チョルはまだ一人で道を歩いていた。
視線の先に、ヘッドフォンを付けた見覚えのある後ろ姿がある。
ミエの名札を奪ったという、ヘッドフォンのあいつ。
その男が角を曲がった。
チョルは気配をギリギリまで消して、
その男が角を曲がった途端、猛ダッシュで追いかけた。
さて場面は再びミエ&ジンソプ。
ジンソプはミエに、
”キム・チョルがミエのことを理性的に好きになるか、確認してみるかしてみないか”という問いを投げかけた。
「どうする?」
様々な駆け引きに心を揺さぶられているミエだが、まだ靡かずに腕を組んだ。
「フン!ふざけてんでしょ?」「違うけど・・」
「・・う・・・」
組んだ腕が、ゆるゆると下がって行く。
ミエは空を見つめたまま、しばらく考え込んだ。
キキーッ
チョルは”ヘッドフォンのあいつ”を追いかけて走ったが、すんでのところで逃げられた。
無情にもバスは発進する。
息を切らせて、汗だくで、チョルは深く息を吐いた。
やがてトボトボと歩き出す。
場所はトッポギやおでんを出す、軽食屋の前。
チョルはミエとジンソプには気がつかずに、そのまま歩いて行ってしまった。
中では会話が続いている。
「よく考えなよ。面白そ・・いや気になることは調べなきゃ」
「キム・チョル、かっこいいもんね?」
頭でチョルのことを考えさせた後、視覚でチョルを思い出させて揺さぶる。
ミエの脳裏に浮かぶチョルは、きっとこんな男前・・・。
まるで赤子の手を捻るように簡単に、超恋愛初心者は動揺した。
キョロキョロと視線を動かして、落ち着かないのが見て取れる。
やがて、観念したようにミエがこう言った。
「・・それ、どうやって調べるの?」「んー・・」
「とりあえず、俺とデートしよっか?」
モ・ジンソプはその爆弾発言を、まるで世間話をするように切り出した。
ブフーーーーッ
「うわーーっ!おいファン・ミエ・・!」
ジンソプの叫びが響き渡っている頃、チョルは立ち止まって息を吐いた。
自分の知らないところで思わぬ事態が進行中であることには、気づかないまま・・・。
第八十五話②でした。
えーっと・・・記事を書いておいて何なんですが、チョルはなんでソジス(だよね?)のこと
追いかけてるんでしょう・・・?
え?名札の件?週番の件??
すいません・・よく分からず・・心当たりのある方、コメ欄にてお待ちしてます・・。
*コメント欄にてろんさんが分析してくださいました〜!
ろんさん、ありがとうございました!!
第八十五話③に続きます
いつも素敵な翻訳をありがとうございます。
たぶんチョルはミエの名札を取ったと思われるヘッドフォンの男を見かけたので追いかけたんだと思います!
それがソジスであると気づいているかは不明ですが…
こんにちは!コメントありがとうございます!!^^
な、なるほど〜〜〜!
そうか、我々読者はヘッドフォン=ソジスと知ってるけど、チョルは知らないのか・・!
チョルの視点が欠けておりました!
ろんさん、本当にありがとうございます〜〜〜!!^^
あちこちに伏線が散らばったまま超スローで進むもんだから、色々忘れちゃいますよね。
ろんさん、ありがとうございます!
そうなんですー!完全に迷子に・・涙
温かなコメント欄のおかげで私は生きています・・コマウォヨ〜〜!