やめろと言われたからしない ことにしたミエ。
怪我を気遣われるのも、勉強に誘われるのも、チョルにとっては疑問でしかない。
[突然どういう風の吹き回しかは知らないけど]
無視、と心に固く誓うチョル。
[どう考えてもただの気まぐれにしか思えない]
チョルは終礼の挨拶が済むと、すぐに教科書を仕舞って教室を出る。
[大魔王の心には余裕がないのだ]
[大事なことにだけ集中したい]
チョルは一人でズンズンと歩いて行く。
擦り剥いた手の甲が、小さくピリッと痛んだ。
[小さな刺激にも反応する余裕がない]
こんなことしてる場合じゃねぇ、早く帰って服着替えて・・
そして大股で一歩進みかけた、その時だった。
「ねぇっ!!」「うおっ!!」
「なっ!なんなんだよっ!マジで何なんだよっ!このど阿呆が!!」
「誰がど阿呆よ!」
突然ひょっこり出て来たミエに、チョルは心臓が飛び出るほど驚いた。
しかしミエは何も気にせず、明るくこう言ったのだった。
「アンタ、最近勉強頑張ってるでしょ?」
「私も頑張んなきゃなの!」
「だから一緒に勉強しよーよ!ね?」
[その上、あぁ本当に]
「仲良くしよ!」
「ねっ?」
[こんな刺激は、ギュッと息が苦しくなる]
逃げても逃げても、刺激は追いかけて来るみたいだ。
大きなまん丸の瞳がキラキラと光って、チョルは胸が苦しくなる。
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第十三話⑤でした。
短めの記事ですみません!これで十三話は終わりです。
ミエちゃんのメンタルがたくましすぎて眩しい・・
ようやく二人がグッと近づきましたね〜〜!先が楽しみです
第十四話①に続きます
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