「とりあえず俺とデートしよっか?」
モ・ジンソプと別れた後も、その言葉がずっとミエの脳裏を回っている。
元幼稚園バスの面影が残る塾のワゴンに乗っている今も尚。
[デート・・]
デート??
とにかくデートのイメージが全く掴めないミエである。
ワゴンの外では「幼稚園だってー」と子供たちが笑っている。
ミエが噴き出した水を被ったジンソプは、引き攣る笑顔で
「気が変わったらいつでも連絡してね」と言って去っていった。
するわけないじゃん、と思いながら外を見ると、ふと見知った人がいた。
今日は塾来るかな?
気づくかなと思って窓を叩くも、ほどなく車は出発した。
ミエはヨンヒの残像を思い浮かべる。
ヨンヒは・・大人っぽいから恋愛してるんかなぁ・・
しかし、ふと以前ヨンヒに言われたことを思い出した。
「ミエのこと妹とか娘とでも思ってんの?」
そうチョルに対して言っていた・・。
なんでそう思うのかも・・
しかし教室に入ったミエが会ったのは・・・。
よりによって一番苦手な、ジョン・ソラであった。
思わず挨拶すら口ごもるほどに・・。
そう思いながらも、ソラのことをチラチラと見るミエ。
・・じゃなくて!どうしてまた避けてんのよ私はっ!
無意識にビビっていた自分に気づいたミエは、一転してソラに話しかけ始めた。
「ソラ、こんにちは!ヨンヒはまだかな?あれ?ソラも宿題するんだね!
ソラは大きな音を立てて立ち上がった。身長差約20センチ。
ソラはミエを見下ろしながら低い声で言った。
「おい、私と一緒に勉強したかったらどうしろって言ったか覚えてるか?」
「あ・・どうだったかな〜?記憶が〜」
笑って誤魔化そうとしたミエに、ソラは以前口にした約束を突きつける。
「1・跪いて謝る 2・踏んだタバコと同じものを買ってくる」
誤ってミエがタバコを踏んだことを、まだソラは許していなかった。
けれどいまだに謝罪がないことを受けて、
ソラはミエにこのような約束を取り付けていたのだった。
しかしミエはそれを到底受け入れることは出来なかった。
「それはちょっと〜!どっちも常識的に無理だって!冗談にしてもひどいよっ!
私たち同じクラスの女子同士なんだし、
「クソガキみたいに駄々こねれば思い通りになるとでも思ってんの。
できないならふざけてないで私の前から消えろ」
一刀両断。
ミエはポカンと口を開けたまま、そのまま教室を出て行くソラを見ていた。
そして怒りは、時間差でやってきた。
「ちょっと!ジョン・ソラ!どこいった?!ここか?!ここ?!
[今日に限ってヒドイ目に遭うファン・ミエであった]
第八十五話③でした。
あ〜前にソラが耳打ちしてた場面は、こういうことを言っていたんですね。
言ってることは辛辣だけど、ごめんミエ・・・ちょっとわかる・・。
ほら・・ミエは・・全部自分のペースに巻き込もうとするようなところがあるから・・
タバコを買ってくるのは出来ないとしても、わざとじゃないにしても相手のものを潰しちゃってるんだから、
何かお詫びしようって気持ちを持つとか・・ほら・・
と薄々思っていたので、今回怒り出すミエを見て「ん?」と思ったりなどしました・・。
すまんミエ!
第八十五話④に続きます
ミエ、ポンコツちゃんで次々と難がくるけど、
次々と違う男達との絡みもきて
イケメンからデート(一応)とは!
ガチのデートじゃなくてもイケメンとデートは
ラッキーよ!
ポンコツwwはっきり言った!
そしてやはり成り行きとはいえイケメンとデートはラッキーすぎますね!
ミエの可愛い格好が見たい!