青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第二十三話③

2021-07-05 | 第二十二話〜第二十四話

ファン・ミエはキム・チョルを追いかけて、

普段あまり来ない棟の中をひた走っていた。

キョロキョロ

チョルの気配を感じ続けながら、その足取りを追う。

やがてチョルは、いつも昼休みに訪れている”科学室”に到着した。

しかし・・。

ミエが追いかけて来ているのは、チョルも気がついていたのだった。

科学室には入らずに、チョルはすごい速さで違う道を行く。

バババババ!

バババッ!

タッ

そうして曲がり角を曲がったちょうどその時、ミエがフロアに到着する。

バッ!

確かに気配を感じていたのに、そこにはもう誰もいなかった。

「あれっ?どこ行った〜?」

ミエが狐につままれたようになっていた頃、

チョルは階段の下で息も絶え絶えであった。

ゼーハーゼーハー

あまりに急いで階段を駆け下りたので、

転ぶところだった らしい。

[大魔王は、しばし人生の走馬灯を味わった]

何やってんだ俺・・

ズーンと落ち込みながら、チョルはしばらくその場に座っていたのだった・・。

 

 

<言葉のように簡単でなくて>

ミエは家に帰ってから、塾に向かう準備をしていた。

チョルを追いかけていたはずなのに見失った、昼間の不思議体験を思い出しながら。

「一体何なんだろ?!塾でもう一回聞いてみよ!」

「塾で・・」

思わず「ふふ・・」と笑みが漏れてしまうのは、

塾では”知り合いヅラ”してもいいとチョルが許可してくれたからだ。

ミエは少しワクワクしながら、塾のバスに乗った。

 

 

 

「そして、玉ねぎの根を薄めた塩酸に浸して細胞の活動を停止させ・・」

「成長点を顕微鏡で観察すると、核の形状がそれぞれ・・」

まるで呪文のような文章をスラスラと読んでいくクラスメイト。

ミエは目をぐるぐると回しながら、一人パニックに陥っていた。

うわああ!とりあえず全部ノート取って、理解できないなら覚える!
でも学校の進度と被ってない部分はいつやればいいの・・??

家で空いた時間に何とか・・
あ、新刊出るな。今度借りよ・・

はっ

集中集中!うわあああ

いつの間にかレンタル漫画のことを考えてしまっていた・・。

脳の容量は限界値を迎え、ミエはいっぱいいっぱいのまま塾の時間を終えた。

「さようならー」

ブーン

「ただいまー」 

ワンワンとムンクに迎えられ、

目まぐるしくご飯、お風呂、とこなして行ったら・・。

「あれっ??」

気がつけば・・

[1日が終わっていた]

[これが中三受験生の醍醐味なのか]

ふと我に返る時間すらなかった。

気がつけばミエはベッドに入っていたのだった。

昼休みのことを、キム・チョルに訊こうと思っていたのに・・。

[キム・チョルの顔、見たっけ?塾に来てたっけ?]
 
[記憶が無・・]
 
カクッ!

そしてミエは速攻で眠りに落ちた。

中学三年生の一年は、こうして目まぐるしく流れていく・・。

 


第二十三話③でした。

チョルくん、昼休みの秘密基地を死守しましたね〜

涼しい顔して逃げるかと思いきや、結構必死だったww

塾から帰ってソッコー寝てしまうミエちゃんも可愛かったです

 

第二十三話④に続きます



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