起こすと、ミエは窓際まで引っ張っていった。
「こっち来なさい!黒板クリーナー、あんたがやってよ!」
眠たそうなソ・ジスは、ミエが近くにいるのを忘れてクリーナーをはたく。
「あ・・」「ゲホッ!ゴホゴホッ!」
「あ、ごめん」
ミエは堪忍袋の緒が切れた。
ソ・ジスに向かって、クリーナーをぶん投げる。
「あんたマジでぶっ飛ば・・!!」
しかしそれが当たると思われたその瞬間、ソ・ジスはスッとそれを避けた。
ポトリと落ちるクリーナー。
ミエはあんぐりと口を開ける。
「なんなん?ヒマなん?」
「これショボいのに・・」
ソジスはボソボソとそんなことを口にしながら、クリーナーを拾った。
あくびをしながら、お手玉をするようにクリーナーを放った。
寝ているかぼーっとしているかのこの男が見せた、一瞬の素早さ。
あれは一体なんだったのか・・・。
まるで意味が分からないまま、ミエは廊下に立ち尽くしていたのだった・・・。
第八十三話③でした。
ソジス・・・何者・・?!
何か格闘技とかやってるのか・・?まだまだ謎のベールに包まれていますね。気になる!
そして遂に出てきましたミエの誕生日!
ここから誕生日を軸に話が展開していきます!!
第八十三話④に続きます